【地方輸送の革命児】新型E131系が外房線・内房線・鹿島線でデビュー!

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2021年3月13日のダイヤ改正により、千葉県内の普通列車の運転体系に大規模な変更が加わります。

目玉となる外房線・内房線・鹿島線向けの新型電車E131系が今回のダイヤ改正より営業運転を開始しました。

2形式に分離!房総エリアの世代交代

房総エリアの普通列車の運行体制はやや複雑で、総武線快速電車からの直通列車・京葉線からの直通列車が運行されているほか、その他の県内完結運用は京浜東北線の209系を転用した2000番台・2100番台により運行されてきました。

113系の代替として余剰となっていた211系5両編成が一部に投入されていたものの、209系の投入時に長野エリアへ転出。それ以降は113系時代同様の6両編成・4両編成を組み合わせる運転体系とされました。

都心から程近い千葉駅周辺は通勤・通学で利用者が多い反面、県南部などの利用者数の少ないエリアも抱えており、4両・6両・8両・10両を組み合わせて柔軟な輸送が実施されていました。

総武線快速電車・京葉線からの直通運行の拡充とともに徐々に輸送体系が変化していましたが、今回のダイヤ改正では使用車両を整理する大規模なものとなっています。

まず、利用者数が比較的少ない内房線君津以南・外房線上総一ノ宮駅以南を原則系統分離とし、2両編成ワンマン運行可能な新型E131系に代替しています。両路線のこの区間は館山・安房鴨川を経由する南部の直通運転とされています。

また、飛び地ですが元々運用が独立していた鹿島線の佐原〜鹿島神宮間についてもE131系にて運行されます。

それ以外の区間は引き続き209系での運行としていますが、10両編成の8両化・8両編成の6両化などを進め、連結・解放作業が減少している模様です。

今回の209系の運用整理で6両編成の所要数が減少・4両編成の所要数が増加したため、6両編成のうち6編成程度の4両化を実施しています。これらの対象編成には事前に成田空港のホームドア対応改造が施工されていました(成田空港発着は以前から8両編成のみの設定だったため、6両編成はほとんどが改造対象外でした)。

E131系による代替・減車による代替で40〜50両程度の209系が代替されることが商業誌で触れられており、既に編成短縮で外された中間電動車がパンタグラフの一部撤去をして廃車配給輸送(いわゆる廃車回送)の準備とみられる動きが生じていました。

今後は千葉転用後の同僚かつ世代の近いE217系ともども廃車の動きが本格化するものと考えられます。

なお、残された209系についても2024年度以降にE233系が転入することが組合資料で記されており、京浜東北線・横浜線のE235系導入報道からこれらの路線のE233系1000番台・6000番台の転入といった代替となりそうです。

デビューしたE131系を見る

今回デビューとなるE131系は、0番台R01〜R10編成の20両と、80番台のR11編成の22両です。このうち仕様の異なるR11編成は初日は予備車となっている模様です。

現在はまだ出場していないものの、今後R12編成となるであろう車両が揃えば公式発表通りの24両体制となります。

外観は既に試運転などで明らかになっているように、従来の房総色のイメージとされている菜の花と海をモチーフとしたカラーリングですが、青が明るいライトブルーとされていて爽やかな印象を受けます。

側面構体はE235系同様にレーザー溶接の20m4扉車体となっていますが、運転台高さの違いから乗務員室横の窓が低い位置に設けられている点が従来車にない設計です。

車内では、これまでのJR東日本でみられる標準的な新造車という印象ですが、座席モケットも黄色と水色のオリジナル品を採用しています。E233系から路線専用のデザインが時折採用されていますが、投入路線によって採用の有無はまちまちです。

また、209系では両先頭車のみボックスシート化改造・中間車はロングシートという構成でしたが、E131系では運転台から3ドア目〜4ドア目の間だけボックスシート・それ以外はロングシートという構成です。減車により1両あたりの乗客数が増えることが予想されるなか、申し訳程度の数とはいえボックスシートが維持された点は少し意外な印象です。

最近のJR東日本の新造車両では車内案内装置はディスプレイタイプが採用されており、地域のローカル輸送の色合いが強いE131系についても17インチワイドタイプの一般的なものが採用されています。

ただし、地方線区という用途からか、広告用のものは設置されていません。

労働組合からの相当な反発があったであろうワンマン化も同時に開始されており、車外には乗降確認カメラが設置されています。

常磐線・東北本線・水戸線向けのE531系に続く採用となっています。従来であれば2両編成ワンマンと言えば最前部で運転士が運賃収受を行うスタイルが全国各地で見られますが、この房総方面では無人駅も多くあるなかでも全ドア乗降可能・運賃収受は中編成ワンマン同様に車内では実施しないという体制です。

2往復のみ成田線成田〜佐原間を走行しますが、この区間はツーマンとなっています。

臨時普通列車で凌ぐ……中途半端なスタート

系統分離で輸送の効率化を図ることが目的でありながら、土休日ダイヤでは上総一ノ宮→勝浦間にて臨時普通列車が片道3本運行されています。

E131系化による輸送力減少を見越した一時的な設定にも思えますが、かえって手間が生じている点は不思議な印象です。

現在未登場となっているR12編成が落成するまで4両の予定のダイヤを2両で受け持っている……といったこともありそうですが、元々の配置数が少ない割りに運用数が多い印象も拭えません。

しばらく利用者数動向の変化を様子見しているのか、1編成少ない状態での車両采配の都合なのか……。比較的行楽需要の見込まれる夏のシーズンにどういった変化が加わるかなど、今後も目が離せない路線となりそうです。

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