
国鉄型特急電車のなかで北海道から九州まで幅広い活躍をしてきた485系特急型電車。
世代・鉄道好きか否かを問わず、多くの方が一度は目にしたことがある国鉄特急の看板車両でした。
原型車両は本線上から撤退して久しいものの、辛うじて20両が現在も活躍をしています。
全国各地で活躍した485系
国鉄の急行列車の特急化の流れもあり、交直流型特急車両の完成形として、本州を中心に北海道・九州まで幅広い活躍をした485系。
碓氷峠の機関車協調運転対応の489系を含めて1,453両もの数を誇っており、これだけ日本中を走り抜けた車両はないでしょう。
国鉄分割民営化から30年。
比較的近年まで関西地区と北陸地区を結ぶ雷鳥号で活躍していたほか、新潟地区では特急・快速運用で活躍。
東武鉄道直通用の485系が晩年に登場するなど、かなりの長寿特急車両でしたが、どれも既に引退をしています。
残された最後の仕事はジョイフルトレインとしての活躍で、JR東日本が国鉄時代に続いて客車ジョイフルトレインの電車化のために多く所有してきましたが、近年急速に引退が続いています。
今年はきらきらうえつの年末の引退が大きな注目を集めているほか、お座敷電車の草分けとして登場した宴の引退が話題になりました。
NO DO KAやニューなのはななど少しずつ数を減らして、現在も引退時期が不明なものは3編成16両となっています。
関東地区:リゾートやまどり
最後の485系のサウンドを楽しめる車両として、高崎支社所有のリゾートやまどりが存在します。
4両編成のお座敷電車やまなみ・せせらぎを近年再改造して6両編成とし、お座敷を捨てて一般的な座席車に生まれ変わった車両です。
この改造が功を奏し、臨時列車での使い勝手のよさから、高崎地区を中心に幅広い活躍をしています。
2019年冬臨でも臨時列車が多数設定されており、次回定期検査までは安泰でしょうか。
全国各地:お座敷電車 華
JR東日本が多数手がけてきたお座敷電車シリーズで最後の生き残りとなった華。
こちらも引退が近いと推測できるものの、未だにJR東海管内発着や仙台地区にも顔を出しており、全盛期の面影を残しています。
しかしながら、お座敷列車自体の需要減少・一般列車としての使い勝手を考えると、引退の可能性は十分に考えられます。
稀に臨時快速列車として快速のグリーン車指定席として乗車できる列車が設定されますので、今後の動向にも注目です。
東北地区:ジパング
リゾートやまどりの改造から溢れた先頭車2両と、青森地区で活躍していた中間電動車を組み合わせた4両編成で、485系シリーズのジョイフルトレインとしては最後の登場となりました。
長野支社の彩が引退しているため、車体載せ替えではない本来の車体が使われている最後の事例となります(但し、3000番台として大規模修繕をした歴史あり)。
運用頻度の少なさが少し気になりますね。
毎年少しずつ数を減らす485系
きらきらうえつが引退することで、3編成16両体勢となる485系。
生き残りは全て大規模改造を施した車両のみとなっていますが、485系を置き換えるために製造された東の651系や西の681系に廃車が出始めていることを考えると、十分な長生きと言えるでしょう。
直流版の189系が最近まで生き残っていたほか、振り子式の381系や踊り子号の185系がまだ活躍していることを鑑みると、シンプルな構造で大量生産した国鉄型車両の万能さを改めて感じさせられますね。
リゾートやまどりは頻繁に運行されているものの、ジパングは改造以降も運用頻度が低く持て余している感じが否めません。
お座敷電車・華については兄貴分の宴が廃車されたことを考えれば、時間の問題でしょう。
残された乗車・撮影機会をしっかり活かしておきたい車両たちです。
動画資料集
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