秋田新幹線こまち号用に製造されて、こまち号としての運用を終えてからはやまびこ号・なすの号でひっそりと活躍を続けているE3系R21,22の2編成が仙台に転属していることが明らかになりました。
背景を探るとともに、E3系元こまち編成の今後を考えます。
引退から5年経って突然の転属
こまち号での活躍を終えてから2019年春でもう5年。
この春までは、古巣である、秋田新幹線を管理している秋田新幹線車両センターへの在籍を続けており、交検のために秋田への里帰りを続けていました。
しかしながら、5年が経った2019年3月16日ダイヤ改正にあわせて、仙台の新幹線総合車両センターに転属となりました。
正式な理由こそ発表されていないものの、いい加減この不定期回送が非効率であると感じたのか、当面のつなぎだった2編成が当初想定より長生きをすることになったのかのいずれかが考えやすいところでしょうか。
しかし、JR東日本の中長期計画にて、組織改編をすることを明らかにしているため、これに備えた動きとも考えられます。
もしこの長期計画に合わせた動きだったとすれば、他線区にも今後動きが考えられます。
長野・新潟・山形・秋田と各地に点在する「新幹線車両センター」。
こちらにも再編の動きがあるのかもしれませんね。
E6系やその他車両での置き換えはしばらく先?
こまち号としては短命に終わってしまった後期車のなかで、その姿を留めているR編成。
JR東日本の新幹線では形式統一が叫ばれているなかで、ひっそりと2編成というマイナー車両として活躍を続けています。
E2系が仙台駅以北の定期運用から撤退した2019年度ダイヤ改正においても、E3系の盛岡駅乗り入れは継続されています。
E2系が先に撤退するという流れはまさかの展開ですね。
そして、ダイヤ改正後も引き続き、本業であった“こまち号”からの引退後の運用は2編成配置・2編成使用という予備なしで設定されているため、検査・故障時はE6系が代走するという運用構成です。
同期の他の編成もつばさ号の初期車置き換えなどで引き続き活躍している一方で、その2編成という数の少なさが運用上の制約となることは言うまでもありません。
再編時に山形新幹線仕様に統一してしまえば東北新幹線も形式数を1つ減らせたのかもしれませんが、既に手遅れです。
E6系による置き換えが進むのか、それとも新しい形態での増結編成が生まれるのか。
そもそもダイヤ側の調整でE5系の列車本数増とするのが手っ取り早い気もしますが、引き続き今後の動向に注目が集まりそうです。
古巣への帰省運用がなくなってしまったことは残念ですが、引退の前に懐かしのこまち号として秋田駅までの運行をしてもらえたらうれしいですね。
E3系元こまち・R21,22編成運用表
①運用
やまびこ202号 | 202B | ~仙台⑬ | 6:06 | 東京㉓ | 8:16 |
なすの253号 | 253B | 東京㉓ | 8:28 | 郡山⑪ | 10:01 |
なすの272号 | 272B | 郡山⑪ | 10:37 | 東京㉒ | 12:18 |
回送 | ? | 東京㉒ | 12:28 | 小山 | ? |
回送 | ? | 小山 | ? | 東京㉒ | 17:56 |
なすの265号 | 265B | 東京㉒ | 18:08 | 那須塩原~ | 19:20 |
回送先が郡山になる場合があるようです。
変①-1運用
やまびこ202号 | 202B | ~仙台⑬ | 6:06 | 東京㉓ | 8:16 |
なすの253号 | 253B | 東京㉓ | 8:28 | 郡山⑪ | 10:01 |
なすの272号 | 272B | 郡山⑪ | 10:43 | 東京㉒ | 12:16 |
はやて337号 | 4337B | 東京㉒ | 12:28 | 盛岡⑭ | 15:11 |
はやて338号 | 4338B | 盛岡⑭ | 15:25 | 東京㉒ | 17:56 |
なすの265号 | 265B | 東京㉒ | 18:08 | 那須塩原~ | 19:20 |
臨時の4337B/4338Bは片道客扱・片道回送ですが、臨時列車ながら希少なはやて号に充当されて往年の全席指定席で運転されます。
②運用
なすの268号 | 268B | ~那須塩原⑤ | 8:17 | 東京㉑ | 9:28 |
やまびこ45号 | 45B | 東京㉑ | 9:40 | 盛岡⑫ | 12:54 |
やまびこ50号 | 50B | 盛岡⑫ | 14:07 | 東京㉒ | 17:24 |
やまびこ215号 | 215B | 東京㉒ | 17:36 | 仙台⑫~ | 20:09 |
コメント