【本線を初自走】疎開?訓練?E257系5500番台OM-52編成が国府津車両センターへ

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緑色に生まれ変わったE257系5000番台・5500番台が登場したものの、これまで改造先からの出場の動きのみに留まっていました。

2021年5月にそれぞれ登場して以来動きがありませんでしたが、6月23日、5500番台のOM-52編成5両が所属基地の大宮総合車両センターから国府津車両センターへ回送され、いよいよ波動用編成の動きが始まりました。

1編成ずつ登場した“緑のE257”

中央線から東海道線への転用対象から外されたE257系0番台9両3編成と、房総特急やホームライナー削減で余剰となった同500番台は、それぞれ余剰が発生してから現在まで団体臨時列車や季節の臨時列車などで活躍していました。

2019年から相次いだ東海道線転用の動きが2021年3月に完結しましたが、その後も0番台は長野総合車両センターへ・500番台は秋田総合車両センターへの入場が続いており、動向が注目されていました。

そして、それぞれ原番号+5000とされて機器更新工事・外観デザイン変更などが施された5000番台・5500番台として改造が進められています。

幕張車両センターNB-09編成を改造したOM-52編成は5月20日から21日にかけて、松本車両センターM-105編成を改造したOM-91編成は5月25日に出場しており、それ以降現在まで1ヶ月近く大宮総合車両センター東大宮センターの端っこで出番を待つ日々が続いていました。

2021年6月23日に、OM-52編成が東大宮センターから東北貨物線・山手貨物線・品鶴線・東海道貨物線を経由して国府津車両センターまで回送されており、秋田からの出場が機関車牽引となっていた同編成にとっては機器更新後初の本線自走回送となりました。

参考:各番台区分と現在

番台区分使途両数
0番台中央線特急2両5編成:廃車
9両16編成:転用
500番台房総特急5両19編成
→5両10編成程度
2000番台東海道特急9両13編成
2500番台東海道特急5両4編成
5000番台波動用9両3編成
5500番台波動用5両5編成程度

国府津車両センターでは訓練?

湘南色の車両基地にマッチしている新塗装。配給輸送時の汚れもそのまま……

一見すると単なる疎開措置にも思える回送ですが、今回の回送は新区分車両の初の動きということで、経緯が注目されます。

2021年3月改正までE257系の東海道線転用改造を終えた2000番台・2500番台の疎開が国府津車両センターでも複数編成行われていましたが、ダイヤ改正以降に入れ替わりで185系が疎開するような動きはこれまで発生していませんでした。

ダイヤ改正以降の動きとしては、215系4編成が運用離脱をし、短期的な平塚・湯河原の側線留置といった動きを除いて国府津車両センターへ留置される体制となっていました。更に、同じ横浜支社管内の鎌倉車両センターのE217系も最大30両程度疎開が実施されています。

ダイヤ改正直後は仕業検査(6日以内)の度に拠点区所へ疎開回送・返却回送を繰り返す必要がある駅留置が多く実施されていたものの、廃車の動きがある程度進展した現在では交番検査・機能保全が出来る各地の車両センター疎開に戻りつつあります。

これらの車両動向を考えると、185系の停泊を日常的に受け入れていた国府津車両センターに185系が疎開されていなかった背景として、国府津車両センターが手狭になることを避けたことが考えられます。

一方で、東大宮センターの留置車両に加えて尾久車両センターの疎開編成についても廃車が進行するなか、より切迫していたはずの出場直後から現在まで東大宮に置いておいた点の違和感もあります。

状況から考えると回送の目的は疎開よりは何らかの訓練を目的した送り込みと考えることが出来そうな動きですが、過去の2000番台のように貨物線をしばらく走り込みするのか、車両センター内で完結するのかは注目したいところです。

特に在来の2000番台・2500番台と車両保守・運転面で大きな差があるようにも思えず、経緯が気になります。

翌24日に返却回送が実施されました。

今後が心配な各形式も国府津に集結

将来的には国府津に常駐に近い体制も……?

国府津車両センターの近年の動向では、2021年3月のダイヤ改正で余剰となった215系40両の廃車措置が完了すれば配置数が純減、さらに2020年に観光快速「伊豆クレイル」で使用されていた651系1000番台4両の配置も無くなっています。所属車両でないながら停泊が多く設定される特急車両も185系からE257系に代替され、メンテナンス項目も減少が予想できます。

更に相模線の205系がE131系に代替されることで、こちらのメンテナンスも作業量が減少しそうです。

検修能力に余裕が生まれることを考えると、現在大宮総合車両センター東大宮センターで実施している作業の移管が実施される可能性もゼロとは言えません。

4月〜6月の修学旅行シーズンには数多くの集約臨が運行されていますが、神奈川県内各地発着で都度東大宮センターへ出入りしています。都度東大宮を行き来して早朝出庫で夜に入庫する運用は決して効率が良いものとは言えず、現在の豊田車両センター常駐のような運用体制が国府津で同様に実施されても不思議ではありません。

波動用車両の配置については、183系・189系削減にあたって豊田車両センターに転属させた事例などもあり、時折見直しが入ります。

ただし、車両の所属自体は特急車両の専門基地としている東大宮センター配置が継続するようにも思えます。投入から短期間で転属となった事例は高崎車両センターのE233系のような事例こそありますが、波動用車の用途・わざわざ振り直された編成番号などを考えても今回は考えにくいところです。

E257系への世代交代がどこまで想定したものかは推測が難しいところですが、単なる機器更新車両ながら依然として運用入りしないことからも、波動用車両の運用方法にも少し変化が起きるかもしれませんね。

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