【乗車率観察】今は乗り得?中央線快速グリーン車・初のラッシュ輸送

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2015年に計画が公表されて以降、複数回の延期の末に2025年3月15日にサービス開始となった中央線快速電車のグリーン車サービス。

通勤特急「はちおうじ」「おうめ」が廃止となった点の賛否が分かれる、初の平日通勤輸送に密着しました。

構想公表から10年越し

試運転では4両連ねた姿で脚光を浴びた

JR東日本は2015年に中央線快速電車(東京駅〜大月駅・青梅線の立川駅〜青梅駅)において、グリーン車サービスを実施する計画を公表していました。複数回の延期を挟みつつ、2025年3月16日のダイヤ改正よりサービスが開始されました。

JR東日本の中央線快速電車グリーン車投入は、ホーム・軌道・普通車へのトイレ設置など膨大なコストを掛けており、他社で多く見られる普通車の輸送力を削らずに純粋な増結で実施されたプロジェクトであることが特徴的です。

特に付随して実施された普通車へのトイレ設置は、近年のバリアフリー法規関連の対応でやむなく実施されたことが推察される内容で、通勤通学利用の多い中央線快速電車の利用者が求めていた設備とも言いにくく、これらの想定外の工事が最初の計画延期になったことは過去記事でも触れた通りです。

ファン層からは早速ガラガラなどと否定的な意見も飛び交いますが、当サイトは事業者・従事者・趣味者・利用者の4視点をバランスよく取り扱いたいスタンス。筆者個人も普通列車・ライナーのグリーン車は通算1,000回超えのヘビーユーザーなので、中央線沿線ユーザーに親しまれるサービスになることを期待しています。

今回は、趣味サイト「Freedom Train」メンバーの「ホームドア」「さいぱる」とともに通勤初日の利用実態を観察してきました。

調査概要

本記事の調査では、中央線快速電車のグリーン車利用初動を観察するとともに、特急「はちおうじ」「おうめ」廃止による「あずさ」「かいじ」の利用動向を観察しています。

本調査は東日本旅客鉄道株式会社とは一切無関係で、趣味研究として調査をしたものです。

中央線快速電車

中央線快速電車の最混雑区間であろう新宿駅〜中野駅間の利用を観察するため、新宿駅発車場面での利用者数に着目しています。

乗車人員は目視による概算値で、グリーン券購入有無など多少の誤差があることが想定されます。

停車時間が1分前後・混雑する駅構内で通行の支障になる迷惑を避けるため、複数メンバーで実施しました。

中央本線特急列車

2025年ダイヤ改正では、夕方以降の中央線下り特急始発駅が東京駅となった点も特徴の1つです。

従来は東京駅発の列車に混雑しやすい傾向がありその平準化が進んだかどうかと、「はちおうじ」「おうめ」廃止の影響による初動に注目して観察しています。

東京駅発車時刻=新宿駅発車15分前の座席発売実績をえきねっとシートマップから「新宿駅→立川駅」の発売実績から算出しています。

これに加え、新宿駅発車時点で満席となり機会損失が生じかねない列車については、「八王子駅→大月駅」の利用者数も概算で算出しています。

調査結果を見る

17時台後半

夕ラッシュに差し掛かる17時台後半では、既に1753T通勤快速青梅行き(新宿駅17:35発)で4割弱の座席が埋まっているなど、コロナ禍以降の夕ラッシュ混雑時間帯が早まった時勢を感じさせられる内容です。

計画当初のサービス導入予定時期だった2018年度に実現していたら、現在とは全く異なった結果になっていたかもしれません。

また、17時台・18時台には武蔵小金井止まりの列車があり、すぐに上りに折り返すことでラッシュ後半の輸送力を担うダイヤ構成とされていますが、これらの武蔵小金井止まりのグリーン車利用は明らかに少なくなっています。

乗車時間が長い利用者が多いであろうグリーン車ユーザーと設備がアンマッチですが、この辺りは「なすの」のグランクラスのようにガラガラ承知で車両共通化を優先する、事業者想定の範囲内でしょう。

「全列車に連結」という気軽さも利用者にとっては重要な点ですし、将来的にグリーン車で混雑が見られるようになってきた際に、武蔵小金井行きを狙うユーザーが出てきても不思議ではありません。

