
京成電鉄では現在、新型3200形の導入が進められており、長らく使用されてきた既存車両の置き換えが積極的に進められています。
現在発表されている3200形による2027年度末までの代替対象とともに、その後の代替が想定されていそうな車両の今後について考えます。
全貌が見えぬ3200形の代替対象

京成電鉄では2024年度より新型通勤形車両の3200形の導入が進められており、2024年度に第一陣6両が落成したのち、経営計画では2027年度末までに90両が増備され96両体制となる見通しです。
3200形が4両・6両・8両が構成可能な車両であり、更に2026年度増備車両は松戸線対応準備と推定される動きがあるなど、どのような順序で置き換えが進められるのか注目されています。
ファンにとっては3500形以来の“京成電鉄らしい”車両構成が嬉しい一方で、個性豊かな既存車両たちが活躍を終えそうな動向です。
3400形

初代「スカイライナー」の走行機器を流用して8両編成5本が新造された3400形。
3700形に準拠した外観ながら、古めかしい走行音と優等車両譲りの癖がある走行性能、新京成電鉄出身車両を除いて最後の鋼製車両となっているなどファン人気の高い車両です。
ラストナンバーの3748編成1本だけが活躍している状態が続いているものの、現在も都営浅草線・京急線への直通運転に使用されており、幅広いエリアでその勇姿を拝むことが可能です。
運用範囲が広いため、遭遇することが難しい車両ともなっています。
京成電鉄は近年、老朽化した少数形式をイベント活用という表向きの理由や、廃車車両から部品確保が出来るなどの背景的な事情からか積極的に残している傾向があります。
とはいえ、少なくとも3200形の置き換え対象には含まれていると考えて間違いなさそうです。
3500形

京成3500形は96両が投入されたセミステンレス車両で、一部が大規模なリニューアル工事を受けて現在も使用されています。半世紀以上前の京成電鉄では4両・6両・8両の組み替えが容易な車両が長らく使用されており、そのDNAを現代まで引き継いでいるのがこの3500形です。
3200形が同様の設計とされたのも、長らく続いていた固定編成の投入では3500形の淘汰が難しかった事情が十二分に想像されます。
一方で、現代ではワンマン運転対応可否・無線装置の更新といった事情で使用可能な運転台が決まっている制約が生まれており、編成組み替えが容易というメリットは既に置き換え順序の検討のみに活用されているような状態です。
これまで3200形により代替されたと考えられる車両も全て3500形であり、先述のように意図があって少数が短期的に残されることはあれど、2026年度投入の3200形により更に数を減らしそうです。
3600形

京成3600形は6両編成9本が新造されたのち、編成組み替えを実施し8両編成6本と6両編成1本として長らく運用されてきました。
8両編成となった大勢の置き換えが進行したものの、6両編成から8両編成にする組み替え時に余剰となった寄せ集めの先頭車4両を改造した3668編成4両が芝山鉄道リース車両として活用されているほか、8両編成から6両編成に戻されている3688編成6両が残存しています。
前者は2026年度に芝山鉄道へのリースがされたばかりで、少しばかりの継続運用が約束されたとも考えられます。
一方の登場当初のファイヤーオレンジカラーにリバイバルされている3688編成については、もはや脱線事故による3700形の廃車が発生していなければ残存していなかったとも考えられる状態ですので、時間の問題と言えそうです。
8800形 機器更新未施工車

新京成電鉄時代に8両編成12本が新造され、6両編成16本に組み換えられた8800形。
新京成時代から千葉線直通に非対応の編成や機器更新工事の対象から外された編成が存在しており、一部車両が80000形に代替され廃車となっており、現在12編成が活躍中です。
16編成中9編成がリニューアルの対象とされていたものの、2020年代には当時他社でも影響があった半導体不足の煽りを受けてか、内装のみリニューアルを受けて出場しており、今後の処遇で悩みそうな車両が発生しています。
のちに8806編成が内装も含めて機器更新を受け、10編成目としてリニューアル工事を受けています。
本来であれば9本が継続使用・7本が機器更新を受けず置き換え対象とシンプルな計画だったことが想像されますが、いずれの工事も受けておらず運用を続けている編成は3200形の置き換え対象と考えられます。
8900形

