【上野・品川方面へ】“スカ色”E231系マト139編成が常磐線上野口運用を開始

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成田線(我孫子支線)120周年記念として“スカ色”のラッピングが施され、その特異な外観でファンから人気を集めるE231系マト139編成。

5月末までの成田線限定運用を終え、ヘッドマークを外したのち6月2日よりそれ以外の運用への充当が始まりました。

成田線120周年記念ラッピングの出場から現在

2021年4月1日に同区間が全通から120周年を迎え、沿線自治体とJR東日本では開業120周年記念事業として様々な企画が実施されています。

特に注目される企画として、「1990年代後半まで我孫子駅・成田駅間を走行していた車両をイメージした帯色に変更」(成田線(我孫子駅~成田駅間)開業 120 周年記念事業 PDF)と発表されており、ファンから期待の声が寄せられていました。

抽象的な表現で記載されており、その外観はファンの間で様々な憶測を呼びましたが、4月12日に前面の帯色が横須賀色となったマト139編成の画像が公式で使用され、翌13日には前面が横須賀色・側面は常磐色という特異な形態で東京総合車両センターから出場しました(過去記事)。

その後、18日には側面のラッピングも施工(駅掲示)、29日には松戸車両センターの事前応募制の公開イベントで全車両の外観が明らかとなりました(過去記事)。

そしてその日の深夜に松戸車両センター(本所)から同我孫子支所へ臨時回送、4月30日朝から5月31日までの間、成田線で5両編成単独運用の2パターンいずれかでの運用が続けられていました(過去記事)。

この編成については「成田線(我孫子駅~成田駅間)の限定運用を出発式から5月末頃まで予定(E231系1編成5両)」(同PDF)という記載がされており、装飾やヘッドマークを6月以降に維持するのか否かはどちらとも断定しにくい表記となっていました。

処遇が注目される最中、31日に入庫された直後にJR東日本の関連アカウントよりその後について記載され、ヘッドマークを取り外してスカ色の帯を維持したまま常磐線・成田線の運行をすることが明らかにされています。このツイートにて、上野口限定等の処置はされず、上野東京ライン品川駅までの入線も実施されることが読み取れます。

成田線限定運用を解かれたマト139編成は、6月1日には1ヶ月間常駐していた松戸車両センター我孫子派出所から松戸車両センター(本所)に臨時回送が実施されました。松戸ではヘッドマークの取り外しが行われています。

そして、翌2日の634H列車(上野寄)より常磐線定期列車での活躍が始まりました

成田線には5+5両で運行される線内完結列車がいくつか設定されていますが、ヘッドマーク掲出期間中にこれらの列車には充当されず、常磐色+横須賀色の混色編成での運行は今回が初めての事例となりました。

新系列電車に区分される車両では非常に珍しい混色での運行ですが、E653系「フレッシュひたち号」が複数カラーの連結が日常となっていたほか、仙台エリアではE721系0番台と仙台空港アクセス線用の500番台が混結された事例があります。いずれも常磐線で実現していることも何かの縁でしょうか。

横須賀色での運行は「夏頃まで」と抽象的な表現となっていますが、当面の間は現在の形態での運行を見ることが出来そうです。

ただし、開業120周年記念事業は2021年度いっぱい実施されるものですが、その最後までは実施されない点については注意が必要です。

常磐線では基本的に下り側に連結……

松戸車両センターのE231系は現在、基本10両が18編成(マト101〜117,119)・付属5両が19編成(マト121〜139)となっています。

15両編成で運行される場合は品川・上野側(上り側)に10両編成を、取手側(下り側)に5両編成を連結した編成で運行されています。

このほか、付属編成の方が多い構成となっており、成田線完結の5両編成単独の運用・5両+5両をつなげた10両の運用が定期運用に組み込まれていますが、いずれも成田線内完結の列車のみとなっています。

そして、成田線から常磐線への直通列車は全て10両貫通編成で運行されています。

そのため「品川」「上野」「東海道線直通」などの行先表示を掲げた状態で先頭に立つことは基本的にはありません

しかし、基本編成の車両運用は17編成相当となっており、今回充当された35H運用については検査時などに時折5+5両の10両編成で運行される形態を見ることが可能となっており、今後もこの場合のみ「上野」表示で先頭に立つ可能性があります。

5+5+5両の編成を避ける(運転士・車掌どちらも車内に立ち入ることが困難となる)ためか、この組成で運行される列車は以前から固定されたものとなっています。

現在は東京総合車両センターにてマト101編成が入場中となっており、車両数の余裕は大きくない状態です。同編成が出場するまで、今後も同様の運行体系が実施される見込みは高そうです。

順序通り検査が進むと仮定すれば、6月後半〜7月頃にマト102編成・8月前後にマト103編成と続きそうです。

この10両編成の検査期間中などで、再びマト139編成が上野側先頭で常磐線を走行する機会に恵まれるかもしれません。

ただし、この35H運用は朝ラッシュ時間帯のみの稼働となっており、1ヶ月もの間限定運用で走行距離が他編成とバラつきが生じていることが予想できるこの編成を、あえて初日から特異かつ距離が短い運用に充当するのは少々不自然にも思えます。

上野側に連結した点もファン受けするポイントですので、今回の充当は松戸車両センター関係の皆様から初日に話題を添えるための“御祝儀”的な狙いと考えられそうです。

前後脈絡がなく予想がしにくい運用ですので、5+5両の組成を狙う場合は、運用順序が予想しやすい成田線に出向くことが確実でしょうか。

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画像元ツイート紹介

本記事内の掲載写真は、常磐線での営業運転初列車を記録された麻陳豆腐さま(@WT250E)より掲載許諾を頂いています。

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