18時台

18時台は従来、「あずさ」「かいじ」に加え、「はちおうじ1号」「おうめ1号」が設定されていて着席サービスが手厚い時間帯でした。

2025年3月改正ではこの両列車が廃止された一方で、「あずさ45号」が9両編成から12両編成へ増強されています。

「あずさ45号」の乗車率は9両編成でもギリギリ賄える程度の利用ですが、あくまで春休み期間の月曜日でこれだけの利用があれば通年で12両で運行するという判断自体は納得感のあるものです。

また「かいじ47号」については、東京駅発車時刻=新宿駅発車15分前時点で残席が僅少となっており、新宿駅発車直前に完売となりました。

八王子駅から大月駅間では30〜40%程度の乗車に留まっており、「はちおうじ1号」「おうめ1号」ユーザーのうち一定数が「かいじ47号」に流れていることも想像される内容です。

「かいじ47号」自体は以前から八王子駅までの利用が非常に多い列車でした。

自由席・ライナーがあった「かいじ117号」時代は自由席は立ち席利用が多く見られ、2019年の全車指定化によって各車両の利用が平準化されていました。

快速電車で最も利用が多い列車は、1851T通勤快速青梅行き(新宿駅18:46発)となっており、これまでの「おうめ1号」(新宿駅18:45発)と同じ方面・ほぼ同時刻となっている点が注目されます。

一方で、1825H通勤快速河口湖行き(新宿駅18:21発)は18時台の通勤快速他列車と比較して利用が少なく、こちらは特急の指定席に需要が吸われてしまっている印象も受けます。

とはいえ「かいじ47号」も遠距離利用の事前購入の余席が直前に買われているに過ぎず、今後も満席が続くのであれば利用者側の行動選択でバランスが取れそうな範疇です。

利用者視点での良し悪しはともかく、JR東日本がグリーン車導入で「はちおうじ1号」「おうめ1号」を廃止したこと自体は、そこまで需要を見誤ったものではなさそうという印象を受けました。

19時台

19時台は「中央ライナー」「青梅ライナー」として運行されていた頃は15分間隔で着席サービスが提供されていたものの、E353系統一・特急「はちおうじ」「おうめ」化の際に列車設定がなくなっていました。

当時の当サイト新旧ダイヤ比較記事でも記した通り、車両運用上の都合がありそうな設定経緯でした。

2010年代の計画時点でグリーン車連結により賄う想定だったことは、今回改正で特急「はちおうじ」「おうめ」が廃止となたことからも想像される内容です。

新宿駅19:30発「かいじ51号」は2020年3月改正で東京発へ延長(過去記事)されて久しく、東京駅からの利用が既に根付いていること・9両編成であることも相まって高い利用を保っています。

※19:00発 あずさ49号は、調査の不良で内容の正確性が保てないため概算値掲載としています

20時台

本領発揮?の20時台

20時台は従来から「あずさ」「かいじ」の間隔が開く時間帯ということもあり、この時間帯の通勤利用者層はグリーン車へ流れやすいことが想像されるところでした。

この時間帯には乗車率50%超え=通路側にも利用者がいる、いわゆる“相席”利用が発生している時間帯で、本調査では最も高い時間帯となりました。

新宿駅20:30発「はちおうじ3号」が廃止となり、前後する2011H快速青梅行き(新宿駅20:19発)・2079T快速高尾行き(新宿駅20:24発)・2095T通勤快速青梅行き(新宿駅20:37発)などの乗車率が高く、サービス開始直後から安定した利用が見られました。

「あずさ」「かいじ」が30分間隔の19時台までと比較して、20時台はグリーン車利用にスムーズに移行している印象を受ける結果となっています。

19時台までと比較すると、適当な時間の特急が無くなったという消極的な変動なようにも見えます。この辺りは利用者によって意見が異なりそうです。

21時台

「あずさ55号」は松本駅までの最終列車でありながら、「かいじ」停車駅の需要も拾ううえで前列車から間隔が開く列車となっており、以前から混雑しやすい列車でした。

こちらは15分前乗車率・発車前乗車率ともに下り特急で1番高い利用となっており、東京発になったことも加わり満席案内となっていました。

八王子駅以遠でも過半数の座席が発売済みとなっているなど、近距離需要で喰われてしまって機会損失しているというよりは、単純にこの列車の需要が高過ぎるダイヤ構成上の課題といった印象です。

