【特急湘南号関連か】E257系2000番台が横須賀線・東海道貨物線で試運転

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JR東日本では、2021年3月13日(土)のダイヤ改正にて、湘南ライナー号などの東海道線通勤ライナーの特急化・E257系2000番台,2500番台への置き換えを発表しています。

2021年1月に入り、E257系の改造を終えた各編成を使用した乗務員訓練とみられる動きが始まっています。

E257系2000番台の動きが加速

E257系の東海道線転用工事・機器更新工事は終盤を迎えており、まだ完成していない車両は基本編成がNA-02・NA-09、付属編成がNC-33・NC-34と各2編成程度です。それぞれ入場時期を考えれば、問題なく3月のダイヤ改正に間に合うことと思われます。

さて、営業運転は依然として増加しておらず、改造を終えた車両は北は新潟、南は国府津、西は長野とJR東日本管内の直流エリアをフル活用して疎開留置をしています。機能保全(月検査相当)のため、時折所属区である大宮総合車両センター東大宮センターへ出入りしており、既にエリア外を走る2000番台の姿は珍しいものではなくなっています。

一方で、最近になって、既に多数の走行実績がある東海道貨物線や、逆に入線歴のなかった横須賀線大船〜逗子駅間に相次いで回送・試運転の動きが続いており、ファンから様々な憶測が飛び交っています。

前者は乗務員訓練、後者は入線確認と推測する声が多いですが、改めて特急踊り子号・湘南ライナー号の運行体制を考えて深掘りしてみます。

本改正で担当乗務員が増加か

踊り子号の担当乗務員は既に昨年に訓練を終えており、今更同じ線区の乗務員に訓練を要することに疑問を持つ方も多いかと思います。

まず、踊り子号とライナー列車共通で担当する乗務員としては、運転士が田町運転区・国府津運輸区・熱海運輸区、車掌が東京車掌区・国府津運輸区・熱海運輸区が該当します。それぞれ東海道線沿線の乗務員区所ですので、妥当なところです。

一方で、東海道線のライナー列車については新宿運輸区が担当に加わっています。そして、意外にも東京行きの湘南ライナーを担当しています。

新宿運輸区は相鉄線直通のほか、湘南新宿ライン(大宮駅以南)・中央線特急(普通列車行路は2019年3月?に廃止済)など担当エリアが広く、設立からの歴史は浅いながらも乗務員数が多い組織です。

ただでさえ覚えることが多そうな同区がわざわざ東京方面のライナー列車も担当していることは一見不思議に思えます。

推測の域を出ませんが、JR東日本の東京支社管内では異常時の急な行先変更などに備えるために日常的に知識を維持するため、あえて無駄な便乗(中央線快速や山手線で東京・品川〜新宿を移動)などを作ってまで技能維持をしていることが背景に考えられます。

特に東京支社管内は線路が複雑に入り組んでいるほか、輸送障害時の発着駅変更が時折生じます。相鉄線直通を専属で担当する新宿運輸区の乗務員が突発の品川駅発着を運転出来るのも、これらの準備の賜物でしょう。

今回の乗務員訓練は新宿駅経由で東海道貨物線経由で根府川駅まで運行されています。これらの状況から、新宿運輸区乗務員訓練と推察できます。

優等列車乗務組は中央線でE257系を担当していた乗務員さんが多いはずですので、リニューアルした車両に懐かしさを感じられているのではないでしょうか。他方、晩年の故障の多さを知る彼らにとっては、またか……といった印象かもしれませんね。

横須賀線乗務員が特急湘南のハンドルを握る?

更に、営業列車に担当こそありませんが、ライナー列車の運行には最近大船運輸区運転士が加わっています

これは、2019年11月の相鉄線直通運行開始にあたり、品鶴線(いわゆる横須賀線の品川〜武蔵小杉駅)の線路容量の問題から回送列車の経路変更を行ったことが背景です。

長年に渡り、東海道線東京駅の線路容量の観点からピーク時間帯の貨物線経由のライナー列車を横須賀線に流して地下ホーム行きとしている列車が2本設けられていました。このダイヤ改正では、そのうち1本が横須賀線を下ることも、東京駅で長時間留めおくことも難しい……として総武線錦糸町駅電留線まで回送するダイヤへ変更されました。

先述の東海道線の乗務員区所はいずれも総武線が担当エリア外のため、横須賀線・総武線快速電車を担当する乗務員区所のうち大船運輸区が担当に選ばれました。

2021年3月のダイヤ改正でも、215系の地下ホーム発着経路をE257系が踏襲することが明らかにされています。

状況から考察すれば、E257系についても引き続き総武線を経由した回送列車を仕立てるのが自然です。今回の横須賀駅入線は大船運輸区の現車訓練または乗務員訓練と考えることができます。

また、以上の観点から、E257系の大船駅〜横須賀駅の入線は、定期回送が横須賀に乗り入れるための訓練ではなく、あくまで大船運輸区がE257系の操縦を練習するためにダイヤ・乗務員行路視点で最適解だったことと考えることができそうです。

乗務員の采配はファン層には知り得ないことも多く、状況からの推測に頼らざるを得ません。お気づきのことがあればコメント欄からご指摘ください。

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今回のお写真は、花園智史さま(@HANAZO_satoshi)より許可をいただいて掲載しています。

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