京阪電鉄の2020年の設備投資計画が明らかになり、本年度の主な設備投資の1つに13000系36両の新造が明記されています。
過去発表にて3000系プレミアムカーを新造で投入することが明らかにされているほか、5000系の置き換え完遂も見込まれますので、本年度の京阪電車は目立つ動きが続きそうです。
13000系を一気に投入・5000系淘汰か
新たに発表された設備投資計画では、13000系36両新造“など”と含みを持たせた発表がされています。
過去の発表を総合すると、5000系は2020年度の京橋駅へのホームドア設置に向けて淘汰の前倒しをしていますので、この置き換え対象となる5000系残存車28両の代替分のほか、他形式の老朽車の代替も進められることとなりそうです。
一方で、この36両という中途半端な両数も興味深いところです。
このほか、3000系へのPREMIUM CAR(プレミアムカー)の連結も2021年1月とされており、「ほか」で濁されている部分はこの6両の製造を示唆している可能性が高そうです。
3000系へのPREMIUM CAR連結を巡る動き
中之島線開業にあわせた快速急行を中心に活躍する新型車両として開発された3000系ですが、中之島線の利用者が期待を下回るものとなったことから早々に本線系統で活躍しています。
クロスシート3扉の8両6編成で8000系とともに特急運用を中心に使用されており、8000系で導入された着席サービス・PREMIUM CAR(プレミアムカー)の成功を受けて3000系にも導入が発表されています。
8000系では従来車両の改造とされた一方で、今回の3000系では新造車を採用。2020年度末に運行開始が発表されています。
新造とされた経緯は詳しく触れられていませんが、8000系では窓割の不一致があって“ハズレ席”が出来たこと、車内レイアウトが最適化出来なかったこと。そして、同世代設計の13000系が新造途中であり抜き取られた車両の転用が可能なこと……辺りが推測できます。
着席サービス車両を新造・在来車両は同世代の他形式へ転用をした例は、東急電鉄Q-SEAT用の6020系→2020系転用・6000系→5080系?(未出場)転用などが挙げられます(関連記事)。
編成組み替えという手間こそ発生するものの、改造車特有の内装レイアウト課題・運用離脱期間の調整などが簡易化できることなどメリットが大きいのでしょうか。
組み換え前後の動きはどうなる?
京阪では久しく6両編成の列車が設定されてこなかったものの、最近になって新たに6両編成停車目標などが整備されており、何らかの理由により6両編成の運行が計画されていることと考えられます。
その一方で、13000系は登場時より4両・4+4両・7両・8両と柔軟な活躍をしており、13000系の導入体系・今後の車両の動きは何パターンも考えられます。
やはり大方の予想は新造〜組み替え改造期間中の一時的な減車でしょうか。
8000系のプレミアムカー改造についても、対象車両のみを外した7両編成化をして通常運用に充当していましたので、同様の対応をすると考えるのが一番納得のいくところです。
ただし、中長期的に6両編成の運行をする動きとなる場合は、京阪電車の近年の傾向などからの予想が一気に難しくなります。
このほか、京阪では以前より、7両2編成を活用して4両編成・8両編成(抜き取られた2両を休車)として運用する事例が度々発生しています。
5000系の置き換え対象となる7両4編成はそのまま導入しつつ、あとは4両編成2本か8両編成を導入。3000系転用改造車両の組み込みは翌年度に持ち越し……という可能性も捨てきれません。
大方の予想通り一時的なものとなるか、はたまた6両編成の運行が本格化するのか。転用車両の行方はどうなるのか。
出場車両の付番などがヒントとなるほか、ダイヤ・運用の変化があれば何らかの正式発表もあるかと思いますので、今後の動向を見守りたいところですね。
参考:年度別の13000系新造状況
4両編成 | 7両編成 | |
2011年度 | 13001F | |
2012年度 | 13002F-13005F | |
2014年度 | 13006F | 13021F,13022F |
2016年度 | 13007F | 13023F-13025F |
2018年度 | 13026F-13027F |
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参考文献
京阪電気鉄道ニュースリリースより
株主総会招集通知 設備投資欄
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