以前より東京メトロ千住検車区にて03系譲渡に向けて改造が進められてきた、日比谷線03系。
初のメトロ施工となった03-104F,108Fが甲種輸送にて北長野まで甲種輸送されています。
日比谷線03系置き換えと他社譲渡
日比谷線03系の置き換え・13000系の導入が進んでいます。
既に熊本電鉄で活躍しているほか、現在は北陸鉄道への譲渡が明らかにされていました。
03系の改造待ち車両として、2両編成のほか3両編成に組成された編成が登場しており、注目を集めてきました。
これらの車両について、以前から多くのファンが噂していた3社目の譲渡先である長野電鉄ですが、なかなか公式の発表が出てきませんでした。
既存車両の置き換え時期などが少しずつ明らかにされ、徐々にそれが事実と思われる状態でしたが、断言出来るだけの判断材料ではありませんでした。
最終的に長野電鉄譲渡と断言できる情報が出てきたのは、譲渡改造を受けた車両に“湯田中”の表示が出てきたこと、そして先日の新聞報道・公式発表を待つ形となりました。
ファンとしてはモヤモヤした状態が長く続きましたが、今後赤帯を付加して長野電鉄“3000系”を名乗ることや、最終的には5編成の投入予定と明らかにされており、営業運転区間は長野駅〜湯田中駅までとなります。
甲種輸送の時点では、スカート(排障器)の設置が目立つほか、半自動ドアスイッチは準備工事とされています。
行き先表示器については、フルカラーLEDのものに更新されていることが既に確認されています。
自社施工改造メニューも多く残っているとみられますので、最終的な形態に注目したいですね。
置き換え対象は自身の“先輩”
この03系譲渡車両ですが、新たに3000系を置き換えること、2022年までに5編成が出揃うこと、置き換え対象は3500系・3600系となることが明らかになっています。
この3500系・3600系ですが、日比谷線の初代車両として登場した“マッコウクジラ”の譲渡車両です。
令和の時代に、日比谷線の新旧車両が長野の地で再会を果たす形になります。
営団3000系の生き残りを置き換える車両が03系、それも先輩の3000系という形式名が付与……という展開はなかなか盛り上がるものとなりそうですね。
改造メニューの違いも特徴的
従来の2社では譲渡先に近い関連会社に外注して改造工事が施されてきましたが、今回は初めて東京メトロ系列のメトロ車両によって改造が施されました。
先述のように、一部が準備工事のまま納車となる点も特徴的です。
今回の置き換え車両では、従来の譲渡車両とは異なり、03系のなかでも初期車が改造対象となっています。
03-101F〜108Fは初期に投入された車両ながら、床下機器をチョッパ制御からVVVFインバータ制御に改装したばかりでした。
床下機器の寿命で更新されたものの、既に置き換えの計画があったため、最小限のメニューでB修繕を実施するという珍しい形態で運用に就いていました。
従来車が既存の機器流用を前提としていない2両編成(譲渡先で施工)・今回は事前に更新していた機器を再活用した3両編成(自社で施工)となります。
今回の譲渡改造では、03-100・700・800の3両が改造対象となり、これらの機器更新で新たに搭載されたVVVFインバータ制御を使用した2M1Tに改められているようです(先頭車は中間車の廃車流用品と見られる機器で新たに電装)。
疎開車両の動向から、今後の譲渡についてもこの2パターンに大別することができそうです。
また、東京メトロでは、大規模な改造は有楽町線系統の新木場CRで実施する例が近年はほとんどでした。
定期検査さえ半蔵門線系統の鷺沼工場に集約して久しい日比谷線系統。
千住検車区構内でこれらの工事を実施したことは驚きですね。
甲種輸送は明日長野へ
今回の輸送は、綾瀬工場とは異なって直接の接続がない千住検車区発送となるため、越谷貨物ターミナルまで陸路にて搬入されています。
武蔵野線・中央線・篠ノ井線経由で北長野まで輸送される計画です。
明日の長野周辺では、一足早く長野電鉄のニューフェイスを見ることができますので、お近くの方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
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