混雑を嫌って前後のグリーン車に需要が移ることも想像される一方で、前後の通勤特急もなくなり更なる混雑要素が加わった同列車。近年の歴史を振り返ると、E257系時代の「あずさ35号」は11両で運行され、2019年改正でE353系化とともに山梨市駅の特急12両非対応の都合で9両化された経緯がありました。

「かいじ70号」送り込みの営業化など何らかのテコ入れが望まれるところです。

一方で、新宿駅21:30発「はちおうじ5号」の需要について、2163T通勤快速高尾行き(新宿駅21:15発)・2147T通勤快速青梅行き(新宿駅21:36発)とそれらの間の快速列車がバランスよく拾えているようで、遅めの時間帯ながら利用者を多く見かけました。

22時台

コロナ禍以降、通勤需要は早い時間帯にピークが遷移していると言われるなか、普通車・グリーン車ともに利用が多く、中央線快速電車のポテンシャルの高さを改めて感じさせられる内容でした。

特急列車に需要が吸われているであろう2191T通勤快速高尾行き(新宿駅22:05発)は利用が少ない一方で、その後の中央特快・青梅特快がラッシュのピークに負けない利用がある点も興味深い印象です。

従来は「おうめ3号」が新宿駅22:30発で運行されていたので、その需要が移ったであろう2241T青梅特快青梅行き(新宿駅22:33発)・従来は立川駅で乗り換えていたであろう先行する2237T中央特快高尾行き(新宿駅22:20発)の両列車は、深夜帯ながらラッシュピーク帯に負けない利用が見られました。

この時間帯で空いている快速電車では、座席を向かい合わせにして利用しているグループも見られ、いわゆる飲み会帰り需要にも応えられている印象を受けました。

なお、22時台の列車ではアテンダント乗車がない列車も複数見られ、デッキの立ち席利用者数・赤ランプのまま着席している利用者数の違いで容易に判別が出来てしまう状況でした。

机上ではそれらの対策を講じてでも全列車全区間乗車させるべきという意見もありますが、2000年代の東海道線で発生したアテンダントへの性的暴行事件により現在まで続いている早朝・深夜帯のアテンダントへの警備員配置コスト、深夜帯の人的コスト(賃金25%増し)、泊まり勤務による人材確保難化などの労働市場・社会情勢の観点で考えればやむなしといった印象も受けます。

グリーンアテンダント関連の動きは近年かなり柔軟なものとなっており、異なるアプローチで対応がありそうです。

他線区事例では、沿線祭事のときなどに臨時行路を設けるなど、車掌の「特改」や駅員の「乗車指導」のように柔軟な対応も採られています。また、100km以上料金の設定とともに、伊東線へ乗務範囲を広げるなど対策も見られました。

現状では東京〜立川駅間以外は不正の温床に……という意見もありますが、必要に応じて立川以西・青梅線内への抜き打ち検札も想定されていることでしょう。

少なくともラッシュのピーク帯にほぼ全列車乗務をしているくらいの人員配置が組めているので、この辺りの秩序を保つ工夫は今後に期待したいところです。

全列車一覧PDF

PDF版では、号車別の乗車率など追加データも掲載しています。

・PDF版

今回の調査は「Freedom Train」ライターから「ホームドア」「さいぱる」の2名と共に実施しています。「Freedom Train」でも同データを異なる角度・若年メンバーの視点でグラフ化など見やすく考察している記事を出している(外部リンク)ので、併せてご覧ください。

初動を眺めて感じたこと

全体の傾向としては下記の3点が挙げられます。

中央線快速グリーン車 初動の傾向

① 通勤快速・特快など速達種別で利用が多い

② 快速でも無待避列車は同様に利用が多い

③ 青梅線直通で高い利用

通勤快速・特快で利用が多いことはサービス開始前から想像のしやすい内容で、無料期間中も数本前から並んでいる利用者が多数見られたことからも予見できる内容でした。

調査結果として可視化することで見えてくる内容としては、三鷹駅・国分寺駅などで待避を行わない快速電車では通勤快速・特快と同程度の利用が見られた点が意外な印象でした。

