【試乗会実施】まるで阪急電車?近鉄20000系「楽」リニューアル車が登場

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沿線に数多くの有名観光地を有する近畿日本鉄道には私鉄では珍しい団体専用車両があります。

近鉄の団体専用車両の代表的存在で、ビスタカーの歴史も継承する車両が、近鉄20000系「楽」です。

2020年8月にリニューアル工事が終了し、内外装ともに大きな変貌をとげました。

近鉄20000系「楽」とは

近鉄20000系は団体専用列車のため、いつでも気軽に乗れる列車ではありません。1990年に1編成(4両編成)がデビューし、「楽」という愛称が付けられました。

この「楽」という愛称は4つのコンセプトの頭文字(RAKU)から成り立っています。4つのコンセプトは以下のとおりです。

Romantic Journey ロマンチックな旅行

Artistic Sophistication 芸術的に洗練されたデザイン

Kind Hospitality 親切なもてなし

Unbelievable 驚きのまなざしと性能

現在から考えると、バブル時代に生まれた列車にふさわしいコンセプトと愛称だと思います。

各車両の片側1ヵ所にドアがあります。先頭車は2階建て、中間車はハイデッカー構造となり、車両寸法ギリギリまで拡大しています。また各車両には眺望が楽しめるように大型窓が設置されました。

デビュー時の塗装は上半分がレモンイエロー、下半分はパールホワイトで、間にはグレー帯が入っていました。各車両には書家による「楽」のマークがありました。

走行機器は従来からの抵抗制御を採用し、ブレーキは電磁直通式で抑速・発電ブレーキが備わっています。営業最高時速は時速120キロとなり、性能的には他の近鉄特急車両とあまり変わりません。

20000系は大阪線に所属していますが、名古屋線や奈良線にも出張。また「楽」を使った一般向けオリジナル旅客ツアーも行われており、2015年には営業開始25周年を祝うツアーが行われました。

「漆メタリック」の20000系は阪急電鉄にそっくり?

8月21日に大阪上本町駅~近鉄名古屋駅間にて20000系を使った臨時列車が運行され、撮影のために大阪上本町駅に行きました。外装は漆を基にした「漆メタリック」を基調としており、「阪急電鉄のマルーン色、もしくは近鉄の旧塗装に似ているなあ」というのが正直な感想です。

また、種車時代からの構造ですが、写真などで見るよりも車高が高く感じます。

側面ではドア横にある「楽」が新ロゴマークになっていました。「漆メタリック」を基調としているため、リニューアル前と比較すると目立ちます。その他、「ICHIMATSU」(京都)、「SEIGAIHA」(大阪)、「TENPYO」(奈良)、「KANOKO」(名古屋)、「SHIMA」(伊勢志摩)を表した5種類の色柄アクセントがあります。

車内の様子は車外から撮影しました。両先頭車の運転室周辺にはフリースペース「楽 VISTAスポット」が設けられました。のんびりとくつろぎながら前面展望が楽しめそうですね。

先頭車両の連結部付近にはシックなサロン席があります。L字形のソファが置かれたリニューアル前のサロン室から大きく変わっています。家族連れに使いやすいレイアウトになったと思います。

階下には多目的部屋のようなフリースペースになり、中には6分割できる円形スツールがありました。さまざまな用途に使用できる部屋だと思います。

その他の座席シートの生地も5種類の色柄を配置したものに変わりました。観光列車らしく、とても華やかな雰囲気でした。なお中間車両の座席のシート間隔は91cmから121cmに拡大され、各座席にはコンセントが設置されました。中間車両には大型テーブルも設置されています。なお座席は転換クロスシートのままでリクライニングはしません。リニューアルは外装、車内が対象となり、制御機器は変わっていません。

今回のリニューアルにより、20000系の定員は1号車・4号車が各34名、2号車・3号車が各48名、4両編成全体の定員は計164名になりました。ただし、昨今の社会情勢を考えると、定員を減らした上で運行される可能性が高いと思います。

9月5日には20000系を使った有料撮影会が行われますが、8月21日夜に確認したところ、予約は締め切っていました。

リニューアル後の20000系は修学旅行などの団体旅行での貸切、同車を用いた近鉄や旅行会社の企画ツアーに申し込むことで乗車できます。運賃は普通運賃に加え、「楽」乗車料金として大人400円、子ども200円(距離に関わらず均一料金)を支払う必要があります。

今後の近鉄団体有料列車のゆくえは

20000系はリニューアルされたことから、今後も活躍を続けることでしょう。

気になるところは他の団体有料列車です。8月上旬に高安車庫を訪れましたが、クラブツーリズム用の団体専用車両・15400系「かぎろひ」の窓には「休車」と思われる札が貼られていました。

昨今の社会情勢を考えると、15400系「かぎろひ」を廃車にし、20000系「楽」をクラブツーリズムのツアー旅行に使用する……といった動きも考えられます。

一方、15200系「あおぞらⅡ」は従来から修学旅行など多岐に渡る活躍を続けており、汎用団体有料列車として当分の間は活躍を続けるものと思われます。

ただし、現在の近鉄では、「ひのとり」増備による「アーバンライナーplus・next」の乙特急などへの転用が進んでいます。この一環で、在来特急車の余剰車で「あおぞらⅢ」を構成・既存の「あおぞらⅡ」を置き換える動きも考えられます。

今後も特急・団体車の再編は続きそうですが、ひとまず機会があればぜひ20000系に乗車したいですね。

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コメント

  1. より:

    「かぎろひ」を使ったクラブツーリズムのツアーは今後も予定されています。
    もう50年選手ですが、まだまだ活躍されることでしょう。