【進む標準化】元・新京成N800形・80000形に京成通勤色が登場

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新京成電鉄が2025年4月1日に京成電鉄に吸収合併されて以降、「京成松戸線」となり使用車両の外観にも変化が生じています。

8800形に続き、6月25日には80000形80026編成が京成通勤車カラーに改められて運用に復帰したほか、合併前に入場していたN800形N818編成がくぬぎ山車両基地での検査とともに京成通勤車カラーとなり、7月4日に試運転が実施されています。

続く塗色変更

塗装変更1本目となった8800形8807編成

新京成電鉄は2025年4月1日に京成電鉄に吸収合併され、新京成線は「京成松戸線」となりました。

使用車両や運転体系は合併前後で新京成電鉄ロゴマークが削除された以外の変化は少なかったものの、5月23日に8800形に京成カラーとなった車両が登場しました。

2025年3月からくぬぎ山車両基地にて定期検査(重要部検査)が施工されていたN800形N818編成に加え、検査周期外ながら80000形80026編成で旧来のジェントルピンク帯の剥離作業が目撃されており、動向が注目されていました。

8800形の新旧離合

N800形の試運転を見る

今回、N800形として最初の京成通勤色化が実施されたのは、くぬぎ山車両基地に所属する京成電鉄N800形N818編成の6両で、5編成在籍しているN800形のトップナンバーです。

同編成は2025年3月に定期検査のために入場しており、オーバーホールを受けている状態で吸収合併を迎えていました。

カラーリングは京成3000形と同一なものとなっているものの、車号や内装、表記周りや前面直後の戸袋窓枠黒色といった新京成譲りの点も数多く残されています

第一印象こそ普遍的な京成電車となっていますが、逆に間違い探しの気持ちで差異を観察すると面白そうな車両となりました。

先に京成通勤車カラーとなった8800形・80000形の事例と同様に、京成電鉄が使用する3000番台への改番等は行われず、元番号のまま定期検査を通過しています。

新京成時代のジェントルピンクの車号プレートを残置しつつ、ホームドア設置後に車号が見やすくなるよう側面上部にも追加で記載が入っている点は先に塗色変更された両形式と同様です。

新京成時代の内装を引き継いでいる点も他形式と同様ですが、同編成は検査に併せて車内案内表示器の更新も行われている模様です。

京成電鉄生え抜き車両の「試運転」表示は種別部分空白・行先部分に試運転の文字があるので、表示器をフルで活用した試運転表示は新京成出身車両特有の仕様です。

前面車号の切り抜き(風)文字についてもそれぞれ「N811」「N818」となっており、新京成時代と同様に編成番号ではなく車両番号がレタリングされています。

3000形が5桁表記・N800形がNを含めて4桁の表記といった違いに起因するものと推測できますが、同一編成上下で異なる番号が見られる点は3000形と異なる点の1つとなりました。

京成電鉄では5桁番号を採用する前の3700形以前・回帰後の3200形でしか見られませんので、ファンにとっては撮影をする際に嬉しいポイントとなりました。

出場試運転を待つN818編成 7/3撮影

80000形は大規模検査外で帯変更

京成色の80000形1本目となった80026編成

これまでの8800形8807編成・N800形N818編成は定期検査と同時にカラーリングの変更が実施されていますが、新京成最後の形式である80000形では検査時期外で20日程度運用から外れる形でカラーリングの変更が開始されました。

5編成が在籍する80000形のうち80026編成が帯色変更を済ませ、6月25日朝より営業運転に復帰しています。

設計時から想定されていただろう外観、とても似合っていてカッコいい

80000形については最新鋭の3200形と同様の塗り分けとなっています。

80000形と同じ車体形状を有する3100形は成田スカイアクセス線専用のカラーリング・車号に3150番台が付与された車両のみで製造が打ち切られてしまったため、奇しくも設計・デザイン段階で想定されていたであろう3100形0番台の“リアルウソ電”が登場することとなりました。

現時点では新京成時代譲りのデジタル無線装置などの都合から共通化には至っていませんが、まだ車齢の浅い車両ゆえに将来的な運用範囲拡大にも期待が持てそうです。

因果は不明ながら、ラストナンバーの80056編成も休車状態となっており、今後は定期検査外のタイミングでもカラーリング変更が実施され、検査周期より早いペースで京成通勤標準カラー化が進行するかもしれません。

京成電鉄では、3000形7次車(いわゆる3050番台・3050形)を水色から一旦オレンジにしたのち数年で標準色化して転用した事例があったばかりで、ブランディングの観点から作業が追いつく範囲で順序カラー変更が柔軟に進められても不思議ではありません。

特に京成電鉄の一員として長く活躍が期待されるN800形・80000形おいては、検査周期であろう3〜4年後まで残らない可能性もある状況となっており、ジェントルピンクを纏った両形式の記録はもちろん、過渡期ならではの新旧カラー離合や並びなどは早めに記録しておいた方がよさそうです。

運用離脱中の80056編成

みんなの大本命?8900形に期待

ゲーミング新京成?派手なラッピングのまま吸収合併を迎えた8928編成

新京成電鉄から編入された車両は4形式で、今回のN800形のカラー変更により4形式中3形式で完成後の姿が明らかになりました。

残された8900形についても、どのようなデザインで京成通勤車の“仲間入り”を果たすのかが注目されます。

ファンの期待が集まる一方で、最近発表された3200形の製造計画の多さから、8900形の今後について心配する声も多く聞かれます。

新京成電鉄として最後のオリジナルな外観の車両ゆえにファンからの人気も熱く、新京成としての末期に8800形とN800形で実現したリバイバルカラーも登場していない状況・登場時カラーが京成カラーに近かったゆえに、合併の今リバイバルが熱望されている車両です。

一方で、8900形は京成千葉線への直通が非対応のままとなっているほか、全廃された8000形が機器更新時に搭載した機器を流用した機器更新工事も実施されるなど、扱い勝手だけで見れば8800形のリニューアル対象外編成に次ぐ置き換え対象にも見える状態です。

3700形でリニューアルが進んでいますが、それより前にリニューアルが行われて年数が経過した異端車両……というコンディションで、今後が気になる車両です。

このまま順調に行けば少数製造に留まった人気車両特有の薄命に終わりそうな未来しか想像できませんが、せめてデビュー時の大きいSが前面に描かれた外観の復元をぜひ実現してほしいところです。

やっぱり目を惹くリバイバル編成

京成千葉線直通対応帯に復元された8808編成

現在もなお新京成末期のジェントルピンクの電車が主力ですが、これに混じって8800形2編成・N800形1編成で新京成で過去に採用されていたマルーン帯で活躍しています。

いずれも2024年以降の新京成電鉄吸収合併公表後に実現したもので、単純にカラーリング変更の優先順位としては一番最後となりそうです。

特に、8800形については先述の通り外板塗装を伴うものですので、定期検査までは安泰となりそうです。

登場時のカラーリングに復元されたN838編成。5月まで京成合併記念ヘッドマーク掲出も。

8800形・N800形ともに京成千葉線直通対応車であるゆえ、撮影ポイントに戻ってくるまで時間が掛かる運用もあるほか、新京成時代からくぬぎ山車両基地所属編成は朝ラッシュ限定運用の割合が高めとなっています。早めに記録しておいた方がいいことだけは間違いありません。

京成色・新京成色・リバイバル色と多彩な今、京成松戸線の全てが被写体という最高のコンディションと言えるかもしれません。

登場時のカラーリングに復元された8813編成

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