【40歳】JR西日本→貨物に渡り歩いたEF65達〜2127号機はじめ名機多数

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広島更新色風の塗装でJR貨物のEF65の中でもトップクラスの人気を誇る2127号機。

2019年8月1日で40歳となった彼ですが、下関出身で数多くのブルートレインを牽引していたほか、同じくJR西日本から譲渡されたグループがたくさん活躍していたことは最近のファンの方だとあまり知らないかもしれません。

JR貨物に譲渡された元下関機の歴史とともに、今後の動向について考えます。

JR西日本出身の貨物機はたくさん存在

JR東日本から譲渡されたEF65形は1101号機・1116号機と非常に少なかった一方で、JR西日本から譲渡されたEF65形はなんと10機も存在しています。

1093・1094・1095・1119・1121・1122・1123・1127・1129・1136の10機です。

2000年から少しずつ譲渡が進んだ西日本育ちのEF65たち10機ですが、半数が高崎配置でブルートレイン牽引時代にたまに顔を出していた関東を縦横無尽に走り回り、ほかは岡山機関区に配置されて古巣の路線を引き続き走ることとなります。

同時期に0番台同様にJR貨物でEF65形の定期検査を実施していた大宮車両所・広島車両所にて所属機の更新工事が施工されることとなりましたが、これは譲渡車たちの命運を分けることとなりました。

現在残っているのはこの頃に更新工事を施工された機関車で、更新から漏れた機関車たちは原色で人気を集めたのちに姿を消すこととなります。

1093号機〜カラシ塗装ではなくなって現役

この1093号機はブルートレイン牽引を目的に製造された8次車のトップナンバーで、譲渡後は岡山機関区に配置されました。

岡山機関区のEF65は0番台と初期型PFばかりの布陣で、更新工事も彼らから施工されたものの、この1093号機は更新工事を受けることとなりました。

広島更新色の明るい水色にカラシ色貫通扉の塗装となって関西圏で活躍、更新色であまり注目されていなかったところ、EF65形の運用整理・新鶴見集中配置化の流れのなかで高崎機関区に転属、関東に移籍したカラシ色として大注目となりました。

その後の定期検査では大宮更新色に塗り替えられており、広島施工機の大宮塗装としては特異な経歴の1089号機以来、2例目となっています。

久々に脚光を浴びたのに、転属後に定期検査を受けてまた地味な活躍に戻った彼。

2093号機となった現在も新鶴見配置ながら、関西・四国運用で時折関西圏を走る姿を見ることができます。

1094号機〜高崎時代はハズレ釜

1094号機は高崎機関区に配置されており、こちらも大宮で更新工事を施工することとなりました。

高崎機関区のEF65形は0番台・500番台が当たりで、1000番台も原色機が多数配置されていた個性的な布陣でしたので、高崎機関区運用のなかでは不人気な機関車でした。

しかしながら、この更新工事を受けていたことが長生きをすることとなり、現在も新鶴見機関区に転属して久々の関西圏走行も実現しています。

1095号機〜国鉄時代からの異端機

EF65形1000番台=PFのエンドでの違いとして、1エンド側に重連総括用のジャンパ栓(ジャンパ線受け)が設置されていることが挙げられます。

この1095号機については、ブルートレイン牽引時代にジャンパ栓を撤去しており、外観上の大きなポイントとなっていました。

この1095号機も1094号機と同様に高崎機関区に配置され、大宮で更新工事を受けました。

個性的な高崎機関区布陣のなかでも1エンド側の形態差は引き続き注目をされ、新鶴見機関区配置の現在もその個性的な顔立ちを拝むことが可能です。

1119号機〜関東譲渡組唯一の原色プレート

後述の1121号機・1122号機とともに高崎機関区の原色機として人気の機関車でしたが、そのなかでも1119号機はプレート交換がされておらず、西日本譲渡機らしい風貌で人気の機関車でした。

譲渡当初は新鶴見機関区配置で、数年で高崎機関区に転属しています。

西日本塗装・貫通扉だけ白色という個性的な形態から通常の大宮原色となり、スッキリとしたスタイルとなったのち、岡山機関区に転属して関西圏での運用をこなしてそのまま骨を埋めると見られていました。

