【ダイヤ詳細解禁】今年も渋谷駅改良切替工事が面白い?新宿・大崎折返

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2020年5月30日・31日の2日間にかけて、渋谷駅の線路切り替え工事が実施されます。

長年利用者が悩まされていた渋谷駅の不便さを大きく解消することとなる今回の工事。

始発から終電まで総力レポートをしたいところですが、今年は楽しく列車観察が難しい状勢です。

最近、湘南新宿ライン系統など一部のダイヤ・列車番号が公開されていますので、過去の大規模工事を振り返りつつダイヤ面から今回の工事の面白いポイントを探していきます。

渋谷駅切替工事2回目は大規模!念願のホーム移転

前回工事では線路・橋梁の移設といった下準備といったメニューでしたが、今回の工事は利用者にとって大きな効果が発揮されるメニューです。

前回は山手貨物線のうち南行の配線変更が実施され、上下ホーム間に階段が生まれて話題を集めました。

今回の工事では北行の線路移設とともに、準備工事が続けられてきた山手線ホームと並列位置の新ホーム供用開始が目玉となります。

利用者にとって悲願となっていた山手線と埼京線・湘南新宿ラインなどの乗り換えがスムーズになるほか、このホームでは特急成田エクスプレスによる空港アクセス、2020年3月に初めて停車駅化された特急踊り子号・サフィール踊り子号による伊豆方面へのアクセスなどの便宜・2019年11月30日に直通運転を開始した相鉄線方面からの利便性向上など大きな影響が出てきます。

もちろん渋谷駅の利便性は乗り換えだけに限らず、主要なハチ公改札・南改札と直結することにより、副次的に山手線ホームの混雑の解消に繋がります。

あわせて埼京線旧ホームを新南改札への連絡通路に転用されるほか、渋谷駅北側(新宿・原宿寄)の宮益架道橋の改築が実施されます。

湘南新宿ライン・相鉄線直通・りんかい線直通に大きな影響

工事日の運転の詳細は公式発表などで既に大々的にアナウンスされていますので、趣味的な見どころを中心におさらいします。

大前提として、新宿〜大崎駅間を走行する列車が区間運休または大きな変更となっています。

変化の概要(データイムのパターン変化)

新宿駅通常時新宿駅臨時ダイヤ大崎駅通常時大崎駅臨時ダイヤ
埼京線〜りんかい線直通3
折返6

折返9
直通3
折返4

折返7
相鉄線直通折返2大崎発着に直通2折返2
湘南新宿ライン
横須賀〜宇都宮
直通2折返2直通2折返2
湘南新宿ライン
東海道〜高崎
直通2折返2直通2品川発着に
成田エクスプレス直通1
折返1
東京発着に(通過)
合計直通8
折返9

折返13
直通9
折返4

折返11
通常時はこれに加えて特急列車・貨物列車・回送列車・臨時列車が挿入されるので、通常時の容量はもう少し多いです。

・埼京線〜りんかい線系統

埼京線系統では、過去の工事同様に新宿駅〜大崎駅間を運休・両駅での折り返し運転が実施されます。

この措置自体は既に何度も実施されてきた対応ですので、特段大きな混乱もなさそうです。

趣味的な見どころとしては、代走などを実施しない場合は、東臨車は川越車両センターに1編成・JR車は大崎・東臨運輸区・新木場に各1編成が2日連続で取り残されることとなります。

翌月曜日に所定運用通りに出てくると池袋でもう1泊という運用もあること、後述のかしわ台留置数は代走では解消できない(相鉄車の外泊がない)ことから、検査周期などを考慮してこちらの系統で前日〜翌日で計画代走を想定している可能性もありそうです。

・相鉄線直通系統

2019年11月30日に直通運転を開始したJR東日本埼京線・相模鉄道線の直通運転では、計画的な区間運休は初めての実施となります。

特に珍しい点を探せば、12000系の大崎駅行き表示・E233系の相鉄線内種別表示+大崎駅行きでしょうか。

運用上のポイントとなるのは、かしわ台車両センターに6編成が取り残されるE233系の処遇でしょう。

停泊車両が大量にあること・相鉄車は線内運用が絡んでいることを踏まえると、12000系・E233系双方が大崎駅〜海老名駅間の列車に登板しそうです。

湘南新宿ライン系統のうち東海道線系統がカットされていることを考えるとギリギリ所定運用でも可能な気もしますが、大崎駅のホーム数を考えると1段繰り上げる折り返しとなる可能性が高そうです。

元々JR車は埼京線絡み・相鉄車は自社線内運用絡みの複雑な運転体系となっています。

大崎駅での折り返しが変わった場合、普段相鉄車のダイヤにJR車・JR車のダイヤに相鉄車が走ることとなります。

この場合、前後の運用上の都合からJR車両が相鉄線横浜駅発着の運用に登板する可能性も捨て切れません。

・湘南新宿ライン 横須賀線〜宇都宮線系統

全列車が新宿駅〜大崎駅間の区間運休扱いとなり、両駅で折り返しとなります。

この措置は前回の切替工事と同様の内容となります。

残念ながら新宿駅・大崎駅の発着番線は不明(時刻表では所定番線のみ記載)ですが、当初から成田エクスプレスの運休が発表されているので、溢れる一部は新宿駅特急ホーム=5,6番線を使用する可能性がありそうです。

