
2019年度に4611号車・4711号車が突如甲種輸送され、既存の8両編成の一部10両化が濃厚となっていた東急東横線。
甲種輸送から1年が経過しそうになっていた2020年6月20日より、長津田検車区にて5173Fに組替えと見られる動きが始まっています。
副都心線直通開始後の車両変化
東急東横線では、2013年春の副都心線直通運転に備え、使用車両を5050系に統一する動きが進められてきました。
その仮定で5000系編入車を組み込んだ5050系・5000系の編成単位での東横線転入などかなり複雑な動きとなりましたが、直通開始以降は4110F,5176Fといった予備車確保と試作的要素の車両投入に留まっていました。
その後、元住吉駅列車衝突事故で5155Fが廃車・5156Fが横浜高速鉄道へ譲渡、代替分として5177Fと5178Fが製造されています。
この5178Fの8両が甲種輸送された際に突然新造されて注目を集めたのが、4611号車・4711号車です。
5177F・5178Fで採用された新しい床下機器構成は採用されず、納車後も長津田検車区の片隅で留置される日々が続くなど、ファンの間で様々な憶測が飛び交っていました。
車両仕様はバラバラに
2020年6月20日に元住吉検車区から長津田検車区へ回送され、記事公開時点で5173〜5573と5673〜5873で切り離されたのちに4711号車などの増結車を連結する入れ替えが始まっており、改番作業などは行われていないものの、この動きから5173Fが4111Fとして10両化される可能性が非常に高い動静です。
なお、東急5000系列では、初期数年の製造車両では腰板部分の赤帯が太く(380mm)、それ以降では細く(335mm)とデザインが微妙に変更がされています。鉄道模型ではKATO製品でこの違い(5173Fとそれ以降の編成)が再現されているため、模型を集めている方ならご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
東急電鉄なりの拘りか、編成組み替え時に太帯の車両が挿入される計画となっていた車両はデザイン変更後に製造された車両も太帯で製造する法則が組まれています。
結果として6扉車関連で度重なる編成変更がされた5000系では最近製造された代替付随車45両を含めて全車両が太帯。5050系では5169F〜5174Fと4101F〜4104Fが再度太帯に戻されています。
この5173Fは製造時に5000系の電動車を暫定的に付随車として代用した経歴があり、現在は純正の5050系組成ながら太帯となっています。
形式と線区 | 帯の仕様 | 該当編成 |
5000系 田園都市線 | 太帯 | 全編成 |
5000系 東横線 | 太帯 | 全編成 |
5050系 東横線 | 太帯 | 5151F-5158F |
5050系 東横線 | 細帯 | 5159F-5168F 5175F-5178F |
5050系 東横線 | 5000系組込歴有り 太帯 | 5169F-5174F |
4000番台 東横線 | 5000系電動車組込 太帯 | 4101F-4104F |
4000番台 東横線 | 10両編成で製造 細帯 | 4105F-4109F |
5080系 目黒線 | 太帯 | 5181F,5182F |
5080系 目黒線 | 細帯 | 5183F-5190F |
特に今回製造されていた4611号車・4711号車は純正5050系に合わせた細帯仕様で製造されていたため、これに則ると組み込み対象は5174F,5175Fではないか?と推測がされていました。
太帯・細帯の法則だけは帯幅のバリエーション・組み替えパターンが増えてからも一貫していたため、今回の組み替えが実施され、特に張り替えなどがされないで運用に入ると、これの例外となる動きは初めてのものとなります。
相鉄直通の何らかのヒント?それとも2両だけ?

妥当な動きとしては、10編成配置10運用(朝夕のみ稼働があるので事実上は9編成稼働)の4000番台の相鉄直通などの改造期間の予備車確保でしょうか。
現在、東横線所属車両ではデジタル列車無線への改造工事が進められており、5050系8両編成から順次施工が進められています。
この改造は相鉄で採用しているJR方式の三菱製デジタル列車無線への改造ですので、乗り入れを行う前提として必須の工事です。
乗り入れの有無を問わずに列車無線のデジタル化は進められることとなりますので、これが4000番台に波及するのも自然な流れです。
また、改造予備と考えた場合、最終的に不要となって3000系・5080系の8両化に使われるという可能性さえ捨てきれません。5080系の細帯編成に転用する前提だとすれば、細帯で製造された理由にも整合性が出てきます。
また、相鉄直通開始後のダイヤ・運転体系については明らかにされていないものの、相鉄側が東横線への直通を強く望んでいることがかねてより報じられており、これが実現する場合は10両編成の運用増の可能性もありそうです。8両編成で運行されている急行の10両化と併せる形で進められるとすれば納得の動きでしょうか。
一方で、2019年度の工場公開にて掲示されていたパンタ上昇検知装置搭載編成一覧にて5173F,5178F(78Fはデビュー前)のみがカッコ書きをされていた点を踏まえると、10両化対象はこの5173Fのみという考え方も出来そうです。
ファン心理としては5173F以降の全編成が組み込み対象となった方が納得のいくところではありますが、今後もこの動きが続くのか、1編成に留まる場合はなぜ5173Fとなったのか。
どう転んでも疑問が残るところですので、今後も東急電鉄と乗り入れ先のファンの間で様々な注目を集めそうです。
コメント
情報が遅れているかもしれないけど、今朝横浜線の車内から8CARSのステッカーが貼ってあるピカピカの2両を挟んだ10両編成を目撃しました。車番は確認していませんが、これが該当の編成でしょうかね?