しかし、原色機では異例の2000番台化と新鶴見復帰を果たすこととなりました。

個性だったプレートは2121号機同様青プレートに改められたものの、やはり検査切れまでの繋ぎだったようで、短期間で廃車となってしまいました。

1121号機〜青プレ原色機

高崎機関区のEF65形は原色・更新色ともにナンバー視認性向上のため前面と側面のナンバー塗装を入れ替える形態が主流でした。

新鶴見機関区→高崎機関区と短期間で転属となったこの1121号機も同様の塗装変更が施工されていました。

そして1119号機とともに関西転属となり、かつての西日本譲渡機のうち、原色機が岡山に集結して大にぎわいでした。

そのまま余生を過ごす……とはならず、新鶴見機関区再転属・2000番台化の対象になりました。

こちらも更新工事未施工が災いして廃車となっています。

1122号機〜青プレ原色機

1121号機同様、青プレに改められた機関車ですが、こちらは譲渡当初から高崎機関区に直接配置となっています。

譲渡自体が上記1119号機・1121号機より数年先に行われていたこともあり、短期間でコロコロと所属を変えていた彼らよりは高崎の機関車というイメージが強いですね。

この1122号機も人気釜でしたが、他の関東配置の原色機と異なって高崎→岡山→新鶴見の転属は行われたものの、2000番台化はされずに廃車となってしまいました。

検査期限などのタイミングから漏れてしまったものと思われます。

1123号機〜岡山の原色機

岡山に転入した5機のうち、最後まで原色だったグループです。

岡山機関区では0番台4機が原色で残っていて大人気でしたが、それ以外の更新が進んでいたために当時の関西圏のEF65形のファンから人気の機関車でした。

関東からの転入組とともに岡山機関区EF65無配置化まで活躍しました。

1127号機〜カラシ色を維持する人気釜

1093号機同様、更新工事が施工されていたことから新鶴見集中配置を目的に高崎機関区に転入してきました。

その後の定期検査で、EF64同様に広島車両所更新色に似せた塗り分けで登場して大きな話題となりました。

1093号機が大宮更新色であまり目立たなくなってしまったこととは対照に、岡山機関区時代に撤去されていた甲種輸送に必要なMR管も復活し、連日ファンを賑わせる人気の機関車となりました。

1129号機〜岡山の原色機

こちらも1123号機同様に岡山配置の原色機です。

岡山機関区にはATS-PFの設置改造が更新機を優先して行った結果、ほとんどが原色機になってかつての同僚とともに活躍。

関東配置されていた1119,1121,1122号機が関東に再転用されていますが、関西配置の岡山配置の原色機たちは叶うことがなく、下関・岡山と関西で生涯を終えています

青色のジャンパ栓が特徴的ですね。

1136号機〜岡山原色機・白Hゴム残存

こちらも岡山に転属しましたが、貫通扉のみ白Hゴムを維持したまま廃車解体を迎えました。

譲渡から6年という短い活躍でしたが、その個性的な出で立ちで関西のファンを盛り上げてくれました。

また、岡山配属の原色機はナンバーの色変更が行われていなかったため、関東のファンも遠征して撮影する方も見られました。

比較的車齢の高い機関車が多いJR貨物に存在していますが、JR西日本に残存した機関車のほとんどが現役なことを考えると、原色のまま引退した6機はちょっと不遇でした。

彼らの分まで更新機の4機には活躍してほしいところです。

2127号機の広島更新色風塗装はいつまで維持される?

大宮車両所にて広島っぽい塗装を施工された1127号機。

岡山機関区から1093号機とともに転属したのち、先に定期検査を迎えた1093号機は通常の大宮更新色となっています。

一方で1127号機については大宮車両所にあったライトブルー塗料などを活用して、広島更新色時代に近い塗装で2017年に検査出場をしているため、離脱さえなければもう少しその姿を見ることができそうです。。

広島車両所時代の淡い水色ではなくなったものの、ロゴマークや塗り分け線などを踏襲した拘りはEF64形67号機・1046号機・1049号機でも実施されましたが、これはファン向けの慈善事業という色合いが強そうで、JRFロゴマークが使えなくなった今、次の定期検査でもこの塗装が維持される可能性は下がっています

3色更新・カラシ色・紅葉色プレートというファンに人気の形態を無視して原色化された2089号機の例を考えると、2127号機についてもそのままの塗装が維持されるとは考えにくいです。

そして、大宮と広島で更新工事の施工に細かい差異もあることから、運用数の変化次第では次の定期検査を受けない可能性もあります。

特に関西圏の運用では岡山機関区での活躍を彷彿とさせる2127号機を含め、元JR西の機関車たちの原色復元開始にも目が離せません。

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