【利用者もファンも混乱?】埼京線,相鉄線 相互直通運転開始

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2019年11月30日。

相模鉄道にとって長年の悲願であった都心への乗り入れが実現しました。

当サイトでも開業前の準備については既に様々な情報をお伝えしてきたほか、既に多くのファンやメディアの方が足を運ばれていますので、趣味サイトらしく運転開始とともに明らかになった新情報を中心に整理していきます。

利用者だけではなく、両社のファンにとっても疑問点がたくさん出てくる複雑な運行体制です。

過去記事と合わせてお読みいただければと思います。

開業準備は念入りに行われていたものの……

両社の新造車両を活用して実施されてきた乗務員訓練が頻繁に運行されていたため、運転開始初日は列車運行支障になる重大なトラブルは発生していません。

しかしながら、駅の案内表示などの誤表示が多くみられています。

JR東日本では、武蔵小杉駅にて、相鉄線内の停車駅が誤っている(いずみ野線の駅が表示される)のが注目を集めましたが、大崎駅については横須賀線の停車駅が表示されるという一番トラブルになりそうな誤植も。

更に、JR東日本アプリでは在線表示・情報が上手く表示できていません。

アプリについては特殊経路を走行するこの路線の性質上やむを得ない気もしますが、駅の誤表示はただでさえ乗り間違いが多く出そうな系統ですので、早急な対応に期待したいですね。

相鉄側はプレスリリースを出す事態に……

今回の直通運転では、相鉄側の種別について、JR線直通の上り列車の種別色は黒地緑文字・下り列車は相鉄従来の種別色という使い分けがされています。

車両についても新しい表示が準備されていましたが、車外表示機は正しい色となっている一方で、車内の液晶ディスプレイの種別色は上下ともに相鉄の種別色そのままという設定ミスが朝のうちに発覚した模様です。

試験表示で気付かなかったのか、気づいたものの対応が間に合わなかったのかは定かではありませんが、うっかり羽沢横浜国大駅に連れていかれるとかなりの時間ロスになりますので、誤乗リスクは早急に解消してほしいところですね。

なお、羽沢横浜国大駅の駅案内が2013年現在と表示されているようですので、ほかにも細かな誤表示は出てきそうです。

マイナートラブルは付き物……

運転本数がかなり少ないうえ、誤乗すると30分に1本しか電車が来ない羽沢横浜国大駅に連れていかれるというリスキーな路線ですので、 誤乗に繋がる点だけでも早急な対応に期待したいところです。

以上のトラブル、どれもこれも準備不足な感じは否めませんが、私個人としては意外とスムーズなスタートに感じました。

他社の直通運転では例を見ない難しい運行体系となっていることを考えると、許容範囲内ではないでしょうか。

ファンからすると短期間で見納めになることが確実なエラーですので、カメラに収めるなら近日中ですね。

本当の山場はこれから?

2008年・2013年と大規模な直通運転で注目を集めた副都心線では、小竹向原駅を中心としたダイヤ乱れが大きな問題となりました。

今回の直通運転の最大の課題も、平面交差支障が発生する旧・蛇窪信号所(現在は大崎駅構内扱い)でしょう。

日中時間帯でさえ上下各12本ずつ(横須賀と湘南新宿ラインが各4・相鉄直通と成田エクスプレスが各2)が行き来する設備としてはかなり貧弱です。

用地買収の課題が解消されるまではどうしようもないところですが、東海道線の輸送障害時に迂回で流れ込んできたら目も当てられない状態となることは明らかです。

まずは運転開始という1つの山場を越えたところですが、最大の山場は今後発生する輸送障害・遅延対応かもしれませんね。

コロコロ変わる列車番号

日本中の鉄道列車は列車番号によって各社の管理下を走行していますが、この直通系統の列車番号付番はかなりややこしいものとなっています。

まず、相模鉄道では、従来からの種別で分けて順番に付番する規則となっています。

JR線直通の特急は3100番台・各停は6200番台とされました。

JR線の新宿以南については、相鉄の列車番号の末尾3桁+Mとなっており、相鉄線内特急は100番台・相鉄線内各停は200番台とここまでは整合性を保っています。

しかしながら、埼京線新宿以北に直通する列車については、新宿駅で列車番号を変更・埼京線流の全く異なる付番に様変わりします。

相鉄線直通については、同区間を走る湘南新宿ラインなどの中距離電車と同じ「列車」として運転される一方で、埼京線は通勤路線なので従来から「電車」として全く異なる扱いで、今回のダイヤ改正以降もりんかい線直通列車については従来同様に埼京線方式です。

この違いから、大崎駅~新宿駅間については「電車」の埼京線(りんかい線直通)と「列車」の埼京線(相鉄直通)が日常的に混在することとなります。

「電車」から「列車」に、「列車」から「電車」に変化する列車も定期列車では異例の存在です。

しかも、「列車」であれば「普通」となるはずの種別が「各駅停車」としての案内で行われています。

埼京線側の案内に揃えたのが背景かと推測できますが、この辺りはファンの方にとってはモヤモヤしてしまいますね。

車両側の列車番号表示機について、JR線内では列車番号表示となっていますが、相鉄線内では相鉄の80・90番台運用番号(JRのものとは別付番)を掲げて走行しています。

E233系7000番台の新宿を跨ぐ列車については、埼京線の運用番号と相鉄の運用番号の異なる2つの運用番号を持つこととなり、ここまで複雑な扱いをしている路線もなかなか珍しいのではないでしょうか。

日中に線内間合い運用も

直通運転開始に伴い、12000系全編成が直通運用に専念する……と思いきや、直通列車の前後に横浜駅発着となる運用も複数設定されています。

但し、平日5運用・土休日4運用程度が直通列車に使用されるため、固定の列車以外でその姿を見かけることは困難になりそうです。

特急運転終了や直通運転対象から漏れるなど、何かと不遇ないずみ野線に12000系が走るチャンスも直通前に比べると大幅減ですが、間合い運用で辛うじて維持されている模様です。

列車番号・運行番号・間合い運用に対応した運用表は近日中に公開予定です。

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