【4+4両】元209系2100番台「伊豆急3000系」に〜8両編成で運用か

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2021年7月・11月に伊豆急行に譲渡されて注目されたJR東日本209系2100番台。

12月11日、伊豆高原で開催されたイベントにて、伊豆急行での形式名が「3000系」であること、「8両編成」とされることが明らかになりました。

JR東日本209系2100番台〜伊豆急行3000系の動き

2021年3月のダイヤ改正にて、新型E131系12編成24両の営業運転を開始するとともに、房総エリアでは普通電車の運用が見直されました。

これにより、6両編成の運用数が減らされており、6編成が4両化・5編成程度が編成単位で余剰となっています。

営業運転から離脱していたものの廃車の動きがなかったその他の編成のうち、C609編成が7月6日に幕張から伊東駅まで甲種輸送を実施。7日未明には自走にて伊豆高原車両区へ到着したのち、伊豆急行により209系譲受が正式に発表されました。

その後は車両区内で4号車と5号車の一部箇所で汚れを落とす作業が行われたのち、25日終電後に伊豆急下田駅へ自走で移動・8月28日終電後に返却されています。JRと同様のATS-Pを採用しており、これまでのJR新形式の初入線も日中に行われていた伊豆急行ですが、ここまでの自走回送は全て深夜帯に線路閉鎖で実施されています。

9月にはモハ209,208-2117ユニットが帯剥離・一部部品撤去の上で伊豆高原車両区南側の短い側線に押し込まれたほか、11月23日にはC601編成のうち4両が新たに譲渡されています。

この元C601編成は到着後すぐに帯剥離と車体清掃がされており、伊豆急行60周年イベントの一環で12月11日に開催されている「209系(無塗装)車両撮影会」にて展示されています。

編成から外された旧:4号車,5号車

JR東日本でも同様の動きがあったように、京浜東北線からの転用時にトイレを中間電動車である2号車に設置しているこの形式では、編成短縮を行う場合はトイレ設備がない4号車と5号車を編成から外すことが合理的です。

伊豆急行でも既存車にトイレ設備が設けられており、JR東日本での編成短縮と同様にトイレ設備を維持したままの編成短縮が行われていたことが伺えます。

編成から外された2両がパンタグラフ撤去・仮台車への履き替えが行われていることからも、6両編成のままの購入は部品取りが目的であることが想像できます。

譲受後に本線上を走行した動きが終電後の線路閉鎖で行われていたことも、部品取り車両には車籍を入れないことが背景であれば納得できるところです。

C601編成の譲渡についても、幕張車両センターで4,5号車(モハ208-2101・モハ209-2101)が編成から外され、譲渡の対象外となっています。

形式名「3000系」に

12月11日のイベントでは、形式名が3000系であることが新たに発表されています。

JR東日本からの譲渡車両である113系・115系→200系の事例でも、クハ・モハ・クモハではなく数字で形式を区分していました。

今回の形式名が3000系とされた経緯こそ明らかにされていませんが、100系・200系の頭の文字の続きとしつつ、8000系と同様の4桁表記とした……といったところでしょうか。

現時点では詳細な車号・編成名は明らかにされておらず、2022年3月下旬までの車両整備の過程で明らかになりそうです。

現行の8000系が導入された時点では、下田方からクハ8001-モハ8101-モハ8201-クハ8011の4両編成で付番されており、この法則に近似したものが想像しやすいところです。

(下田側)1号車2号車3号車6号車→4号車部品取り
C609編成
→?編成
クハ208-2109
→クハ3***
モハ208-2118
→モハ3***
モハ209-2118
→モハ3***
クハ209-2109
→クハ3***
・モハ208-2117
・モハ209-2117
C601編成
→?編成
クハ208-2101
→クハ3***
モハ208-2102
→モハ3***
モハ209-2102
→モハ3***
クハ209-2101
→クハ3***
2両は譲渡対象外

8両固定運用?ワンマン化はせず?

現在の伊豆急の普通列車は、3両編成がワンマン運転・それ以外の6両編成やリゾート21(7両または8両)、特急列車などはツーマン運転とされています。

10時に発表されたイベントでの内容では「運転編成数 8両編成」といった表記をしていることから、4+4両で固定(またはそれに近い)運用が行われることが想像できる内容です。一方で、12時に発表されたリリース(外部リンク)では「4両編成×2編成」といった記述もあり、4両単独運用が完全に否定できるとも言いにくい抽象的な表現です。

伊豆高原での増解結を行わずに運用する場合は、ホーム有効長が7両となっている今井浜海岸駅で1両分のドアカットが発生することとなります。伊豆急行でのドアカットは同駅にリゾート21の8両編成が停車する事例・川奈駅に特急列車を臨時停車する事例(ゴルフ関連で4月ごろに実施:現在は設定なし)など時々行われていましたが、通常ダイヤ・所定編成での実施は久しく行われていません。

伊豆高原以北に留める運用構成で回避・(発表内容が曖昧な表現ですが)8000系同様に伊豆高原で分割・日常的なドアカットの3択で、どのような処置を行うのかが注目されます。

また、今回の3000系が8両編成とされており、単純に考えれば編成構成が近いリゾート21=2100系1編成の代替を想像する声も多く上がっていますが、リゾート21は定期検査を通過したばかりで、この際にはコンセント設置などの追加改造もされています。

車齢で考えても8000系と2100系は15年程度の違いがあるほか、最近は8000系の故障が頻発していること・既に次回検査順のTB-3編成が部品取り状態であることを考えると、3000系の導入目的は8000系2編成程度を部品取り目的で捻出することであることは確実な動向です。

今後の運用面を考える際に注目したい動きは、12月16日に実施される予定の運用変更です。

この運用変更では、8000系の朝晩運用の一部を2100系に代替しており、3両から7両・ワンマン運転からツーマン運転への変更と昨今の時流と逆行するものとされています。また、リゾート21では長らく行われていなかった“外泊”の復活もされています。

単純に考えれば、この1泊2日運用を2100系・3000系共通運用とすることで、ワンマン・ツーマンの違いによる乗務員采配の課題をクリアすることが想像できます。さらに効率的な運用を考えるのであれば早朝・夜間の運転体系を調整することで、現行以上に8000系の走行距離を抑えることができそうです。

一方で、伊東線停泊運用を8000系と3000系の共通運用・従来のリゾート21の2運用を2100系と8000系の共通運用とすることも考えられ、ドアカットを回避したいのであればこちらの方が自然にも思えます。

詳細な充当列車は現時点では断言できませんが、次回のダイヤ改正の発表で答え合わせが可能かと思いますので、続報に注目です。

参考:これまでの動き

譲渡対象とならなかった30両の動き

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