2021年7月2日から3日にかけて、静岡県などで発生した大雨の影響により、伊東線では伊豆多賀駅〜網代駅間の法面崩落が発生しています。時系列とともに、追える範囲で列車の采配について記録します。
なお、現地記録には安全面に十分注意しています。筆者は近隣在住ですが、居住エリアは防災マップ等で記載されていない安全な立地です。熱海駅周辺などの傾斜地は状況が悪いため、それ以外の地点の明細については実地での記録は行っていません。
主な時系列
7月2日朝
伊豆急行線伊豆高原以南が大雨により運転を見合わせ=特急踊り子号は伊東駅発着または運休
運転予定:踊り子3号〜8号・サフィール踊り子1〜2号・踊り子13〜16号
7月2日昼12時ごろ
伊豆多賀駅〜網代駅の設備故障(法面崩落)による運転見合わせ
5643M リゾート21:熱海駅1番線で運転見合わせ
3001M サフィール踊り子1号(伊東行き):熱海駅2番線で運転見合わせ→熱海で運転打ち切り
3033M 踊り子13号(伊東・修善寺行き):横浜駅5番線で運転見合わせ→横浜で運転打ち切り
3028M 踊り子8号(伊東発東京行き):踊り子3号からの折り返し整備のち運休(伊東4番転線・留置)
4028M 踊り子8号(修善寺発東京行き):三島駅で運転見合わせ→当日中に茅ヶ崎方面へ回送
2日時点
翌3日は午前中運休と発表・特急は全列車終日運休
3日5時20分
伊東線運転再開・特急は全列車終日運休
熱海駅停泊のリゾート21は1621M車両の運用で伊豆高原へ帰還・本来運用通り8000系に
3日9時10分
伊東線が雨量規制により運転見合わせ
1634M 普通伊東発熱海行き 伊豆多賀駅で運転見合わせ
5633M 普通熱海駅発伊豆急下田行き(旅客案内不明) 伊豆多賀駅で運転見合わせ
3日12時ごろ
伊東線の輸送障害情報が再度「大雨による法面崩壊」に変更
3日14時30分ごろ
伊東線の終日運休を発表・伊豆急行線伊豆高原〜伊豆急下田駅間は運転再開
3日16時ごろ
4日の特急全列車終日運休を発表
伊東線の被災状況
法面崩落の発生した箇所は、伊豆多賀駅〜網代駅の国道135号線にほど近い、中野踏切〜小山第二歩道橋付近の海側の法面です。
この前後は法面に紫陽花が植えられており、この梅雨の季節は伊東線屈指の風景でファンも多いエリアです。
2日16時ごろ
法面の草木が剥がれており、法面自体に水流が出来てしまっていることが伺えます。
JR東日本小田原保線技術センターや協力会社の東鉄工業などによる復旧作業が始まっていました。
3日7時ごろ
夜通しの復旧作業が実施され、伊東線では5時20分ごろより運行を再開しました。
復旧作業のほか、道路に流出した土砂も撤去されており、歩道以外の通行が可能となっていました。
3日14時ごろ
それまで大雨のためとされていた輸送障害情報が、12時ごろに再度「法面崩落」へ変更されました。
当初の写真と見比べると、下田駅寄りが新たに崩壊していることが見て取れます。作業のために草木を除去したようにも取れますが、一旦清掃された道路が再度砂塗れとなっており、意図しない崩壊があったものと思われます。
朝の時点では側道の通行規制解除・歩道のみ通行止めのため誘導員が配置されている状態で、これによりすぐの発見に至ったものと思われます。
(参考)その他の静岡エリアの輸送障害
東海道新幹線が朝の時間帯に運転を見合わせていたほか、東海道本線(JR東日本管内:小田原〜熱海・JR東海管内:熱海駅〜興津駅〜浜松エリア)にて長時間の運転見合わせが発生しています。
三島駅〜興津駅間は18時まで、小田原〜熱海駅間は終日、熱海駅〜三島駅間は記事公開時点で未定です。その他の静岡県下の路線も長時間の運転見合わせを余儀なくされました。
特に、熱海市伊豆山で3日10時30分ごろに土石流と見られる災害が発生しており、東海道新幹線・東海道線の高架線直下が現場となり心配の声が上がっていますが、東海道新幹線は最徐行での運転・東海道線は発生以前から運転見合わせとなっています。
また、3日朝に発生した黄瀬川の橋脚損傷は東海道線の三島〜沼津駅間の黄瀬川橋梁と程近いですが、記事公開時点で鉄道橋の損傷は報告されていません。
このほか、神奈川県内の相模線・横須賀線で一時冠水が報じられました。
ファンから注目される主な列車
5031M サンライズ出雲・瀬戸号下り:徐行により大幅に遅れて運行
5032M サンライズ出雲・瀬戸号上り:三河三谷駅にて運転見合わせ→浜松駅で運転打ち切り→静岡駅まで回送
51レ スーパーレールカーゴ下り:東田子の浦駅中線にて運転見合わせ
50レ スーパーレールカーゴ上り:清水駅にて運転見合わせ
2063レ 貨物列車(EF66 27号機牽引):沼津駅2番線にて運転見合わせ
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