【山登り】房総の新型が中央本線へ!E131系R01編成が小淵沢まで試運転

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2021年春にデビュー予定となっている、千葉エリア閑散区間向けの新造車両、E131系。

新潟県内で実施された新製時の試運転以降は外房線での性能確認試運転が実施されていましたが、9月15日に中央本線にて試運転を実施しています。

E131系は地方線区の標準車両として開発された経緯があり、今後の投入先のヒントとなりそうです。

E131系落成後の動き

E131系は、千葉エリアの普通列車のうち、外房線・内房線の閑散区間・鹿島線などで使用する短編成ワンマン用車両として登場しました。

総合車両製作所(J-TREC)新津事業所にて製造され、新津駅周辺で新造後の試運転を実施。その後、EF64形電気機関車の牽引による配給輸送で京葉車両センターへ。当日中に所属区となる幕張車両センターまで自走回送されています。

それ以降は性能確認試運転が外房線方面に向けて連日運転されていましたが、2020年9月14日に総武線・中央線経由にて豊田車両センターに回送されました。

そして、翌15日には豊田から中央東線を“山登り”して小淵沢駅まで1往復の試運転を実施しています(このうち高尾駅以東は回送列車扱い)。

山岳線区の試運転として登坂性能を試すことが背景かと推測できますが、このうち高尾駅~小淵沢駅までの途中駅は全て停車しながら走行しています。各区間の目撃情報から考える走行時刻を総合すると、中央東線の普通列車さながらのダイヤ設定のようです。

過去の他形式の事例を考えると、明日以降の複数日にまたがって設定されているものと考えられます。

過去にも各形式が中央本線へ

JR東日本の新造形式では、過去にも山岳線区の走行試験として中央本線を走行した事例が存在します。

最近の珍しい例では、山手線向けの新形式として登場したE235系0番台の量産先行車・東トウ01編成が2015年6月に豊田〜大月駅間を複数回往復する試運転が実施されています。常磐線各駅停車から中央線快速電車に転用された209系1000番台についても、転属後に同様の体系で試運転がされています。

いずれも、山岳線区を走行する場合や狭小トンネル対応などが背景と推測できます。

一方で、八王子支社管内となる豊田車両センター・三鷹車両センター向けの新造形式については各型式ともに甲府エリアにて試運転を実施していますが、こちらは少し経緯が異なるものが含まれます。

これらは、自支社管内で行うことが通例となる新造直後の“公式試運転”であり、車両メーカーでは実施できない高速域での走行・非常制動などが本来の性能を発揮できるかどうかの確認が目的で、車両の受領に関わるものとなります。

こちらは直近だと12年ぶりの増備車となったE233系0番台・トタT71編成が該当しており、甲府盆地の平坦さと、都心部に比べて前後列車の間隔が取りやすいことなどが背景と推測できます。こちらの主な試験区間は塩山駅~酒折駅です。

“標準車両”中央本線への投入もありそう?

E131系の製造は2両12編成のみが発表されていますが、この形式の公式発表の時点で、地方線区の標準車として開発された旨が報じられており、将来的な他線区への投入が行われることは間違いなさそうです。

筆者が撮影していた甲府駅近くのポイントでは道路工事が実施されていました。その作業をされていた皆様が、巡回で来た甲府駅のお偉い方に興味津々で質問をされていました。このなかで「なぜ千葉の電車が中央線で試運転をわざわざやるのか」という、ファンの誰もが気になる“いい質問”が飛び交いました。

曰く「もしかしたら、数年後にこっちにも来る“かもしれない”から一応……」とのことでした。

思わぬ発言に私も驚きましたが、あくまで一般の方へ向けた説明ですので、嚙み砕いて説明するための表現である可能性も十分ありますので、これ自体は根拠としては弱そうです。

ただ、無難に考えれば高尾駅などを発着する6両編成はE233系で代替し、松本・長野方面の3両編成は短編成ワンマン化……という動き自体はありえない話ではありません。他形式の山岳線区の試験は大月以東で設定されるなか、あえて小淵沢発着・各駅停車での試運転とされた経緯はこの辺りと関係があるのかもしれません。

中央東線への投入の有無こそ定かではありませんが、E131系発表時点で地方線区の標準車両として開発されている以上、他にもどこかしらの線区に投入されることは確実と言えそうですので、将来のヒントとなりそうな試運転となりました。

E233系の転用報道とともに、今後の展開に引き続き注目したいですね。

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