2021年3月のダイヤ改正にてE131系がデビューした房総エリア。
千葉近郊の減車も加わり209系に余剰車が相次いでいましたが、このうちC618編成6両とC605,C616編成から外された中間電動車について、2021年4月22日に幕張車両センターから新小岩操車場経由で長野総合車両センターへ向けての配給輸送が実施されました。
今回の輸送は廃車を目的としたものとみられます。
E131系投入とその後
房総エリアでは以前より新型車両の投入による外房線・内房線の一部区間のワンマン化施策が検討されており、2020年度に新型E131系が姿を現しました。
内房線君津〜安房鴨川〜外房線上総一ノ宮駅の通し運転を中心とした運用を中心に、鹿島線と入出庫絡みで成田線成田〜佐原駅間の一部列車にも使用されています。
E131系は2両12編成が投入され、2両編成または4両編成にて活躍しています。
E131系が代替した列車は4両編成での運行となっていた短編成のものでしたが、このダイヤ改正では同時に千葉駅発着列車の一部で実施されていた6+4両編成での10両運用終了など、千葉県内の普通列車全般に運用の見直しが実施されています。
これにより、運用数が削減された6両編成に余剰車が発生しているほか、6両編成6本はダイヤ改正前後に4両化が実施されています。
2021年3月改正で組み替え・運用離脱した編成
2021年3月のダイヤ改正に関連した209系の動きでは、運用数が削減された6両編成が運用離脱したほか、6編成が4両編成に編成短縮を実施しています。
編成短縮の対象とされた6編成については、ダイヤ改正前に予めホームドアに対応する改造が施されていました。
旧来より209系2000番台,2100番台を使用した成田空港駅発着列車が朝夕に設定されていますが、全て4+4両の8両編成にて運行されていたため、本来であれば6両編成は改造不要です。ダイヤ改正までに準備されていた6両6編成がそのまま編成短縮の対象となりました。
209系の転用では中間電動車の2号車(都心側)にトイレ設置をした都合で、抜き取られた電動車は6編成とも4号車・5号車となっていた奇数番号の電動ユニットとなっています。
また、抜き取られた電動ユニットは編成単位での余剰車とみられる(検査時期が近かった)6両編成の中間に挟まれる格好で連結されていました。
このほか、209系0番台の転用時になるべく川崎重工業製の車両を避ける組み替えとされていましたが、今回のダイヤ改正関連では玉突きでこれらの編成を先に置き換える……といった動きは発生していません。
6両編成→4両化
新番号 | 旧番号 | クハ209 6号車 | モハ209 5号車 | モハ208 4号車 | モハ209 3号車 | モハ208 2号車 | クハ208 1号車 |
C443 | C605 | 2105 | 2109 | 2109 | 2110 | 2110 | 2105 |
C444 | C611 | 2111 | 2121 | 2121 | 2122 | 2122 | 2111 |
C445 | C613 | 2113 | 2125 | 2125 | 2126 | 2126 | 2113 |
C446 | C614 | 2114 | 2127 | 2127 | 2128 | 2128 | 2114 |
C447 | C616 | 2116 | 2131 | 2131 | 2132 | 2132 | 2116 |
C448 | C620 | 2120 | 2139 | 2139 | 2140 | 2140 | 2120 |
廃車待ちとみられる10両化された車両
合計30両
クハ209 6号車 | モハ209 5号車 | モハ208 4号車 | モハ209 5号車 | モハ208 4号車 | モハ209 5号車 | モハ208 4号車 | モハ209 3号車 | モハ208 2号車 | クハ208 1号車 |
2112 C612 | 2123 C612 | 2123 C612 | 2127 C614 | 2127 C614 | 2121 C611 | 2121 C611 | 2124 C612 | 2124 C612 | 2112 C612 |
2118 C618 | 2135 C618 | 2135 C618 | 2109 C605 | 2109 C605 | 2131 C616 | 2131 C616 | 2136 C618 | 2136 C618 | 2118 C618 |
2126 C626 | 2151 C626 | 2151 C626 | 2125 C614 | 2125 C614 | 2139 C620 | 2139 C620 | 2152 C626 | 2152 C626 | 2126 C626 |
編成単位で運用から外れているとみられる編成
C609(幕張留置),C619(習志野疎開),C626(幕張留置) 計18両
商業誌で40〜50両程度の廃車予定と触れられており、10両となった3編成相当に加えて2〜3編成程度が編成のまま廃車対象となりそうです。
見られるのは3回だけ?10両編成での輸送
今回の廃車のための配給輸送(いわゆる廃車回送)は、前日に新型E235系の輸送を担当した長岡車両センター所属のEF64 1031号機の牽引で実施されました。
初回の輸送は、最初に組み替えが実施されたC618編成とC605,C616編成の電動車の混成10両となりました。
EF64形と209系2000番台・2100番台房総色の組み合わせは転用改造を終えた出場配給輸送にて何度も実現している組み合わせですが、当時は編成単位での出場となっていたため、4両または6両の組み合わせとなっていました。
209系2100番台として初めての10両貫通編成は転用前の京浜東北線時代を彷彿とさせる懐かしい組成ですが、当時は4M6T・今回の輸送では8M2Tと編成構成が異なります。
短期的にはあと2回同様の輸送が実施されることが見込まれます。中長期的には2024年度以降に本格的な代替が始まることとなりそうですが、この場合も昨今のE217系付属編成のように複数編成の同時輸送が実施される可能性こそあれど、貫通10両の輸送はこれらの輸送のみの貴重な姿となりそうです。
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