琴電【京急1000形リバイバル】運行開始!クラウドファンディングでの広告!?

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写真:ツナおじさん様(@KQautonomyIRON)

京急電鉄から高松琴平電鉄へ譲渡された京急1000形が製造からまもなく60周年を迎えます。

これを記念して、京急での活躍時代の塗装をリバイバルするクラウドファンディングにより実現しており、この塗装はあくまで広告としています。

経緯とともに、クラウドファンディングでの鉄道保存・支援について考えます。

「京急色復活」還暦の赤プロジェクト設立の経緯

1959年(昭和34年)の運行開始以来、半世紀以上の活躍をしていた京急の顔・初代1000形。

2010年(平成22年)に運行を終了してから、今年で9年目となります。

先頭車の一部が香川県・高松琴平電鉄に譲渡されて、丁寧な維持で登場から60年目に突入します。

譲渡された車両には分散冷房の初期車であるBグループも多く存在し、同社の丁寧な修繕もあって現在も元気に活躍しています。

そんなことでんでは路線ごとのカラーで車両を塗装しているため、登場時の外観とはどうしても異なるものとなっています。

60周年を記念し、懐かしい京急色を復活させてお祝いをしようというプロジェクトとして設立がされました。

還暦といえば赤いちゃんちゃんこといった赤に因むものが風習としてあることにかけた点も面白いところですが、特筆される点としては、あくまで鉄道会社への支援に重きをおいて、塗装は「広告」として行われていることでしょう。

これにより、地方私鉄であることでんへの支援が行われることとなる点がこのプロジェクトの魅力でしょう。

多くの反響もあり、プロジェクトは中盤苦しい動きを見せるものの、最後の1週間で驚異的な追い上げをみせ、3か月で758件・\15,963,000にて成立となりました。

その後さっそく実現に移り、2019年(平成30年)3月6日に運行開始となりました。

その後、3月10日には貸切運転も実施、ことでんロゴを隠した運行のほか、同日運転されていた115系湘南色団体臨時列車との離合も偶然実現しました。

ここは東海道線!?素敵な離合も実現
写真:ツナおじさん様(@KQautonomyIRON)

鉄道ファン×クラウドファンディングを考える

鉄道ファンにとってクラウドファンディングが最適な理由

日本全国だけでも、鉄道ファンは10万人以上といわれています。

全国的に鉄道車両保存は行われているものの、維持費用対効果は乏しいことが多く、特に屋外保存車両については経年劣化でその後解体という末路となる車両も少なくありません。

あくまでお金を産まないという状態は経営者視点としてはもったいない保存法かと思いますが、鉄道保存で収益を出している例はほとんどなく、あくまで会社の慈善事業か個人の趣味というケースがほとんどです。

そのようななかで、その車両・路線が好きなファンが失いたくない車両・景色に対して共同で少額出資をすることにより保存・維持が出来るクラウドファンディングは、鉄道会社にあまりお金を落とさないと言われがちな鉄道ファンにとって、最も適したシステムといえるでしょう。

京急電鉄による公告編成は、実車では存在しなかった京急の現代塗装。
こんな連結が実現したのも、このプロジェクトならでは。
写真:ツナおじさん様(@KQautonomyIRON)

でも「言い出しっぺ」は本当に大変

私は、今回のような趣味的な価値のある復元・保存などは全て鉄道ファンが出資する時代になってほしいと思っています。

しかしながら、クラウドファンディングの欠点として、「言い出しっぺ」となる発起人・プロジェクトチームはとても大変ということです。

やはり信頼を得るだけのプロフィールでなければなりませんし、特に鉄道系だと事業者との調整で何度も足を運ばなければなりません。

発起人はどうしても賛否を言われがちで、佐羽内氏の過去の言動などへの追及などもありましたが、やはり最も多かった希望は、ことでんロゴを目立たせないで欲しいというものです。

しかしながら、ことでんへの支援という色合いも強いこのプロジェクトでは、あくまでロゴは掲出するものの、貸切運転(団体列車)にて無しでの運転をするという機転で解決しています。

それらの批判の意見もあるうえで、関係各位との調整や広報活動など、多大な努力が求められます。

それらの手間を承知の上でこれだけのビックプロジェクトを成功させた発起人の存在は、趣味人としても両社にとっても素晴らしいことです。

近年増加してきたクラウドファンディング×鉄道

近年のクラウドファンディングの浸透により、鉄道車両の保存・復元・支援についていろいろな形で今後も支援することが出来る時代がすぐにやってくることでしょう。

最近ではいすみ鉄道のキハ52系保存について目標をはるかに超える支援が集まったほか、現在も24系客車を香川県内に保存移設するプロジェクトが進行しています。

鉄道車両の保存といえば、鉄道会社が高い税金を納めて慈善事業でやっているものがほとんどでした。

それぞれの形式・路線のファンが集まって、各地に車両保存館を作ったり、動態保存支援を鉄道会社にしたりというプロジェクトが一般化することを願って止みません。

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元ツイート紹介

今回はプロジェクトメンバーでもあるツナおじさん様から画像をご提供いただいております。

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