【5000系故障?】快速マリンライナーが223系モノクラス“ブツ6”にて代走

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岡山と高松を結ぶ快速マリンライナーでは、JR西日本の223系5000番台とJR四国の5000系が併結運転をする編成構成が基本となっています。

2020年10月29日、急遽223系5000番台を2・3編成繋げた、モノクラスの4・6両編成で代走が実施されて話題を集めています。

マリンライナーの珍編成は過去にもありましたが、今回の編成は初めてのパターンとなっています。

マリンライナー登場と二代目車両

1986年の瀬戸大橋開通・瀬戸大橋線(本四備讃線)開業とともに運転を行い、岡山と香川を高速走行する快速列車“マリンライナー”。

二代目車両として活躍するのはJR西日本の223系5000番台と、共通設計のJR四国5000系です。

JR四国が保有する5000系は3両編成で、223系設計の先頭電動車・中間付随車のほか、JR東日本のE217系の設計をベースとした二階建て車両が連結されている点が特徴的です。運転台側の平屋席・2階はグリーン車指定席、1階と中間車側平屋席は普通車指定席とされており、先代の着席サービスを継承しています。

このJR四国5000系は6編成が製造・運用されており、このうち先頭車の5100形は青基調赤基調のカラーリングと桃太郎をモチーフとした3種類のエンブレムの組み合わせで編成毎に唯一無二の形態となっています。

一方、JR西日本側は223系5000番台として、2両7編成を製造・運用しています。

5000系の指定席車両以外はほぼ同一となっているものの、JRマーク(四国車のみ水色)や排障器(スカートが西日本車両のみ強化改造済)など細部に違いがあります。

運用面では、早朝・深夜の利用が少ない時間帯のみ5000系や223系の単独運用ですが、それ以外は5000系を高松側・223系を岡山側に連結した5両編成が基本となっています。朝ラッシュ時には223系をもう1編成岡山側に連結し、7両編成での運転も行われています。

車両運用面では、長年に渡り5000系5運用・223系6運用(うち1運用は日中は入庫)となっており、両形式とも予備は1編成ずつとなっています。

今回の4両・6両代走

今回の代走は、5000系で突発的な車両故障があったことが発端の模様です。

朝一番のマリンライナー1号(所定223系2両)を223系P6+P2編成の4両で高松へ送り込み。

高松で夜間停泊を行なっていた223系P7編成を更につなげ、マリンライナー8号(所定5000系3両+223系2両+223系2両の7両)を全車普通車の6両編成で代走しました。

P2編成は本来のマリンライナー1号充当編成同様に岡山で解結されて同13号へ流れたほか、残されたP6+P7編成の4両が日中の5両編成の代わりを務めました。9-16-19-26-29-36-39-46-49-56-59号と、4両編成にて5往復半岡山と高松を往復しています。

最後にマリンライナー66号(所定5000系3両+223系2両)にて、交番検査等の整備をしていたとみられる5000系M4編成(故障編成とは別)がこの編成に加わって7両で岡山へ。折り返しの69号は所定通り5000系のみとなって代走劇に幕を下ろしました。

なお、同日朝には別編成でトイレ故障による遅延もあったようですが、今回の代走とは因果関係はなさそうです。

“珍編成”は過去にも

アーバンネットワークと異なり、同じ223系でありながらすぐに車両の貸し借りをすることが難しい瀬戸大橋線の車両。現在の車両体制となったのは2003年10月1日のことですが、それ以降も面白い編成・形式が使用されています。

有名なものとしては混雑対策で2000番台の中間付随車を連結していた時期があります。

2007年夏より、223系5000番台の中間に網干総合車両所から借り入れた2000番台を連結。5000系3両+223系3両の6両編成を中心に、早朝・深夜はそれぞれの単独運用、朝ラッシュ時は5000系3両+223系3両+223系3両の9両編成で運行されていました。この体制は2010年初めに解消されていますが、この2年半程度の間、両端の先頭車と中間電動車は岡山の片隅で放置……という、新車とは思えない扱いで話題となりました。

また、これと前後して、2007年初めにはP3編成のクモハ223-5003とP4編成のクモハ223-5004が、同年夏にはP1編成のクモハ223-5001が相次いで踏切事故の損傷修理で運用から離脱。

この際には223系2000番台の先頭電動車を連結し、P10編成・P11編成としてピンチヒッターを務めました。非貫通となるため、長編成の中間には入らないよう運用上の工夫がされていました。特にP11編成については先述の増結期間と重なり、2000番台2両と5000番台1両というイレギュラー編成となっていました。

一連の踏切事故の連続は当時のファンを困惑させましたが、特にP11編成と修繕後のP1編成では、方向幕も底を尽きたのか213系時代の白地マリンライナーイラストをしばらく掲げており、ファンから人気の編成となりました。

このほか、これらの暫定編成を組成するまでは213系・115系での早朝・深夜便に限った代走運転も実施されており、置き換えからわずか4年で“復活”となったことでも注目されました。

213系については、2009年に一度代走で高松入りをしているものの、その後は同様の動きは発生していません。2008年には公式で213系マリンライナーのリバイバル運行がありましたが、今後もこういった企画がない限りは入線することはなさそうです。

一方で、元々予備車が限られているこの路線の特性上、今後も223系・5000系同士の形式間での代走は考えられなくもありません。5000系のうちM1編成のみ高松方先頭車にも電気連結器が装備されていますので、223系側が突発的な故障で5000系に余裕があれば、今度は5000系重連の編成がみられるかもしれません。

今後も珍しい編成・イレギュラー運行を期待するファンの声もあるかと思いますが、なにぶん発端は車両不具合起因の代走。素直に喜べないところが残念です。

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画像元ツイート紹介

今回のお写真は、フォロワーのきざみ納豆さま(@kizaminatto_)より許可をいただいて掲載しています。

コメント

  1. より:

    車両不具合はバードストライクが原因です。
    JR公式webに1文字も記述がないのはいけませんね。