【京成電鉄】開業10周年の成田スカイアクセス線に3500形が試運転で入線

スポンサーリンク

2020年7月17日に開業10周年を迎え、ヘッドマーク掲出などの記念イベントや3100形4編成体制など盛り上がりを見せている成田スカイアクセス線。

様々な話題を集めている最中、7月19日深夜(20日未明)に3500形が2+4+2の8両編成にて成田スカイアクセス線を初走行しています。

スカイアクセス線の車両変遷・3500形の近年の動向を振り返りつつ、今回の試運転の経緯を考えます。

成田スカイアクセス線の車両変遷

2010年7月17日に開業した成田スカイアクセス線では、3000形7次車=いわゆる3050形が6編成製造され、6運用設けられたアクセス特急専用車として運用されていました。

京成車は6編成配置6運用という体制となったため、京成車では開業当時は唯一の8両編成だった3001編成・同様にブレーキ増圧改造を施した3700形が検査時・ダイヤ乱れ時にアクセス特急で使用可能な車両となっています。

一方で、在来車の3400形・3500形・3600形は120km/h運転非対応となっているため、アクセス特急としての運用対象からは外されています

2013年以降には3000形8両編成が大幅に増加したため、代走も3000形が実施する場合がほとんどとなりました。

2019年11月30日より、成田スカイアクセス線に新形式・3100形が投入されてからは7編成配置6運用状態となっており、代走自体が珍しいものとなっています。

大規模更新で長生きする3500形も活躍場所は減少中……

今回話題となっている3500形は、京成電鉄としては初めてのセミステンレス車・冷房車として4両24編成=96両が製造された形式です。先頭車+中間車のユニット構成で、4両・6両・8両と柔軟な編成組成が可能な点がこの形式の強みとなっています。

1996年から2001年まで3556までの56両が大規模な更新工事を施した一方で、そのコスト高からそれ以降の後期車は未更新のまま置き換えられています。

この56両は更新工事に併せて先頭台車の電動車化が実施され、京急線乗り入れ運用も可能となって幅広い活躍を続けてきました。

2010年の成田スカイアクセス開業以降、アクセス特急運用に入ることのない3500形については本線系統・地下鉄直通運用などでしばらく活躍を続けていました。

2013年以降の3000形8両編成の増備再開と3300形・3500形未更新車代替のために6両・4両での運用に徐々にシフト。2015年を以て突発的な代走を除いて8両編成での走行自体が見納めとなっています。

都営浅草線の6両編成運用自体が消滅してしまったため、事実上京成線内のみでしか見ることが出来ない状態が続いていました。

3500形が入線確認をした経緯は?

先述のように、120km/h運転非対応・成田スカイアクセス用編成は予備車増加がされていることなどを踏まえると、アクセス特急としての使用を想定したものではなさそうです。

更に、そもそも3500形が8両編成で走行する機会自体が無くなって久しい状態であり、8両編成の消滅とともに都営浅草線・京急線への乗り入れ自体も見納めとなっています。同系統最後のツーハンドル車であることを踏まえると、復活も難しそうです。

以上の近年の京成電鉄の動向を総合すると、最も考えられるのはファン向けのイベント列車・ツアー列車としての運行でしょうか。

京成線・北総線では、以前より“ほくそう春まつり”などの鉄道イベントで、ファンに嬉しいイレギュラーな車両・経路で臨時列車を走らせてきました。

最近でもAE形を使用した京成トラベルサービス主催のツアーが6月・7月と相次いで設定されており、今回も何らかのツアーもしくはイベント列車での使用を想定している可能性が高いと言えそうです。

このほかにも水面下で動きが進行中!?

現在、3600形の3688編成が8両編成から6両編成に改められ、登場時のファイヤーオレンジ単色帯に変更されて検査を受けている姿が目撃されています。

この旧カラーでデビューした頃の3600形は6両編成でしたので、新型車両として製造された頃と同様の姿となります。

京成電鉄は以前よりファンに嬉しいリバイバルなどに積極的で、かつては鋼鉄車の3290形・3300形の引退前にリバイバルカラーを施して人気を集めていました。

10年前に社運を懸けて大規模投資をした京成電鉄。昨今の空港利用の大幅な低迷は他の大手私鉄以上に大きな打撃を受けていることは想像に難くありません。

最近でも創立111周年(6月30日)・成田スカイアクセス開業10周年(7月17日)とイベントが頻発していますが、増収策の一環としてファンの期待以上のイベントを全力で実施してくれるのであれば、どんどん応援したいところです。

3500形・3600形ともに今後何らかの発表が出てくるかと思いますので、今後のリリースを楽しみにしたいですね。

関連記事はこちら

画像元ツイート紹介

今回のお写真は、試運転を撮影されたフォロワーのたまごパイ様(@eggpie1029)より許可を頂いて掲載しています。

コメント