【特大貨物列車】変圧器輸送!巨大なシキ800形・最後の変圧器輸送実施

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鉄道車両には様々な特殊用途のために製造された珍しい車両が存在します。

来週から京都鉄道博物館に期間限定で展示される「シキ800」も、他の鉄道車両にはない特異な外観で根強いファンが存在します。

特殊用途の「シキ800」の魅力をお伝えします。

運用形態によって形式名が変わる?シキ800の魅力

シキ800形は1973年から製造された「分割落とし込み式大物車」です。

この構造は少し分かりにくいところですが、2階建の旅客用の電車も両端の台車部分だけは平屋となっていることと同じように、台車がある部分には巨大な荷物を積載することが出来ません。

そのため、車両の中央部に巨大な荷物を積載し、その重量を両端の台車群が支えるという変わった構造をしています。

台車2台の上に台車上枠を載せ、その2つの台車上枠に跨るように枕枠、枕枠の上に荷受梁となっています。

「継手」というアタッチメントを付け替えることで様々な重量物に対応しており、分割落し込み式で分割される横梁「C梁」を設置すると「シキ800B」から「シキ800C」に名称も変わります。

そのため、ナンバープレートも裏表になっており適宜交換されるという面白い運用も見られます。

やはり特筆すべき点としては、8台車16輪が連なる点であり、重量物を運ぶために1点当たりの線路への負担を和らげる効果があります。

ジョイント音・外観なども、他の鉄道車両とは大きく異なるポイントですね。

現在は弟分のシキ801とともに日本通運の私有貨車となっています。

コンテナ貨物の普及により私有貨車自体も少なくなっている昨今、こういった特殊車両が残存していることは少し意外ではないでしょうか。

道路網・トレーラーが普及している現在でも、変圧器輸送では誘導車・道路の申請などで大きな手間やコストが必要であり、道路事情によっては認可が難しい区間も存在します。

そのため、区間によっては無くしたくても無くせない背景もあるようです。

鉄道ファンからも密かな人気

機関車牽引列車のファンも多いですが、貨物列車のファンの多くは牽引機に注目しがちです。

しかしながら、荷物に脚光が集まる列車もいくつかあり、商業誌でも新型車両などの輸送である甲種輸送とともに、この特大貨物輸送は注目をされる機会が多い列車です。

シキ1000形など現役他形式を差し置いてシキ800形が注目されるのは、8台車16輪が連なる圧倒的な重量感でしょうか。

その特異な出で立ちは鉄道貨物輸送の中でもトップクラスと言えるでしょう。

肝心の輸送シーンは積載時45km/hという制約の都合上、深夜帯に行われることがほとんどですが、空車時には75km/hと車扱貨物と同等の速度となるため、日中に運転されることも時々あります。

シキ800形ですが、今回の安治川口駅から石蟹駅への中国電力向け変圧器輸送が最後の活躍とされており、常駐している宇都宮貨物ターミナルからの帰り道を活用して京都鉄道博物館への展示が実現することとなっています。

お近くにお住まいの方は、最後の雄志となるシキ800形の巨大なボディを一度見てみてはいかがでしょうか。

シキ800形の2両の後輩たち

このシキ800形にはシキ801・シキ810と2つの後輩がいました。

シキ801はシキ800の翌年である1974年(昭和49年)に製造され、現在も車籍を維持しています。

一方のシキ810は1996年(平成8年)と20年以上の期間を空けて製造されており、各種部品を改良されていましたが、2009年(平成21年)に廃車となっています。

シキ810はたった13年と短命に終わっているものの、そのほとんどの部品はシキ801の改良に使われています。

書類上はシキ801を引き継いでいるものの、中身はほとんどシキ810という面白い出白となっていますが、これはシキ810が廃車直前まで所有会社が東芝物流だったことと関係がありそうですね。

兄貴分となるシキ800に比べて継手の設置可能な数が多くなっていることから、シキ801の方が幅広い用途で活躍できるようです。

京都鉄道博物館で展示をされるプレスリリースにおいて、シキ800形は引退とされていますが、この改良を行っているシキ801が引き続き活用されるのかどうかについてはどちらとも取れる表現となっており、去就が注目されています。

YouTube=鉄道ファンの待合室資料館で詳細映像を公開

YouTube=鉄道ファンの待合室資料館にて、シキ800形特大貨物輸送の様子・詳細を編集少なめでご覧いただけます。

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