【E217系】総武線・横須賀線からジャカルタへ?譲渡に向けた準備の噂

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山手線向けのE235系全50編成が出揃い、2020年度より横須賀線・総武線快速電車へE235系が投入されることが既に明らかになっています。

各労働組合資料から、E217系は直接代替の計画であることは既に確実視されていますが、意外な「再就職」が実現するかもしれません。

ジャカルタ譲渡の噂とともに、関連する動きを考察していきます。

E217系が直接代替となる理由は?

E217系は総武線快速電車・横須賀線の直通運転に使用するため、1994年〜1999年に基本編成11両51編成・付属編成4両46編成が製造された209系世代の近郊型電車です。

JR東日本で大量投入された209系以降の“新系列電車”のうち、初めて拡幅車体を採用した量産型電車となっており、その設計は209系500番台・E231系・E233系と続いたJR東日本の拡幅車体の車両量産に多大な成果を残した形式です。

湘南新宿ラインの大増発が行われた2004年から、上野東京ラインが開業した2015年までの間、東海道線東京駅〜熱海駅(回送で来宮駅)までの限定運用で東海道線を最大で3編成が走行していましたが、それ以外は横須賀線・総武快速線と乗り入れ先の房総地区のみの専用形式という色合いが強い車両です。

2008年から2012年まで、209系・E127系・701系・E501系など同世代のGTO素子VVVFインバータ制御車両と同様に、床下機器を中心とした機器更新が施工されており、このE217系では機器更新とともに“横須賀色”の帯を明るい色合いに変更するという独自のメニューも施工されています。

2020年度よりE235系への代替が報じられていますが、その経緯として、機器更新を施工していたものの、E217系の故障が頻発していたことが考えられます。

E235系の山手線に次ぐ投入路線候補としては、湘南新宿ライン・上野東京ラインなどで活躍するE231系近郊タイプとともに、横須賀線・総武線快速電車の代替が噂されていました。

当初、E231系近郊タイプ(宇都宮線・高崎線・東海道線系統)の代替・地方線区転用を先に行う計画だったと推察できる動きがありましたが、何らかの理由(関連記事参照)により投入順序を変更したと見られています

京浜東北線209系0番台が置き換え計画の変更により投入順序を前倒しをした例が有名ですが、同様の動きと考えられます。

ジャカルタでは203系で試運転が実施

1月10日より、ジャカルタでは常磐線各駅停車で使用後に譲渡された203系に、普段のものより大きな排障器(スカート)を設置した試運転が始まっています。

真偽は明らかにされていませんが、複数の現地ファンが「E217系導入を目指した試運転」である旨を報じています。

E217系では、今まで譲渡されてきた103系・203系・205系といった通勤タイプの車両に比べ、台車間距離やグリーン車の車体長が長いなど、細かな差異が存在します。

従来車種に比べると大きな車両となるため、地上側の設備との接触箇所がないかを検証するための試運転と見られており、スカートが車両に不釣り合いの大型のものに変更されて試運転がされたことを見ると、先述のE217系導入が背景という旨の裏付けと言えそうです。

JR東日本では、ジャカルタへ譲渡する旨が確定すると、プレスリリースにてその旨を発表してきました。

また、前回の武蔵野線向け205系の譲渡の初出は輸送する

噂されているジャカルタへの譲渡が実現すると、103系・203系・205系に続き、4形式・6路線目の譲渡車両となるほか、通勤型として製造された電車ではなく、近郊型として製造されたタイプの車両のインドネシア譲渡は初の事例となります。

また、実現すればJR東日本の“新系列電車”として製造されたグループとしては初の事例となるほか、武蔵野線から譲渡された多数の205系に続くVVVFインバータ制御車両の譲渡となります。

インドネシア政府の方針はどこへ……?

インドネシアでは以前より、国産電車の導入を目指して〇〇年度以降は中古電車の輸入を禁ずる……といった政府情報が発表されていることが日本国内にも漏れ伝わってくることが多くありました。

次は日本の電車買わないのでは?という推測が長年行われており、なし崩し的に延期され続けていたものの、2020年を最後に・武蔵野線205系以降は日本から中古電車を買わないのではないか?という推測をするインドネシア・日本のファンの方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。

この譲渡禁止の噂自体は以前から言われているものの、国産電車の不調から技術の確立まではまだまだ時間が掛かる可能性も高く、この課題が解決するまでは現実的とは言えないでしょう。

2020年より国産の電車が動き出すようですが、以前も同様にVVVFインバータ車両を製造して失敗した事例があるため、今後の動向はその新造車両の出来具合にも左右されそうです。

首都機能移転など、インドネシアの政治情勢次第なところもあって断言出来ませんが、選択肢の1つとして試運転をしてみた……といったところでしょうか

大量に買える若い車両……という選定か

鉄道を運営する公社=ケレタ・コミューター・インドネシア(PT Kereta Commuter Indonesia)としては、年々混雑激化・利用者増加が進んでいる状況を考えると、規制される前に安くて故障も少ない日本の電車をなるべく早く買い漁っておきたいという心境が考えられますね。

E217系導入には先述のような車体の大きさに関する課題があるほか、日本国内では故障が原因で早期廃車とされる形式です。

日本の横須賀線・総武線快速電車のユーザーの皆さんなら、E217系の故障・劣化の激しさはご存知の通りですし、あまりに故障が多くて組合からの反発も多く、置き換え計画を前倒しした経緯のある車両です。

それでもなお欲しがるのは、いつ規制が掛かるか分からない以上、まとまった数の購入が出来る若年車両という出物を逃したくない……といった背景が強そうですね。

海沿いを走って満身創痍のE217系がインドネシアの気候に耐えられるかは未知数ですが、今後の展開が気になるところです。

実現した場合はどのような体制に?

最近インドネシアへ旅立った205系たちですが、日本国内で運用されていた頃の6両・8両・10両編成を12両編成に組み替えて営業運転に入る例が多くなっています。

6両編成で譲渡された南武線出身はそのまま2編成つなげたり、武蔵野線出身は床下機器の構成が揃うペアで12両貫通編成と8+4両編成に組み換えられたり。さらに故障・検査などで編成組み換えが柔軟に行われるなど、日本国内にいた頃より日本の国鉄電車らしい、柔軟な使い方に感じます。

以上の傾向から、現地ファンの間では、11両編成の基本編成のみを購入して、10両編成と12両編成に組み替えるのではないか?という説が有力なようです。

しかしながら、E217系の11両編成は4M7Tという少し非力な構成となっています。

12両編成を組むと4M8Tとなり、歴代の209系世代・E231系世代のモーター車を減らす構成でも、ここまで高負荷な組成はされてきませんでした

これを踏まえると、この基本編成のみ購入という説には日本のファン目線だと疑問符がつくところです。

一方で、もしグリーン車を連結しない場合、15両編成からグリーン車を抜き取ると13両ですので、もう1両減らせば基本編成を8両に短縮+付属編成4両を使用した12両編成として運用することができそうです。

グリーン車を残しても、編成間の先頭車2両と基本編成の中間付随車1両の抜き取りで対処でき、6M6Tという構成を考えると、これが一番現実的でしょうか。

現地ファンにより噂されている、KRLジャボデタベック(KRL Jabodetabek)でのグリーン車を生かした着席サービス展開となれば、なかなか面白い動きとなりますね。

譲渡の実現有無、実現時の譲渡対象はどうなるのか、今後の展開に期待したいですね。

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写真;写真ACより

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