【サステナ車両】小田急から西武へ!初陣の8000形8261編成が甲種輸送

スポンサーリンク

西武鉄道は2022年5月12日に「他社からの譲受車両」の導入を明らかにし、その後小田急8000形と東急電鉄9000系が選定されたことが示されました。

以前より最初の導入車両は2024年度の小田急8000形であることが示されており、1編成目となる8261×6(8261編成)が小田急電鉄を旅立ちました。

サステナ車両のこれまで

西武鉄道は以前より、「サステナ車両」として他社の車両譲受を行うことを明らかにしています。

この構想が最初に示されたのは、株式会社西武ホールディングスが2022年5月12日に公表した『2022年3月期 決算実績概況および「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の進捗』(外部リンク)のなかの記述で、「鉄道事業の強化策」の一環として「他社からの譲受車両」の導入を進めることで固定費削減を前倒しで実施する方針が示され、ファンの間で驚きの声が飛び交いました。

その後は2023年9月26日、『西武鉄道と東急電鉄・小田急電鉄「サステナ車両」を授受 各社連携して、SDGsへの貢献を加速してまいります』(外部リンク)として東急電鉄・小田急電鉄と連名にてサステナ車両」として東急電鉄9000系・小田急電鉄8000形を譲受することを公表しています。

2022年5月の発表当初は「無塗装車体、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両を当社独自の呼称として定義」とされていましたが、2023年の発表では「サステナ車両」は「他社から譲受したVVVFインバータ制御車両を西武鉄道独自の呼称として定義」とされています。

2023年の発表のなかで、最初の投入となるのは小田急8000形で2024年度に運行を開始することが示されていました。

輸送は鉄路にて

鉄道車両の輸送では貨物列車としてJR線を走行する甲種鉄道車両輸送(甲種輸送)、トレーラーによる陸路での輸送、遠距離の場合は船舶での輸送といった選択肢があります。今回の小田急電鉄から西武鉄道への車両譲渡では甲種輸送が選択されています。

小田急電鉄は従来から車両の搬入・搬出は、廃車解体を除き「ふじさん」(旧「あさぎり」)で使用される、JR松田駅への連絡線を介して実施されています。小田急側の新松田駅まで電気機関車にて入換をするため、小田急の乗務員の一部がEF65形の運転のためJR貨物に出向いて訓練をしていることも明かされています。

西武鉄道についても同様に、車両の搬入・搬出は廃車解体を除きJR新秋津駅への連絡線を介して実施されています。

これらの会社間での車両譲渡となったため、小田急8000形の車両輸送は鉄路が選定されるのは自然な流れと言えそうです。

もう1形式の譲渡元である東急電鉄も同じく鉄路での搬出・搬入を基本としていますので、次年度以降に長津田駅を介して甲種輸送が実施されるものと考えられます。

輸送の様子を見る

今回の輸送は、海老名検車区から新松田駅まで小田急8000形8257×6(8257F)が、新松田駅以降はJR貨物 新鶴見機関区所属のEF65形2074号機が、西武線内は西武新101系263Fが牽引しています。

5月19日 海老名→新松田→沼津→川崎貨物

小田急電鉄職員とファンが見守るなか、海老名からの牽引編成12両が新松田駅にやってきました。

小田急線内の車両牽引は長らく1000形の未リニューアル車が使用されていましたが、彼ら無き今は8000形で……という動きはクヤ31形の牽引車両変更でも見られた動きです。

8257×6(右)に牽引されてきた8261×6(左)。普段の密着連結器ではなく、自動連結器とアダプターを介しての連結です。

両編成は西武国分寺線で再会するのか、それとも明暗が分かれるのか……。

小田急8000形はリニューアル年次によって仕様差が大きいので、どの編成が対象となるのかも今後の注目ポイントとなりそうです。

走り慣れた新松田駅に佇む8261×6。

西武国分寺線用としての譲渡ですが、イベント等で“西武”新宿に行く列車の設定にも期待したいところですね。

新車搬入と異なり牽引車が反対側……と絵がわりがあまりないので、別角度で撮影する余裕も。

甲種輸送は日の出が早い5月の運転となったことで、御殿場線内をゆく姿も明るい時間帯に運転されました。

曇り予報ながら富士山がしっかり顔を見せてくれました。

富士山の残雪量と水鏡はこの季節ならではの組み合わせで、富士山バックの有名ポイントにはファンの方の姿も多く見られました。

5月20日 川崎貨物→新秋津→小手指

19日は川崎貨物駅で1泊した小田急8000形。

今回の輸送では、東海道貨物線で神奈川方面からやってきて川崎貨物駅で折り返し新鶴見信号場へ向かう経路となっています。

このようなルートの採用は編成向きの転換が目的と推測されます。

これにより、小田原側1号車だったクハ8561が西武線では西武新宿,飯能側となる1号車、小田急線では新宿側6号車だったクハ8261が西武線では池袋,本川越側となる6号車と、号車番号が維持される向きで入線・使用されることが明らかになりました。

小田急8000形は西武国分寺線で運用される計画が示されていますので、クハ8561は国分寺側・クハ8261は東村山側です。

6両だとちょっと写真としては中途半端ですが、8連続の分岐器を通過し転線。

川崎市「クリーンかわさき号」などで見られる、八丁畷・尻手駅経由で新鶴見信号場へ向かうルートです。

新鶴見信号場では各方面に向かう貨物列車たちと朝ラッシュの終わりを待ちます。

EF210形も塗色が新旧あり、さながら直流電気機関車の撮影会かのような並びです。

小田急時代に毎日渡っていた多摩川を、いつもよりちょっと上流で。

いよいよ西武鉄道へ。歴史的な連結作業となりました。

西武線内の牽引は、E31形機関車を置き換えるために組成された新101系263Fが担います。

遠目に見ても違和感満載です。

実際に見てもなお信じられない編成です。

全車VVVF化が達成される際にはこの263Fの置き換えも対象となりますが、牽引車の後継役をどうするのかも気になるところです。

小田急時代のドア窓ステッカーや女性専用車ステッカーまでそのままなので、両社の違いがはっきりと出ていますね。

私含め、撮影しているファンが被らないかヒヤヒヤさせられた対向列車は試運転列車。

当サイトの大好物な“ネタもの並び”が実現しました。

過去関連記事

コメント