上越新幹線では本来、2020年度末にE7系11編成体制が確立する予定で、2020年3月改正時点でも多くの列車がE7系化される計画となっていました。
長野新幹線車両センターの台風被害の影響で計画が先送りとなっており、ダイヤ改正後の上越新幹線にも影響を与えています。
上越新幹線とE7系
上越新幹線では、老朽化したE2系初期車・E4系の世代交代のため、北陸新幹線向けに開発されていたE7系を新潟新幹線車両センターにも配置することとなりました。
2019年3月のダイヤ改正で営業運転が開始され、その後も増備が続けられていました。
2020年改正で本数増加が期待されていましたが、2019年秋の台風19号被害で長野新幹線車両センターが水没。
E7系8編成とW7系2編成の10編成もの車両が使用不能となっています。
白羽の矢が立ったのは、同じE7系として新潟新幹線車両センターに新製配置が進められていたグループでした。
当初の製造段階から共通運用化を視野に入れていたため、無改造で窮地の北陸新幹線を救う存在となりました。
上越新幹線で定期運用をしている2運用についてもE2系・E4系へ持ち替えとなる……かと思いきや、意外にも今日までE7系の専属運用となっています。
当初導入計画虚しく運用数維持
しかしながら、やはり2020年3月改正でこれを増加させることは難しかったようです。
ダイヤ改正前と同じ2運用+臨時運用体制が継続されています。
また、既に長野所属のE7系が上越新幹線で営業運転に充当されている姿が多く目撃されています。
これについては、長野で実施していた交番検査が検修設備も水没したため、検査を新潟で実施するための措置となっているようです。
現時点では、JR東日本アプリで詳細な車内情報表示が見られる列車は長野編成(〜F19)・まだ対応していない編成は新潟編成(F20〜)という違いがあります。
いつまでこの違いがあるかは定かではありませんので、今後は区別は難しくなりそうです。
北陸新幹線ではE7系とW7系の違いがありますが、こちらについては来てからのお楽しみとなります(上越新幹線運用は現時点で未実施)。
2021年3月ダイヤ改正で運用微増か
2020年度、E7系の製造は5編成とされています(関連記事参照)。
この5編成という数字は当初の製造計画を上回るものとなっていますので、上越新幹線の増備完遂分に加え、水没してしまった代替編成の製造に着手する格好となります。
このため、2021年3月ダイヤ改正前後から代替新造車が順次登場しますので、新潟所属分についても出稼ぎ運用が削減……といった展開が推測できます。
運用については今年同様のもので変化はありませんが、秋以降は検査の関係で相互に代走があるため、特定編成に狙って乗るのは困難を極める動静です。
朱鷺色ラッピング解除?
登場時点で1年間とされていた朱鷺色(薄いピンク色)のラッピングが施されていたF21編成・F22編成ですが、今後解除されるものと思われます。
上越新幹線の固定2運用では、北陸新幹線に比べて走行距離が短い運用しかないため、車両不足でフル稼働してきた他のE7系たちと比べると、短い走行距離となっていることが推測できます。
ラッピングが解除されれば他の編成と同一扱いできるため、早速走行距離が稼げる北陸新幹線運用に貸し出されることとなりそうです。
ファンとしてはピンク帯のまま北陸新幹線を走る姿を見たかった……という声もありますが、先月まで意地でも発生させなかったを考えると、今後もよほどの事情がない限り発生しないでしょう。
2020年3月改正以降の運用
臨時運用を挟むことで新潟⇔長野間で車両トレードを行っているかと思いきや、臨時回送をしていることもあるようです……。
①運用
とき308号 | 1308C | ●新潟⑪ | 7:49 | 東京㉓ | 10:04 |
とき315号 | 1315C | 東京㉓ | 10:16 | 新潟⑪▲ | 12:24 |
とき336号 | 1336C | ●新潟 | 16:56 | 東京㉒ | 19:00 |
たにがわ413号 | 413C | 東京㉒ | 19:12 | 越後湯沢▲ | 20:42 |
②運用
たにがわ402号 | 402C | ●越後湯沢 | 7:08 | 東京㉑ | 8:40 |
とき309号 | 309C | 東京㉑ | 8:52 | 新潟⑬ | 11:11 |
とき320号 | 320C | 新潟⑬ | 12:35 | 東京㉒ | 14:44 |
一旦入庫(※) | |||||
とき327号 | 1327C | 東京㉒ | 15:16 | 新潟⑪ | 17:04 |
とき342号 | 342C | 新潟⑪ | 18:12 | 東京㉓ | 20:12 |
とき347号 | 347C | 東京㉓ | 20:24 | 新潟⑬▲ | 22:36 |
後述の臨時運用がある場合は※印のところでそのまま運用終了となりそうです。
臨時③運用(北陸→新潟)
たにがわ81号 | 4081C | ●東京㉓ | 8:32 | 越後湯沢 ガーラ湯沢 | 9:52 9:55 |
たにがわ74号 | 4074C | ガーラ湯沢 越後湯沢 | 13:38 13:42 | 東京㉑ | 15:00 |
とき327号 | 1327C | 東京㉒ | 15:16 | 新潟⑪ | 17:04 |
とき342号 | 342C | 新潟⑪ | 18:12 | 東京㉓ | 20:12 |
とき347号 | 347C | 東京㉓ | 20:24 | 新潟⑬▲ | 22:36 |
長野→新潟を兼ねつつ、東京駅の番線繰りを考えると、2019年度ダイヤ同様にここで定期運用と差し替えるのが妥当でしょう。
ダイヤ改正前から行われている措置で、実質的に北陸新幹線編成を差し替えることができます。
臨時④運用(新潟→北陸)
とき356号 | 8356C | 新潟⑫ | 9:31 | 東京㉓ | 11:32 |
とき365号 | 8365C | 東京㉓ | 11:44 | 新潟⑫ | 13:55 |
ダイヤ上はおそらくこの運用を想定しているかと思いますが、同日設定はされていません。
判明分では8365CはMax充当となっているため、一旦入区で北陸新幹線に……という使い方を想定しているのでしょうか。
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