【大盤振る舞い】京王電鉄YouTubeでDAX検測行路を掲載!? 2024年ダイヤ

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「ドクターイエロー」のような営業列車速度で運行される検測車両はJR在来線のほか、大手私鉄の一部事業者でも所有・運用されています。

関東では東急電鉄・京王電鉄・小田急電鉄・相模鉄道がこれに該当し、JRと同様に運転日・時刻はある程度の規則性が感じられる内容ながら公式では運転日・時刻等の明言は避けられていました。

ところが、京王電鉄が10月4日に公開したYouTube動画では、運転経路・列車番号・大まかな時刻が読み取れる、ファンには嬉しい内容となっています。

京王電鉄の総合検測車“DAX”

京王電鉄では、架線・軌道の総合検測車としてクヤ900形“DAX”を所有しており、牽引用のデヤ901・デヤ902形と機材運搬用貨車サヤ912形と連結した4両編成で活躍しています。

落成当初は京王6000系改造の電動貨車とペアを組み、後年に牽引車が新造されてペアが変更された経緯は、東急電鉄“TOQ i”に似た関係性を有します。

同業他社で運転されている総合検測車と同様に営業列車の運転速度で軌道と架線の点検を検測し、そのデータを基に保守に役立てる体系となっています。

一般に各社とも、運転日・時刻は非公表としつつも、検測データ取得条件や乗務員・検修職員の勤務体系などの都合からダイヤはパターン化されており、ある程度の推測が出来るものとなっていました。

京王電鉄の場合、2日間で井の頭線を除く1,372mmの京王線各線を一巡するダイヤが組まれており、登場以後の運転実績から、概ね偶数月の初めの平日に通常の検測が実施されています。

2024年3月改正から記事公開までの運転実績は下記の通りです。

A:4/3(水)・6/5 (水)・8/6(火)・10/3(木)

B:4/2(火)・6/4(火)・8/8(木)・10/2(水)

土休日に運転される小田急電鉄の検測や、早朝や夕夜間にも走るJR各社の検測と比較すると、多くの学生・社会人層にとって見学・撮影の難易度はやや高めとなっています。

また、連続した日程とは限らない点や、必ずしもA→Bの順とは限らない点など、いざ狙おうとするとなかなか難易度が高い点も沿線外のファンにとっては悩ましい存在です。

他社の検測車両と同様に検測車自体の試験目的で通常検測外に走行する機会もあり、京王電鉄の場合は機器載せ替え等を実施した後に連日のように走り込む事例を見聞きします。

運転経路・時刻を見る

7月には、本動画の撮影目的と推測される臨時回送が目撃されていました

4日に公開された「【超レア】総合高速検測車DAXを徹底解剖!【京王電鉄お仕事密着シリーズ】」(YouTubeリンク)9分40秒ごろ〜では、「検測日時」と記されたそのデータの録画開始時刻と推定出来る時刻と、パターンダイヤの運転区間が一覧で掲載されています。

【A検測 / A日程】

10:01〜 9901A 高幡不動#5〜京王八王子#2

10:20〜 9900A 京王八王子#2〜新宿#3

11:34〜 9903A 新宿#3〜調布〜京王多摩セ

12:17〜 9902A 京王多摩セ#4〜若葉台

(動画内で記載なし 9905A 若葉台〜橋本#2)

