【小田急&箱根登山】1000形更新車が箱根湯本へ運用拡大!赤色は置換進行中

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小田急電鉄では、当初掲げていた1000形160両のリニューアルから、1000形の廃車を含めた置き換えに変更しており、動向が注目されています。

2021年7月26日より、箱根登山鉄道線運用にリニューアル車が運用を開始。赤色の1000形の置き換えが確実な動向となりました。

“赤1000”登場と箱根登山鉄道の運転体系

小田原〜箱根湯本〜強羅駅間を結ぶ箱根登山鉄道ですが、その複雑な歴史の結果として、小田原〜箱根湯本間は小田急電鉄のロマンスカーと急行列車(1,067mm狭軌)、箱根登山鉄道の電車(1,435mm標準軌)が共存する三線軌条区間となっていました。

登山電車の小型車両と小田急車両の輸送力の違い・三線軌条の保守コスト・車体幅の違いから生じるホームとの隙間など様々な課題を解消すべく、2006年のダイヤ改正より小田原〜箱根湯本間の全列車が小田急車両での運行となり、車庫の関係で入生田〜箱根湯本間が三線軌条で残されたほかは順次撤去が進められました。

そして、同時期の小田急では分割併合列車の削減が少しずつ進められていたことなどもあり、2008年からはそれまでの急行・準急といった都心からの直通列車から、新松田または小田原から箱根湯本間で完結する4両の各駅停車としての運行となりました。

2009年からは1000形4両編成の一部が箱根登山鉄道の塗色「レーティッシュカラー」となっており、この箱根登山鉄道乗り入れ運用専属で運用されています。

小田急の置き換え計画の見直し

小田急電鉄では、8000形に続き2014年度より1000形のリニューアルを開始しました。

この当初の発表(PDF)では、1000形196両中160両を対象としており、ワイドドア車6両6編成を除いた全車両の活躍が約束されていました。

そして、2019年度より新形式・地上用10両貫通編成の5000形の投入が始まりましたが、この頃より小田急の車両投入計画に変化が伺えるようになってきました。

2016年度に実施された1256×6+1056×4→1095×10、1252×6+1052×4→1096×10のリニューアル工事では、6・7号車の先頭車運転台を撤去して中間車化するメニューとされていました。

一方で2020年には、1255×6・1055×4の編成中間に挟まった格好の先頭車を廃車とし、代わりに1081×8の中間付随車2両を挿入する格好で10両固定編成化がされました。

工事メニューが複雑化する中間車化改造を避けていることが伺える動きとなっていますが、同年度には4両編成の更新工事も実施しており、編成単位の廃車とリニューアルが同時進行している格好となっています。

その後もワイドドア車・8000形のうちチョッパ制御のままとなっていた編成と事故車が置き換えられるとともに、1000形では4両編成が丸ごと廃車となる動きも続いています。

複々線化工事完遂による運用増加や各駅停車の10両化も同時進行しており、小田急ファンの間でも推測が割れる・それ以外のファンにとっては理解が困難な状態です。

更新車の運用拡大と廃車が進行する“赤1000”

これまで箱根登山鉄道線のカラーリング「レーティッシュカラー」1058〜1061×4(1058F〜1061F)4編成は明確に運用が分離されており、送り込み・返却の1往復を除いて、西端を行き来する3運用体制とされていました。

先述のように、1000形は10両貫通編成をリニューアル・その他は廃車とする方針が垣間見られる状態です。

そして、4両編成の編成単位の廃車は「レーティッシュカラー」にも波及しており、2021年6月には1059×4が、そして7月には1060×4が廃車となっています。

未更新の4両編成は赤色以外にもクヤ検測(テクノインスペクター)牽引車となっている1051×4が残されており日常的に代走が行われる状態でしたが、赤色塗装の2編成目が離脱したことと入れ替わりで、2021年7月27日より初めてリニューアル編成が運用入りすることとなりました。

今後の箱根登山鉄道線運用については、1000形リニューアル車で統一されることが予想されます。

最終的な布陣は以前不明

既に検測車牽引機能は8000形に新設する動きもあり、今後は未更新4両の1051,1058,1061×4についても置き換えが濃厚な状態です。5000形を10両貫通編成で製造し続けたと仮定すると、残されたワイドドア車6両編成と同数の4両編成が置き換えられる格好となり、数としても合致します。

ただ、3編成を巻き込んで1097×10を組成させた過去を考えると、最終的にどのような布陣となっても不思議ではありません。1000形は単独電動車構成となっており、組み替えが非常に容易な設計です。

1097×10の事例を見る限り、中間車化改造を避けて元々ある中間付随車を使用して10両貫通編成を組成したかったことが伺えます。

今後の動向の鍵を握るのは、残された非ワイドドアの6両3編成(1251,1253,1254×6)の動向でしょうか。

もし単純にリニューアルを実施すると、1000形は10両7編成・6両3編成・4両7編成となり、箱根登山運用と10両運用のみ(異形式併結解消)が出来る格好ですが、これまで避けていた6両編成のリニューアル車を新たに登場させるとも、中間車化改造をするとも考えにくいところです。

また、彼らを全て更新せずに5000形10両で置き換えた場合、ワイドドア車の淘汰時点で未更新車4両編成が全て淘汰済の状態となり、新たに4両3編成程度の8000形も置き換えることとなりそうです。

そして、10両・またはこのうち中間車6両を既存の更新車4両編成に組み込む1098×10を組成……といった展開もないとは言い切れません。特に後者であれば、持て余し気味の4両編成の削減と10両貫通編成の増強が両立されますが、ここまで複雑な組み替えを実施するかどうかは疑問符が付くところです。

現在は大方の予想通り、落成時から10両貫通編成だった1092×10の工事が始まったばかりで、最終的な布陣が分かるのはしばらく先となりそうです。

赤色の1000形更新車は登場する……?

最終的な布陣こそ見えてこないものの、現時点では7編成の4両編成が更新工事を施工済となっており、従来の未更新車同様に3〜4編成を「レーティッシュカラー」に改めること自体は可能な状態です。

一方で、これまで同様に運用を分離した場合、通常の6+4両編成で運用される編成と走行距離の偏りが発生することとなり、メリットが大きいとは言えない状態です。

残されている赤色の2編成についても、車両需給を考えると置き換えが濃厚な状態ですが、もしリニューアル工事を受けた場合はその出場形態で答え合わせが出来そうです。

ファンからは概ね人気のカラーリングですので、最終的に何らかの格好で“復活”することに期待したいですね。

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記事内掲載写真は、フォロワーの東雲 – shinonomeOER様(@shinonomeOER)より掲載許諾を頂いています。

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