本日は「埼京線」の運転開始からちょうど33年。
埼京線は、「湘南新宿ライン」などと同じように、正式な路線名ではなく愛称です。
大崎~池袋は「山手貨物線」、池袋~赤羽は「赤羽線」、赤羽~大宮は「東北本線支線」となります。
また、直通運転先として、川越駅~大宮駅の「川越線」、大崎から先は「東京臨海高速鉄道りんかい線」です。
それぞれの路線の歴史・現在に至るまでを解説していきます。
・もともとは山手線の一部だった?
日本鉄道が1886年に赤羽~池袋~新宿~品川間で開業させた「品川線」のうち、赤羽~池袋駅間が埼京線のルーツとなる「赤羽線」の起源です。
全て山手線となった一方で、赤羽~池袋駅間については、池袋~田端駅間の開業に伴って本線扱いながらも運行形態は支線でした。
長年この形態であったものの、1972年に赤羽~池袋駅間が分離して、それまで通称で呼ばれていた「赤羽線」が正式名称となりました。
・東北本線・通勤新線計画と東北新幹線
高度経済成長真っ只中の1970年代、国鉄は急増する旅客需要に応えるべく、通勤5方面作戦として、各方面の増強をしていきます。
東海道・横須賀線→貨物線の品鶴線等の旅客営業化による系統分離
中央線、常磐線、総武線→複々線化による緩急分離
そして、東北本線・高崎線系統でも急増する旅客需要に応えるべく、1968年には京浜東北線電車・東北本線と高崎線の列車の分離が行われました。
しかしながら、更に需要が逼迫していました。
一方で、この地域では上野~大宮駅間を地下にて東北新幹線を開通させる計画がありました。
こちらは地盤の都合で高架で行うこととなり、その地元住民への見返りとして建設が計画されたのが「東北本線別線」です。
なお、東北新幹線高架工事については新幹線の騒音問題で反対の声が大きく、現在も速度制限などで余波を残しています。
・宮原駅まで開通させる計画だったが、川越線への直通に
1978年に地元住民の騒音問題への反対を解決して、工事着手となりました。
この際は、赤羽駅~武蔵浦和駅~大宮駅~宮原駅の22.0kmが対象となっていました。
高崎線に乗り入れて、新宿に直通する計画でした。
しかしながら、通勤新線用の車両基地の用地買収(現:戸田駅付近)に難航します。
そこで、用地買収が容易かつ、今後の発展が期待できる川越線の南古谷駅に車庫を建設・川越~大宮駅間を電化のうえで通勤新線と直通運転することとなりました。
これにより、赤羽線・東北本線別線<通勤新線>・川越線の相互直通運転という形態となり、1985年9月30日、埼京線は開業となりました。
・新宿・恵比寿・大崎。そして臨海副都心へ
開業日から高い利用率を誇る埼京線は、順調に規模を拡大していきます。
利便性向上のために1986年には山手貨物線を経由して新宿駅まで、1996年には恵比寿まで、2002年には大崎駅までの延伸・東京臨海高速鉄道りんかい線への直通運転開始となり、現在に至ります。
山手線の支線として分離運転されていた赤羽線から育った電車が、今では山手線の西側を通過運転している様は、鉄道の歴史を凝縮する一コマといえるでしょう。
・埼京線の将来
現・横浜羽沢を経由したJR線・相鉄線の相互直通運転では、埼京線との相互直通運転がされるのではないかと有力視されています。
また、埼京線~りんかい線~京葉線での相互直通運転の構想のほか、羽田空港アクセス線による直通運転の構想もあります。
現在では新型のE233系電車で統一された埼京線。
新型の保安装置「ATACS」導入も含めて、これからもその名の通り埼玉と東京を結ぶ架け橋として、またさらなるネットワーク拡充としての活躍に期待です。
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