13:39〜 9904A 橋本#2〜調布〜つつじケ丘

14:37〜 9907A つつじヶ丘#2〜高幡不動#2

15:10〜 9907A 高幡不動#2〜多摩動物#1

15:19〜 9906A 多摩動物#1〜高幡不動

【B検測 / B日程】

10:31〜 9900B 高幡不動#4〜東府中#2

10:47〜 9901B 東府中#2〜府中競馬正門前

10:58〜 9902B 府中競馬正門前〜東府中#2

11:03〜 9903B 東府中#2〜府中競馬正門前

11:12〜 9904B 府中競馬正門前〜東府中

11:28〜 9905B 東府中〜北野〜高尾山口

12:06〜 9906B 高尾山口〜北野〜高幡不動

13:22〜 9908B 高幡不動#5〜笹塚

14:31〜 9910B 笹塚#3〜新線新宿#5

14:38〜 9907B 新線新宿#5〜高幡不動

2024年3月改正においても運転経路こそ同一ながら、運転時刻の変更が加わっていました。

運転日については触れられていないものの、今回は最新ダイヤでの列車番号・大まかな運転時刻が明らかになり、これまでの断片的な目撃情報とも合致する内容で、今後狙って撮影・見学をする際はこれらを参考にして探すことが出来そうです。

途中駅での通過待ちなどのより詳細な時刻は、ネット上に散らばっている断片的な目撃情報から詰められるはずです。

公式では非公表の情報を断片的な目撃情報等から推測する話題は当サイトでもよく扱っていますが、せっかく公式で示してくれたものを鮮度がいい状態でより詳細に詰めるのも無粋ですので、あとは読者の皆さまの推測に期待します。

その他の点にも注目

この京王電鉄のYouTubeチャンネルでは、過去にも構内運転士特集のなかでベールに包まれていた京王の運用番号・定期回送の列車番号を堂々と写しているなど、京王れーるらんどの運営・多岐に渡るグッズ展開といったファン想い溢れる京王電鉄らしい内容となっています。

今回はこれまで一般利用者・ライト層にとって見学・撮影ハードルの高かった検測車“DAX”の大まかな運転パターンを示してくれましたので、今後は注目度が少し上がりそうです。

公式動画で躊躇なく公開している点は特筆される一方で、京王電鉄のファンにとっては既にある程度の法則性が知られており目新しさのある情報ではないとも言える内容ですが、動画内ではその他の貴重な資料も躊躇なく見せてくれています。

特に、他社であればモザイクを掛けるであろう、実際に走行して取得した検測データをどのように解析しているのかといった専門性の高い解説もされており、鉄道趣味者どころか同業他社や関連事業者で働く職員にとっても担当業務外の見識を深められる非常に詳しい内容となっています。

筆者も測定項目がどういったものかの断片的な知識はあっても、具体的なトロリ線の摩耗などの各点検項目の測定手法・技術までは理解しきれていなかったので、とても勉強になる内容でした。

鉄道事業者に就職しても業界の全方面の知識を会得できないと言われるなか、再生回数が期待出来る検測車をクローズアップしつつ、運輸部署と比較すると脚光が当たりにくい電気・保線系の部署にフォーカスを当てた動画を視聴させる広報戦略はお見事です。

京王電鉄のYouTubeチャンネルは同業他社と比較しても素材・編集ともにレベルが高く(映像制作会社に依頼?)、新型2000系の紹介動画で最後にサカバンバスピスを交えたり、過去にはお堅く閉鎖していたコメント欄も解放したりと、今どきのメディア戦略がしっかり組まれていて好印象です。

「お仕事密着シリーズ」は過去回も好評で、これらの動画は社外の映像制作会社も携わって動画撮影をしていることが推測出来るもので、今回の撮影トピックもテレビ業界からのアイデアでしょうか。

この撮影は7月にそれらしき列車が目撃されており(動画内の回送表示で運行された、通常パターンと比較して短区間の検測列車)、この際に目撃された半ズボンのカメラクルーは過去の同シリーズでも動画に映り込んでいました。

ショート動画がバズっている鉄道事業者公式チャンネルも同社くらいでしょうし、映像のプロと鉄道のプロが届ける同シリーズの今後の動画配信にも期待したいところです。

Special Thanks

記事内掲載写真は、本記事で紹介した動画撮影のための臨時回送と推定される列車のお写真を撮影されていた、カガヤキ_星詠み様(X @KEIO7030F)に掲載許諾をいただいています。

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