既に多くのメディアで話題となっているように、185系により運行されていた特急踊り子号・湘南ライナー・ホームライナー小田原・おはようライナー新宿の4列車での定期運行が終了します。
2021年3月13日のダイヤ改正を控えた12日(金)、多くのファンに見守られながら“ラストラン”を実施しました。
デビューから40年!伊豆一筋のA編成・C編成
2021年3月13日のダイヤ改正にて、特急踊り子号は前年3月より営業運転を始めたE257系2000番台9両のNA編成・2500番台5両のNC編成に置き換えられることとなり、前日の12日が185系を使用する最後の定期運行となりました。上り最終列車は踊り子16号です。
これとともに、朝夕時間帯に運行されており、東海道線の着席通勤に大きく貢献してきた湘南ライナーと、湘南新宿ライナーを系譜とするおはようライナー新宿・ホームライナー小田原の各ライナー列車についても運行を終了。13日よりE257系の特急“湘南”に置き換わることとなります。これにより首都圏からライナー列車の運行がなくなります。
185系は伊豆方面の優等列車を特急格上げするため、1981年から営業運転を行なっていた車両です。
このうち、田町に新製配置されたグループの下田方面10両のA編成・修善寺方面5両のC編成はデビューからラストランまで一貫して伊豆方面の運用を中心に活躍を続けてきました。同一路線で約40年も活躍を続けてきた特急形電車はかなり稀な部類です。
東海道線向けの185系は(現在の)A編成10両8本・C編成5両7本が用意されましたが、このうちA2編成・A4編成は運用数削減で2015年〜2016年にかけて廃車。C7編成は中間付随車を外して現在は波動輸送に従事しています。
残りのA編成6本・C編成6本は2021年まで活躍が続きました。
踊り子号ではこのほか、上野〜大宮駅間の新幹線リレー号で活躍した後に183系の踊り子号を代替した200番台7両のB編成が用意されていましたが、2013年の高崎線特急との運用共通化〜651系投入で波動用となっています。7両編成の運用は高崎線特急で使用されていたOM編成のうちOM04,OM08,OM09編成が使用されることとなりました。
この頃から7両編成を使用する踊り子号は土休日と繁忙期の臨時列車に留まりましたが、上野東京ライン開業から運行されることとなった常磐線我孫子駅を発着する踊り子号で脚光を浴びました。
7両編成での踊り子号の運行は3月10日が最後となっています。
A編成・C編成は東京駅23:30発の湘南ライナー17号、OM編成は新宿駅19:30発のホームライナー小田原21号が185系最後の定期運行となる予定です。ただし、湘南ライナー17号は金曜日のみC編成が増結されますが、最終日に連結されるか否かについては発表はありません。
各地でファン・地元ユーザー・職員が“お見送り”
始発・終着となる東京駅・新宿駅・伊豆急下田駅・修善寺駅を中心に、横断幕や装飾などで華やかに見送られた185系。最後の勇姿を見ようと沿線は大きく賑わいました。
特に伊豆半島を走る伊豆急行線・伊豆箱根鉄道線内では、ファン層以外の地元の方や親子連れの姿も多く見られました。
伊豆を走り続けて40年。お世辞にも快適性の高い車両ではありませんでしたが、行楽客以上に沿線住民の皆さんにとっては乗車する機会も多かったかと思います。
昨年のスーパービュー踊り子号の251系同様に、地元に愛される車両だったことを改めて感じさせられました。
轟音を響かせながら疾走する姿を見ることがなくなる……伊豆に住む筆者にとっても感慨深いものがありました。
これまで運行に携わった4社と関連会社の皆様に御礼を申し上げるとともに、今後も廃車の時まで車両の動きをレポートしていければと思っています。
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