これまでの普通列車グリーン車と比較して、高頻度運転・緩急分離をしている中央線快速電車特有の傾向でしょうか。

駅で観察していても、発車間際にグリーン券を購入して目の前のグリーン車に飛び乗るユーザーを数多く見かけました。

いわゆる「来た列車に乗る」という自由席型の強みが、他線区以上に発揮できているとも言えそうな利用動向でした。

逆説的に言えば、今後利用が定着してきても、通過・接続待ちがある鈍足な列車であれば相席なしで快適な環境を得られるという点は、他線区でも見られる晩酌を楽しむグリーン車ユーザーにとって大きな付加価値にもなりそうです。

そして、中央線快速電車を主としたサービスとしてPRされていながら、実需は青梅線ユーザーの方が多いように見受けられる結果も興味深い内容です。

ライナー時代から青梅線直通列車の本数が少ないながら、「あずさ」「かいじ」「はちおうじ」を立川で下車する旅客はそれなりに見られました。

乗り換えをしてでも混雑区間を着席サービスで切り抜けたかった需要が以前からあったことは想像されただけに、一番恩恵を受けたのは青梅線沿線利用者なのかもしれません。

青梅線ユーザーが待ち望んでいたことは今後、Suicaのビッグデータにより高い精度で可視化されていくこととなりそうです。

将来的には青梅線直通列車の増強・代わりに高尾駅以西で走らせていた普通列車を立川〜大月駅に延長……のように、列車運行形態にも影響を与えるかもしれません。

意外と混乱は少なく

中央線快速電車へのグリーン車増結は、2024年9月から2025年3月までの半年間に渡り徐々に実施されたこともあり、中央線の利用者数の割には大きな混乱は見られませんでした。

沿線利用者の大勢に事前周知をるために無料開放という手法は一定の効果があった印象です。

他線区でも展開しているサービスなだけあって、他社の新規着席サービスと比較して、券売機でのグリーン券発売は円滑に行われていたように見えました

新宿駅第6ホーム(11,12番線)を歩く旅客の会話でも、「グリーン車が無料だったからよく使っていたんだよね」「おとといから有料になった」「意外と空いてるね」など、老若男女問わずグリーン車サービスに触れる会話をたびたび耳にしました。

鉄道事業者職員の現場の声として「旅客への周知案内が足りないから対応しきれない」といったものが事あるごとに挙がりますが、中央線快速電車のグリーン車投入に関しては莫大なコストを割いているビックプロジェクトなだけあり、利用者の大勢には周知が行き届いていた点は素直に感心する内容です。

統計上は趣味者層がSNSで発信していたほど利用が疎らといったこともなく、ファンのお節介な杞憂ほどトラブルも多くない印象でした。

利用動向は最低で3ヶ月〜中長期では年単位で見守るべき内容で、現にJR東日本自身も2024年改正において房総特急の制度変更にあわせた増結対応を3月から6月まで実施していた(過去記事)通りです。

他線区・他社サービスの初動や、他社類似事例と比較して圧倒的な座席供給数の多さであることを鑑みると、初動値として悪くない結果と言える範疇ではないでしょうか。

惜しい点もちらほら……

一方で、課題として挙げられる点もないわけではありません。

当サイトはありがたいことに関係職場で従事する職員さんにもご覧いただいく機会があるようですので、何かの役に立てばと辛口なコメントも置いておきます。

モバイルSuicaの利用方法案内

先述の通り、既に20年以上使われているSuicaグリーン券システムということもあり、中央線では新規サービスとて旅客の大勢はスムーズにグリーン券を購入していた印象で、混乱が少ない綺麗なサービス開始という印象を受けました。

一方で、中央線へのサービス拡大を機に新たに利用する旅客においては、駅の券売機利用で困惑している姿度々見かけました

筆者も派手髪で明らかにJR職員でない風貌であることをいいことに、困っている旅客に声を掛けるシチュレーションが何度もありました。

特によく見かけた事例は、「モバイルSuicaではアプリからしか購入できない」というシステムの周知不足です。

モバイルSuicaを券売機にかざすと、「このカードはお取り扱い出来ません」という自動音声しか流れず、券売機にも「モバイルSuicaでは購入出来ません」といった記載しかなく、モバイルSuicaでの購入方法の案内がありません。

