【東急東横線】太帯×細帯の珍編成!5173F→4111F 10両化・試運転実施

スポンサーリンク

昨年大きな話題となった東急東横線4111Fとなるであろう中間車2両。

2020年7月11日・12日と、5173Fを改番した10両編成が田園都市線内にて試運転を開始しています。

昨年製造された中間車2両

東急東横線では、2014年の雪による元住吉駅構内衝突事故が発生し、東急電鉄所有の5050系5155F・横浜高速鉄道所有のY500系Y516Fが編成単位で廃車解体されています。

横浜高速鉄道への補填として世代が近い5156Fが横浜高速鉄道に譲渡・補填として2017年度に5177F・2019年度に5178Fが製造されていました。

このうちの5178Fが総合車両製作所(J-TREC)から輸送される際、2018年に踏切事故で損傷して陸路にて搬入されていた5118Fのサハ5518も繋がれていたほか、突如としてデハ4611-サハ4711を名乗る新造中間車2両が輸送されて大きな注目を集めていました。

あえて5178Fを10両編成で製造しなかったこと・5177F以降と異なって4000番台を中心に採用された第二世代の床下機器構成を踏襲したこと・この2両のみ2019年の鉄道事業分社化後のTOKYU RAILWAYSの表記であること・そもそも10両化がどのような経緯で実施されるかなど、ファンからは多方面で様々な憶測が飛び交う存在となりました。

2019年の甲種輸送以降は音沙汰がなかったものの、2020年6月に5173Fが田園都市線の長津田検車区へ臨時回送。5163F・5165Fで実施されていた無線機のデジタル化の改造を施す……かと思いきや、回送当日中にデハ4611,サハ4711を挿し込む編成組み替えを実施していました。

その後は5173FのVVVFインバータ制御装置を下ろす動きがあり、更に5175Fが第二世代から第一世代にダウングレードする変化があったのち、昨日・本日の試運転では改番された“4111F”として本線上に姿を現しました。

これらの動きから、5173Fと5175Fで主制御器をトレードしたものと考えられます。他の4000番台=10両編成と基本仕様を揃える狙いがあるものと考えられますが、4101F〜4104Fは依然としてVVVF混載状態が継続しているほか、そもそも5175Fを10両化すれば良さそうな気もします。まだまだ動向予測が難しい状態です。

最大の見どころは赤帯太さの違い?

東急5000系列では製造年数の長さから、行先表示器(種別幕+3色LED→フルカラーで一体化)・車体の表面の違い(ダルフィニッシュ→ブリリアント)・ドア窓形状(単層ガラスの複層化)・走行機器類(多数の初期車両・近年製造された4000番台以降の世代・5177F以降の世代の3つ)などかなりの個体差が発生しており、更に5000系・5050系・5080系固有の設計差異を跨いだ編成組み替えと、その形態は混迷を極めています。

車両仕様が異なっても容赦無く編成組み替えをする印象がある5000系列ですが、数少ない一貫性がある法則として、腰板部の赤帯の太さの違いは揃えるというものがありました。

比較的初期の段階で赤帯が380mm幅から335mm幅に変更されてスタイリッシュな印象となったものの、6扉車の都合で複雑な組み替えを行った5000系全編成・その5000系の付随車(一部は電装解除した電動車を一時的に)を流用した5169F〜5174F・電動車を流用した4101F〜4104Fでは従来の380mm幅を採用しており、編成内でこの帯幅が混在しないように製造時点で揃えるようにされていました。

増結車のデハ4611-サハ4711は細帯で登場したものの、改番される前の5173Fは5000系の中間電動車を付随車代用で組み込んだ経歴から太帯で製造されており、この違いをどうするのか注目されていました。

腰板部の赤帯の太さの違いなどはそのままとなっており、複雑な編成組み替えを実施した5000系列では数少ない一貫性のあった赤帯太さの使い分けを初めて乱した編成が登場することとなりました。

今回は新造以来試運転等がなかった増結車2両を試運転することが狙いと思われれます。

今後続いて無線機更新工事に併せて帯の貼り替えを実施するのか否か、今後の動向が気になるところです。

このほか、5173Fだった8両もTOKYU RAILWAYSへのコーポレートマーク変更が確認されており、分社化後初めての動きとなっています。

あえて主制御装置を組み替えてまで5173Fを選定した経緯や、5174F以降にも10両化が実施されるかなど、不明瞭な点が多く今後が楽しみですね。

関連記事はこちら

画像元ツイート紹介

今回のお写真は、フォロワーの繁さま(@shigeru113115)より許可をいただいて掲載しています。

コメント