・湘南新宿ライン 東海道線〜高崎線系統

横須賀線系統と異なり、東海道線系統では前回工事から大きく変更されています。

こちらは新宿駅での高崎線内折り返しは従来通りとしつつ、今までの大規模工事で頑張っていた大崎駅での折り返し運転をやめ、全区間東海道線をそのまま走って川崎駅経由・品川駅発着とされています。

旅客案内では東海道線系統の湘南新宿ラインを運休・品川駅〜小田原駅で増発とされていますが、列車本数・行先などはほぼトレースとなっており、混乱対策・利便性確保に最大限配慮した印象です。

本来の特別快速は快速として、本来の快速は普通として旅客案内されています。

使用車両のE231系・E233系ともにアクティーでも湘南新宿ラインでもない快速の運行は想定されていないことから、快速単独表示・臨時表示など行先表示については面白いものが期待できそうです。

通常の特別快速運用はすべて国府津車両センター所属車両の担当ですが、停泊運用を考えると小山車両センター所属車両もこれらの臨時列車に充てられる可能性がありそうです。

このほか、プレスリリースなどに記載はなかったものの湘南新宿ライン東海道線系統の早朝始発便1往復・深夜最終便1往復に限って大崎駅発着で設定されています。

設定経緯は推測の域を出ないものの、相鉄線直通列車がない時間帯で折り返しに余裕があったことや、最終接続などの利便性を維持することが背景でしょうか。

・踊り子号系統

前回の渋谷駅改良工事では、スーパービュー踊り子3号・10号の定期列車1往復と、新宿8:30発の土休日臨=スーパービュー踊り子1号の3列車が東京〜武蔵小杉〜横浜という独自の経路で設定され、それぞれスーパービュー踊り子93,90,91号とされて大きな話題を集めました。

2020年3月のダイヤ改正により、今回は本来東京発着に変更となる対象は4列車に増えていましたが、相次いで発表された臨時列車運休措置・踊り子号のE257系使用定期列車2往復の運休措置が重なっているため、実際に変運用が施行される列車は2本(そのうち1本のサフィール踊り子3号は列車番号以外平日同様)になってしまいました。

従来の山手貨物線系統の改良工事では、新宿発着を振り返る際も横須賀線経由・武蔵小杉駅停車として設定されていました。

しかしながら、今回の迂回措置では東海道線経由で設定されており、川崎駅停車扱いもなく東京〜品川〜横浜という停車設定です。

2020年3月改正で品川駅が停車駅化されたことと、2019年11月改正で相鉄直通を開始したことによる品鶴線の線路容量などが背景と考えられますが、定期列車の東京発着との大した違いもなく、趣味的な見どころは少し少なくなってしまいました。

設定所定列車名使用車両所定発着時刻変更後備考
土休踊り子1号E257系新宿駅8:30発東京発
踊り子91号
臨時列車運休措置
毎日踊り子5号185系池袋駅9:14発東京発
踊り子95号
9095M
毎日踊り子18号E257系池袋駅19:05着東京発
踊り子98号
踊り子号定期列車
運休措置
土休サフィール
踊り子5号
E261系新宿12:15発東京発サフィール
踊り子3号
平日のダイヤを使用
運休対象外 9093M

その他の優等列車

新宿駅から北方面に発着する特急日光・きぬがわ・スペーシアきぬがわ、プレスリリースに記載のない高崎線特急あかぎなどは通常運転となります。

この一方で、中央線臨時列車・ホリデー快速ビューやまなしは運休となっていました。

これは、使用車両の215系を山手貨物線経由で回送していることが背景です。

他路線での送り込み・返却でも可能にも思えますが、上り列車の新宿駅到着ホームを確保できません。

本来は日光8号で使用した253系をしばらく留めおいてから東大宮センターへ回送するダイヤとなっているところを、一旦品川駅まで回送で往復することにより、ホリデー快速の上り便到着ホームを確保しているという複雑なダイヤ都合もありそうです。

なお、昨今の状勢から臨時列車自体が長期運休となっており、この問題はそもそも発生しませんでした。

せっかく練られたダイヤなのに……

各路線が複雑に入り組んだダイヤとなっているため、おそらく今回のダイヤは相当な下準備がされたことと推察できます。

特に従来と異なる踊り子号の武蔵小杉経由・東海道線系統の湘南新宿ラインの大崎駅折り返しの2つが見送られた設定は相鉄線直通維持のためと考えられ、もしかしたら当初は異なる形を考えていた可能性もありそうです。

一方で、毎回の工事をややこしくしているであろう成田エクスプレス・新宿発着の踊り子号が存在意義を失って運休となっており、今回は余裕を持った運行となりそうです。

この辺りの調整が“スジ屋”の腕の見せどころでしたが、肝心の利用客が望めない状況は残念な限りです。

ともあれ、渋谷駅の利便性向上は利用者の悲願でしたので、安全・確実な工事が遂行されることを願うとともに、末筆ながらこのご時世も業務を継続される関係各位のご尽力に感謝申し上げます。

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