先日の甲種輸送で姿を現した新京成電鉄の新形式・80000形。
北総線・印旛車両基地に搬入後、その動向が注目されていましたが、10月13日深夜からその輸送が開始されています。
2両ずつサンドイッチ
6両の80011編成ですが、2両ずつに分割され、少しずつくぬぎ山まで輸送されています。
先輩格のN800形6両編成の中間に2両ずつ挟まって輸送するという方法が取られており、京成電鉄の3100形が3600形の牽引となったこととは対照的です。
これは京成高砂・京成津田沼での方向転換が発生するために採用されているものと考えられますね。
現在のピンク色の塗装で8両編成のN800形という異様な列車ですが、80000形が車体構造の差異があまりないため、編成に挟まっても案外しっくりきている印象でした。
また、このサンドイッチをするN800形ですが、甲種輸送に先がけて印旛車両基地までN828編成が回送されたほか、1日目にはN848編成が、2日目には再度N828編成が輸送列車と入れ替わる形で送り込まれています。
どちらも深夜帯に行う都合上、京成高砂駅で方向転換と京成・北総の乗務員が入れ替わることを兼ねて同時に行うことが効率良いと判断されたのか、京成高砂駅では14両の新京成電鉄の車両が並ぶという大変貴重な光景を見ることが出来ました。
最近の京成グループの新形式の定番となっている印旛への搬入
京成グループの新車の多くは総合車両製作所からの自走・または牽引回送で行われるものの、京成でも乗り入れ非対応の新AE形や、京急・都営への乗り入れを行わない新京成電鉄の車両は北総鉄道・印旛車両基地への搬入が通例となっています。
道路事情が陸路での搬入に最も適しているためと推測出来ますね。
なお、北総線開業直後には新京成電鉄との相互乗り入れをしていたものの、現在は新鎌ヶ谷駅の連絡線がないために京成高砂・京成津田沼を経由する長距離回送となっています。
兄貴分の3100形の試運転実績はあるも……
総合車両製作所から3600形の牽引で輸送された京成電鉄・3100形ですが、こちらは既に誘導障害試験をはじめとする各種試運転を実施しているため、ほとんど同じ車両とも言える新京成80000形が自走で登場しても不思議ではありません。
しかしながら、兄弟車と言えども細かい設計の差異がある以上、新形式・仕様変更といった事例では必ずと言っていいほど牽引回送としたり、自社の車両基地まで陸路で搬入するといった代替手段を採っています。
このような事例は京成3000形でマイナーチェンジ車となった7次車=通称・3050形も自走での出場とはならなかったことのほか、他社の新形式投入でもよくあることで、初期数編成だけは陸走・それ以降は東武鉄道経由で自走回送している東京メトロ13000系(こちらも共通設計の東武70000系がある)などが挙げられます。
この編成の試運転とN800形の先例に倣えば、次回以降は自走で行われる可能性が極めて高いですので、貴重な光景となりそうです。
動画資料集
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今回は乗務員交代の都合(京成・北総乗務員の入れ替え)から、京成高砂駅に送り込みと輸送編成が並ぶというダイヤが組まれており、2日間特徴的だった京成高砂駅での新京成電鉄車両の並びを記録しています。
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