【271系】試運転が続く新型“はるか”関空アクセス変革期へ

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関空特急「はるか」は1994年に関西国際空港の開業に伴いデビューし、今年で25周年を迎えました。

新型車両が製造される一方で、既存の281系も活躍が継続します。

271系の登場により、今後の「はるか」と関空アクセスはどのように変化するのでしょうか。

次世代の「はるか」271系

関空特急「はるか」の運行区間は関西空港~京都・米原です。1994年関西国際空港の開業に伴いデビューし、今年で運行開始から25年目を迎えました。

2019年12月現在、「はるか」に使用されている車両は281系です。281系も1994年にデビューし、「はるか」専属車両として活躍しています。「はるか」は6両編成での運用が基本ですが、一部は9両編成で運行されています。

JR西日本は6月21日に281系の後継車両となる271系の投入を発表しました。営業開始時期は2020年春とされています。今回の投入車両数は18両(3両×6編成)で、281系を置き換えるものではありません。281系6両編成に連結させ、9両編成での運転を予定しています。

9両編成化により6両編成と比べて座席数が約1.5倍になります。夏には271系の報道公開が行われ、現在は東海道本線や阪和線を中心に試運転を実施。試運転では281系との併結も確認されています。また、12月上旬には湖西線での試運転も行われています。

271系の外観は特急「こうのとり」に使用される287系をベースにしていますが、デザインは281系のイメージを踏襲しています。現在、JR西日本は「はるか」全編成に「ハローキティ」のラッピングを施しているほか、既に一部の271系への施工も始まっていることから、営業開始時には271系も「ハローキティ」ラッピングでのデビューとなりそうです。

最高時速は281系と同じ130km/hです。運転保安方式は「EB-N、ATS-SW・P」とされています。車内の座席は2列+2列の回転リクライニングシートが基本。全座席にはコンセントが設置されました。上部には4カ国語対応(日本語、英語、中国語、韓国語)の大型ディスプレイが設けられました。271系では客室内に大型荷物スペースを移設することにより、セキュリティも向上しています。

271系は281系をベースにしながらも、現代のニーズに合わせた車両といえるでしょう。

271系増備・はるか増結の背景

「はるか」が乗り入れる関西空港は旅客数増加でホクホクな状態です。

関西空港を運営している関西エアポート株式会社の発表によると、2019年上期(1月~6月)の関西空港における総発着回数、国際線発着回数は過去最高を記録しました。また、国際線旅客数は10%増の1271万人、外国人旅客数は8%増の873万人となり、こちらも過去最高の記録です。

来年にはカタール航空やターキッシュエアラインズ、アエロフロート・ロシア航空といった長距離便が次々と関西空港に乗り入れます。とある外資系大手エアラインに尋ねたところ、本社でも日本線の充実が真剣に検討されているとのこと。

一方、香港線や韓国線では情勢の不安定化や外交問題により、搭乗客の減少に悩まされています。国際線の利用者数は「水もの」とも考えられます。

現在、「はるか」は多くの訪日外国人観光客の利用で容量ギリギリの状態。

特に夕方時間帯の関西空港発京都行きは訪日観光客の利用で自由席はほぼ満席になってしまいます。

271系投入により、長距離便乗り入れによる乗客増の前に先手を打つというのがJR西日本の考えではないでしょうか。

281系の全面置き換えはいつ?

先述したとおり、2020年春では281系の全面置き換えは行われません。

JR西日本の中期経営計画によると281系の置換の実施期間は2024年~2027年となっています。この資料によると、少なくとも5年間は281系を使い続けることになります。

今後の関空アクセスで大きな転機になるのが2023年春「うめきた新駅」開業です。

さらに、その後2031年春には「なにわ筋線」開業も続きます

JR大阪駅北側に建設中の「うめきた(大阪)地下駅」とJR難波・南海新今宮をつなぐ路線です。開業後は「うめきた(大阪)地下駅」から関西空港行きの直通列車が運行される計画となっています。

「はるか」も「なにわ筋線」を通ることになります。「なにわ筋線」の開業を前にして、車両面で大きな変化があるのでは……という予想をするファンの声も多いですね。

なお、271系、281系ともに前面に貫通路が設置されているものの、両者が連結していると編成間貫通が出来ません。

2023年以降に271系統一となるか、はたまた異なる形式が投入されるか……といった動きが推測できます。

「はるか」のライバルである南海「ラピート」の新車にも期待したいところです。

2020年春にデビューとなる271系。当分は281系との併結運転での運行ですので、281系・271系の乗り比べも楽しめます。

空港アクセス列車で新旧形式が置き換え間際に共存する例はあっても、別形式の空港アクセス特急が併結運転する例は非常に珍しいですね。

乗り比べすることにより、四半世紀の車両技術の進化、現在の空港アクセスに求められているサービスを発見することも興味深いのではないでしょうか。

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コメント

  1. 371系あさぎり より:

    281系の置き換え・・・
    なにわ筋線がどうこうの前に北陸新幹線の開業で681・683系が大量に余りますよね。
    681系を全て廃車してもなお683系が余るので、動向が気になりますね。

    683系の中で一番置き換えが面倒なのは明らかに2009~2011年製造の4000番台だと思います。
    9両固定編成でかつ12編成もあるので、これに耐えられる運用は「はるか+敦賀延長運転」しかないと考えます。
    くろしおも一部敦賀に直通運転されるでしょう。

    同時にくろしおは白浜で系統分断されると思います。
    271系を白浜~新宮間の列車に転用すれば、283系も廃車にできます。

  2. 通りすがりの人 より:

    2023年春「なにわ筋線」開業ではなく

    「うめきた(大阪)地下駅」が2023年春開業

    「なにわ筋線」開業は2031年度開業予定

    でよろしくおねがいします。

  3. 赤羽線ユーザー より:

    2023年3月にできるのはなにわ筋線ではなく新大阪~うめきた(大阪)新駅間では?、別記事で取り上げているようですし・・・。

    281系の代替は「くろしお」の287系が横滑り転用になりそうな気がします。

    271系のかなりの部分が287系と共通のところがあるということと、たしか「やくも」用381系の代替となるであろう新型車が数年後に出てくるようなので(四国の8600系を借り入れてテストしたぐらいなので車体傾斜仕様か?)、それで「くろしお」を再度置き換えて287系を「はるか」へ、という流れになるのでは・・・、と考えられますが(振り子式でない287系と289系で置き換えたため381系時代より所要時間が伸びている)、さて?。