新京成電鉄時代に8両編成3本が新造され、中間付随車を廃車として6両編成3本が京成松戸線で使用されています。
この車両は新京成電鉄として最後となる独自の車体形状を採用しており、ファンの間で根強い人気を誇ります。
松戸線のアイドル的な存在ですが、新京成時代から千葉線直通運転に非対応となっており、運用上の制約を抱えている状態が続いています。
これに加え、京成グループで唯一ボルスタレス台車を採用しているなど、機器構成としても独自色が強い車両で部品供給・メンテナンスコストに難があることが想像される車両です。
特に、主要な走行機器類は更新工事を受けているものの、これが8000形機器更新車の流用品でそれなりの経年となっている点も特筆されます。
新京成電鉄時代に頑なにリバイバルカラーを実施していないのも、もはや「引退時のリバイバルネタとして温存している」という邪推さえ思い浮かぶところです。
鉄道車両でありがちな、少数製造のファン人気が高い形式は短命に終わってしまう“美人薄命”シナリオが想像しやすい車両なこの車両。ファンにとってはある意味で最注目株とも言えそうです。
鍵は成田空港関連?中長期の動きを考える

京成電鉄の今後を巡っては、最近の国土交通省航空局が示した「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」の構想が大きく影響を与えそうです。
これらの計画では、通勤タイプの車両を使用する「アクセス特急」も増強が検討対象に入っており、現実的には日中時間帯においても現行の40分間隔から20分間隔とする動きが想像されます。
京成電鉄ではこれまでにも初代「アクセス特急」専用車であった3000形7次車(いわゆる3050形・3000形50番台)を本線用に転用した経歴があり、同様の動きがある場合は既存の3100形を本線転用し、別途新形式を「アクセス特急」専用車両とする動きが想像しやすいところです。
京成3700形

京成3700形は8両編成15本・6両編成2本が新造され、脱線事故関連で8両の廃車・他社リースで32両が別区分となり、現在は8両編成10本・6両編成2本の布陣で運用されています。
現在は初期に製造された3708,3718,3728編成の3本を飛ばし、3758編成から番号順に走行機器の更新工事が実施されています。
番号順が検査周期上の偶然である可能性を除却すると、どこかのタイミングで8両編成については7本の布陣とすることが想像されます。
先述の通り、将来的な2030年代に成田空港アクセスが拡充される際に、3100形を本線転用する状況下では、3700形が代替対象となる経年に差し掛かります。
偶然にしては都合が良すぎる展開で、「アクセス特急増発時に新形式を投入・3100形を本線転用・同時期に代替時期に差し掛かる3700形機器更新車を代替」……といった将来像を描いているのかもしれません。
もはや国策が絡み自社単独で時期が見込めず前後する可能性があり、とりあえずその時期が数年程度前後しても大丈夫なよう計画されているとも考えられます。

これらの予想が合致していたとしても、2編成という小所帯で普通・快速運用に充当されている3828,3838編成がどちらの道を歩むのかは注目ポイントとなりそうです。
京成電鉄では過去にも一度目の脱線事故車両を6両に縮めたのち、その編成を別の8両編成の脱線事故車両補填に回す……といったトリッキーな解決を図った経歴もあるため、6両編成2本を8両編成1本に纏めつつ残存車両のみ機器更新するような意外な動きもあり得るところです。
北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道各形式

先述の過程では京成電鉄としての3700形の将来像は予想できる一方で、これだけでは同経年の北総7300形2編成と9100形3編成・京成電鉄からリースしている北総7800形4編成と千葉ニュータウン鉄道9800形の処遇について不明瞭なままです。
まずはこれらの車両が京成電鉄所属車両と同様の機器更新工事対象となるのか否かが1つのターニングポイントとなりそうです。
京成電鉄と各社間ではこれまでもリース車両を交換する動き・北総鉄道や千葉ニュータウン鉄道の自社保有車両代替をリース車両で賄う動きなど様々なパターンがありましたので、単純な置き換え以外も十分に考えらます。
京成電鉄側としては、自社3700形と同一に扱える7300形・7800形・9800形は自社3700形とほぼ同等にメンテナンスが可能であることは大きな要素です。
これらの機器更新未施工車両を代替するためだけに自社の機器更新工事施工済みの3700形を捻出・代替新車両を投入するとは考えにくく、リース車両の交換などの動きはあれど同様に機器更新工事を受ける前提で考えて間違いなさそうです。
一方で、車体形状などの取り扱いが異なる千葉ニュータウン鉄道の9100形については予想が難しいところです。
走行機器類こそ3700形に準拠しているものの、独自設計の上回りが部品確保などのメンテナンスコストとして課題となることも考えられます。
目立つところでは屋根上に搭載されている集中式の冷房機は2基分散の3700形グループ車両と異なるほか、破損リスクの大きい扉類などの内装品で独自の部材を多数使用しています。
先述の8900形が走行機器類すら異なることと比較すれば軽微にも思えますが、少なくとも3700形とほぼ同一に見做せる各形式と比較すればデメリットが多数挙げられます。
ファンとしては90年代の流行りを多数取り入れた個性豊かな9100形にも同時期まで活躍を期待したいですが、必ずしも明るい未来だけが待っているとは言い難い状態です。









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