【N700S系量産車】東海道新幹線第六世代!J1編成が落成・浜松工場へ陸送

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2020年7月1日より東海道新幹線に第六世代となるN700S系がデビューします。

3月8日に700系が引退・3月14日からのぞみ12本ダイヤがスタートしますが、これを待たずにN700S系量産車が登場しました。

既に報道公開もされていますが、日本車輌製造豊川工場からJR東海浜松工場への輸送を記録してきました。

東海道新幹線世代交代とN700S系

2020年の大きなニュースとして、700系の引退・N700系への統一があります。

東海道新幹線の歴史としては、0系・100系・300系に続く第四世代である700系が役目を終え、第五世代となるN700系への統一という大きな節目となります。

これによってのぞみ号が最大で毎時12本走るという新ダイヤが構成されており、700系に比べて遥かに高いN700系列の加速性能・車体傾斜による曲線通過速度向上の威力を発揮できるようになります。

N700S系は、N700系のうち初期車の置き換えを主目的に製造されており、2020年7月1日から5編成が営業運転を始める予定です。

2007年にデビューしたN700系がわずか13年で代替開始……という点は早すぎるようにも思えますが、在来線車両に比べて負荷が大きい新幹線では15年程度のサイクルで置き換えるのが一般的です。

700系も300系淘汰直後に置き換えが始まったように、東海道・山陽新幹線では車両置き換えが途絶えることはなく、常に進化を続けています。

飛行機や自動車の代替ペースを考えれば、むしろ在来線鉄道車両が特殊とも言えそうですね。

既に確認試験車登場で各メディアにて報じられていますが、リニア中央新幹線開業後の編成短縮を見据えた構造となっているほか、利用者には嬉しい全席コンセント設置、その他様々な安全性・快適性の向上がされている車両です。

改良型・増備型という位置付けで登場したN700A系とは異なって、N700S系は完全なモデルチェンジ・新形式となっています。

N700系自体が非常に完成度が高かった車両ですので、N700S系の外観はN700系登場の頃に比べるとインパクトに欠ける形式です。

ただし、N700S系は走行系統などの“見えないところ”を多く改良している車両となっていますので、乗車した時の遮音・静音性などにも期待したいですね。

確認試験車から大差はなく……

N700S系投入にあたり、確認試験車としてN700S系J0編成が試運転・走り込みを続けていました。

このフィードバックを基に登場したのが、今回登場した量産車・J1編成です。

N700S系としてのポイントは確認試験車の製造時点で概ね完成しており、量産車では走行機器類などの試験結果をフィードバックしたものとなっています。

先代のN700系では先行試作車Z0編成が製造され、こちらでは喫煙ルームがなく喫煙車設定としての運用を想定しているなどの外観の違いがありましたが、今回は間違い探しのような極々小さな変化に留まっています。

各報道では、N700S系のロゴの色合いの変化(若干濃くなっているようですが、夜間に見ただけでは違いを感じませんでした)や、試験機器がないことによるスカート周りの変化を挙げていますが、先頭車を眺めた上でファン目線でのポイントとして、車体後部の静電アンテナに変化があります。

新幹線の“つの”とも呼ばれる静電アンテナは、確認試験車の2号車で試験搭載されていた丸みを帯びているものと類似または同一品でしょうか。

確認試験車では1,2号車・15,16号車で2種類のアンテナを搭載していた点がチャームポイントでしたので、印象を少し変えています。

今後は東海道・山陽新幹線ではこの形状が採用されるかと思いますが、独特な形状ですので、1つのチャームポイントとなりそうですね。

栄冠のトップナンバーと“40番台”

N700S系では、700系・N700系・N700S系と続く東海道新幹線シリーズ同様、形式番号には700が継続使用されているものの、2桁目を40番台とすることで区別されています(700系は10,20番台・従来のN700系列は70,80番台)。

これ自体はN700S系確認試験車で新たに付与されていたものですが、量産車についても継続採用となります。

この“40番台”については、100系の2階建て車両が使用していた由緒ある番号区分ですので、長年東海道新幹線を見守っていたファンからは懐かしむ声も聞かれました。

そして、東海道新幹線では長らく見ることが出来なかった、トップナンバーである“-1”が久々に復活したことが嬉しいポイントです。

現在活躍するN700A系では、製造時はN700系だったグループは“A”に機器更新する際に元番号に+2000をしています。

そのため、N700系のトップナンバーだったZ1編成は、X1編成となった際に-2001となっています。

N700A系として新造されたJR東海車両は1000番台となっていたため、純粋な1番を名乗る車両の登場はN700系量産車の落成以来、約13年ぶりの製造となります。

一般利用者には特に目立つポイントではないものの、ファン・鉄道史としては1番は好かれる傾向にあり、博物館などで保存されるのもトップナンバーか試作車……といった場合が多くなっています。

深夜の道路を移動する“陸送”も魅力

新幹線車両は規格が大きいこともあり、多くの鉄道車両で行われる“甲種輸送”ではなく、道路をトレーラーを使って輸送する陸路での搬入……“陸送”が一般的です。

在来線車両の多くが使用する甲種鉄道車両輸送では、貨物列車としてJRの線路を定番のダイヤで走ることから目撃情報も多いほか、大半が商業誌への掲載があることを考えると、この陸送は情報入手が困難な輸送です。

ただし、特に大きな荷物である鉄道車両の輸送では、幅・高さなどの制約が大きいため、所轄警察の認可が下りる道路は限られている……という都合上、特別な道路工事がない限りは大通りを深夜帯に走行する・狭い道路では交通規制をする……という体系が採られます。

誘導車の続行で走る変圧器などの特大貨物輸送なら見たことがある……という方もいらっしゃるかと思います。

東海道新幹線で使用される車両のうち、JR東海が保有する編成については、新幹線の定期検査をする浜松工場へ搬入されます。

JR東海の関連会社となった日本車輌製造がある豊川からは、豊橋で新幹線に乗り換えれば1駅。下道で移動しても1時間かからない距離を2時間以上かけてゆっくりと移動します。

日本車両製造から浜松工場への輸送はもはやお馴染みの経路、今回は前日にトレーラーへの積み替え作業を報道公開していたこともあり、“撮り鉄”層だけではなく、一般の地元の方・メディアなどの方が多く見受けられており、関心の高さが伺えました。

特に交差点を曲がるシーンが見どころで、荷物である新幹線車両だけで25mもあるトレーラーを超低速で動かすハンドル捌きもカッコいいと人気です。

鉄道撮影は陸送が一番好き!というコアなファンが一定数居るのも納得ですね。

一番撮影が容易なこの経路の新幹線輸送の場合は、車種を問わなければ同じ経路を連日走ることが多いので、お近くにお住まいの土地勘がある方は見学してみてはいかがでしょうか。

(経路自体は公開されていませんので、出発地・目的地周辺が人気です。筆者は静岡県民なので経路を把握していますが、安全の都合もあるので詳細経路の掲載は控えます。)

輸送の様子をYouTubeで公開!

今回の豊川〜浜松の深夜陸送の様子を、YouTubeにて公開しています。

交差点を全長25mの新幹線+トレーラーの長大車両が曲がる姿、量産車の細部、目の前を通過する迫力などを収録しています。

トレーラーのハンドル捌きもカッコいいので、ぜひご覧ください!

チャンネル登録・評価・コメントなどもお待ちしております。

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