【東武鉄道に北斗星!?】DE10 1109号機・JR北海道色で秋田から熊谷へ

東武鉄道では、SL複数体制確立に向けた準備が進行しています。

既にC11形の自社動態復元に加えて真岡鉄道C11 325号機譲渡が明らかになっているほか、14系北海道車の整備、そして今回のDE10形の追加譲渡が実現しています。

ファンの予想を超える“北海道色”

今回のDE10形の追加購入では、JR東日本盛岡車両センターに所属していた1109号機が選定されました。

この1109号機は山田線落ち葉掃き列車などが主な任務でしたが、2017年3月に青森車両センターからの転入機が増えた結果、1700番台の稼働が優先されて持て余し気味となっていました。

JR東日本で唯一機関車の定期検査を施工している秋田総合車両センターに入場し、譲渡に向けた整備が進められていましたが、その完成形は多くのファンの度肝を抜くものとなりました。

JR北海道が所有していた北斗星色をデフォルメした青色塗装で構内試運転・譲渡甲種輸送が行われました。

東武鉄道側からの公式発表は甲種輸送(貨物列車)の到着・搬入完了後が定例ですので、近日中にその詳細が明らかになるかと思います。

ただ、既にJR北海道の蒸気機関車を借り入れているうえ、夜行急行”はまなす号”で使用していた客車の整備をしていたことを踏まえれば、DL大樹号が実質的にリバイバルはまなす号として運行されることになりそうです。

JR北海道・JR東日本との協力関係が密な、東武鉄道ならではの出来事です。

JR東日本が北斗星塗装のディーゼル機関車を作った例として大宮工場入替機のDD16形20号機の例がありましたが、今回も違和感は少なく、カッコいいというファンの声が多く聞かれました。

今回の甲種輸送では、秋田総合車両センターから南長岡まで、EF510-506号機が充当されました。

このEF510形500番台、北斗星号・カシオペア号の牽引機代替用にJR東日本が発注、その後JR貨物に売却された機関車です。

寝台特急牽引時代の”流れ星”の塗装こそ消されてしまっていますが、現在まで当時の青色+金帯の塗装を継承しています。

今回の甲種輸送に最適な機関車の登板となり、粋な計らいとなりました。

2020年6月6日のダイヤ改正より、SL,DL各2往復の新体制が確立されます。

これに向け、長らく整備待ちとなっていたスハフ14 501が新たに整備を受け、美しい姿で出場待ちとなっています。

しかしながら、このスハフ14 501だけの復元では、6月のダイヤ改正以降の客車予備が一時的にゼロとなってしまいます。

機関車側がSL1機・DL2機と予備車確保の意図が強い動きとなっていますが、デビュー時点から1~2両の余裕があったことを踏まえると、少し心許ないところです。

6両中4両が緩急車という編成構成を考えると、四国譲渡車の定期検査期限より前に緩急車であるスハフ14 508の追加整備は確実かと思いますが、この車両整備が実施されない限りは北海道車特有の引き戸編成が完成しません。

機関車・客車ともにはまなす号という編成が見られるのは少し先になりそうです。

最終的には四国編成と北海道編成それぞれ1両予備……という体制が一番安定しそうですが、今後の動向に引き続き注目したいですね。

一方、クーラーが部品取りされるなど当面は期待できない雰囲気の12系2両の処遇も気になるところです。

復活すればムーンライト高知・松山時代を知る関西圏のファンが訪れること間違いなし。

最近はファンの予想をいい意味で裏切り続けてきた東武鉄道。今後の展開も楽しみですね。

ディーゼル機関車のみが車籍・所有ともに東武鉄道、それ以外の車両は車籍が東武鉄道・所有が東武博物館となっています。

青太字が直近の動き、赤太字は今後の予定です。