モバイルSuicaユーザーなら、アプリ上で購入・クレジットカードで決済されるという仕組み自体は、ひとこと案内があればすぐ理解できる、そこまで難しいものではありません。

駅で観察していた印象値として、せっかく利用したいユーザーが操作に困り普通車へ……という光景もたびたび目にしましたので、機会損失が相当な量だと感じました。

他線区でも共通の機会損失事例を何度も見かけるので、なるべく早期の案内拡充が望まれます。

駅構内の案内不足

これは上記の買い方の案内という点に付随しますが、一般に新規サービス開始には事業者が案内要員を配置することが通例ですが、今回の中央線快速電車グリーン車ではそのような対応は行われていませんでした。

いわゆる「押し屋」である駅員アルバイトさんが通常より増員されていたのかもしれませんが、少なくとも着席サービスを使いたい層への案内要員ではなく、グリーン車営業開始によって溢れた前後車両旅客の誘導要員といった印象でした。

かつての「湘南ライナー」から特急「湘南」へ移行する時など、近年のJR東日本で実施された大規模なサービス変更では、専用ジャケットを羽織ったJR東日本パーソネルサービス(JEPS;JR東日本グループのいわゆる派遣会社)のテンポラリースタッフを主要駅に配置するなどの旅客案内を実施していました。

今回はそのようなテンポラリースタッフ配置などは見られず、これが昨今の労働者不足に起因するのか、それともコロナ禍の減収減益によるコスト削減なのかは定かではありませんが、利用者に浸透するまでの数週間に適切な人員配置が出来ていない点は残念な印象を受けました。

多言語対応の案内

先述の「デッキでも有料」という点について、ダイヤ改正前後よりドア窓にその旨のステッカー掲出が実施されていますが、日本語のみでの記載となっています。

案内放送や立番の駅員さんの案内が聞き取りにくい・理解しにくい海外出身であろう利用者を中心に、デッキでの立ち席利用・アテンダント非乗車列車での赤ランプのままの利用が散見されました。

外国人のモラルが低いという差別ではないことを明記しておきつつ、この点は事業者側の多言語対応の課題もさることながら、日本人感覚のマナー・ルールといった抽象的概念で旅客に案内するだけの手法では対応が追いついていないという他線区でも見られる課題を感じました。

一方で、アテンダントさんのうち1名だけ「ここはグリーン車で別料金が必要です」といった旨の4ヶ国語表示を業務用タブレットで掲示して乗車口での出迎えをしていた場面に遭遇し、非常に好感を抱きました。

この案内が当該アテンダントさん個人の努力で作成されたものなのか、会社側が用意したものなのかは不明ですが、この手法は1/4の乗車口でしか役立たないとて非常に効果的と感じました。ぜひ職場内で展開し、他のアテンダントさんにも活用してもらいたいものです。

初動値としては文句なし?

記念乗車的な需要はお試し期間である程度吸っていることを考えると、新年度を迎えて普通車の混雑がより厳しくなる4月以降に利用者が増加していくことが想像されます。

現時点では朝夕ラッシュでも空席が多く見られますが、それはすなわち快適に移動出来ることが可視化されている状況とも捉えられ、増結前の混雑に戻った普通車ユーザーが混雑に耐えかねてグリーン車利用にシフトしても不思議ではありません。

他線区では立ち席でもいいからグリーン車で混雑を回避したいニーズがありますが、中央線では先述調査結果のように優等種別の待ち合わせがある列車・短距離列車は明らかに空いているという点も利用者に認知されていくことで、空いているグリーン車を狙う旅客も徐々に増加していくことでバランスが取れていくことも想像されます。

今後どのペースで利用が拡大していくかが興味深いところで、イチ趣味者としても異なる時間帯・異なる区間・一定期間経過後などに再び観察してみたい内容でした。

これまで約10年間、車両・駅・軌道・信通などの幅広い分野で本プロジェクトに携わった関係各社・各所の職員さんを労うとともに、新たなサービスに向け準備を進めてきたアテンダント・清掃の皆さまの今後の活躍に期待したいところです。

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コメント

  1. masm580 より:

    3/20(木祝)午前…グリーン車付近にスタッフがいて、パンフレット配りながら案内してた…八王子駅だけ?