【食堂車】日本ではほぼ絶滅の食堂車、ヨーロッパではどうなの?

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日本では一部の豪華列車を除き、ほぼ絶滅したと言っていい食堂車。平成生まれの人ですと、食堂車を利用したことがないのでは。また、長年親しまれてきた車内販売も次々と姿を消しています。一方、ヨーロッパ・ロシアではまだまだ元気に頑張っています。今回はヨーロッパ・ロシアの食堂車にスポットを当てました。

ヨーロッパ・ロシアの食堂車の概要 

この記事において「ヨーロッパ」とは私の守備範囲である中央ヨーロッパ、東ヨーロッパを指します。ヨーロッパ・ロシアではIC(インターシティー)をはじめとする特急列車に連結されることが多いです。ロシアですと、大半の優等列車に食堂車があります。食堂車の有無は各鉄道会社のホームページやヨーロッパ鉄道時刻表でわかります。

食堂車は大きく2つのタイプにわかれます。1つ目はテーブルと椅子があるレストラン風のタイプ。2つ目はカウンター式で立客スタイルのタイプです。後者は「ビストロ」と呼ばれることもあります。いずれにせよ、食事やお茶が楽しめることに変わりはありません。

実際に食堂車を利用して、どうだったか?

私はヨーロッパ・ロシアに行くたびに食堂車を利用します。さすがに、すべての食堂車を紹介することはできないため、ここではチェコとロシアを紹介します。

私の鉄道旅行において、最も印象深い食堂車がハンガリー・ブダペスト発スロバキア経由、チェコ・プラハ行きのICです。私はチェコのブルノから乗車し、プラハへと向かいました。さすがに、12時は混雑すると思い、30分前の11時30分頃に食堂車へ入店。ヨーロッパらしく、お洒落な装飾に驚きました。写真で見てもわかるとおり、赤色の椅子は一般のレストランであっても、十分に通用すると思います。さっそく、チェコ風の肉料理スヴィチュコヴァーとクネードリキと呼ばれる蒸しパンを注文することに。牛肉と甘いジャムの組み合わせは本当にマッチします。また、クネードリキと野菜を使ったソースとの絶妙なマッチングに舌鼓を打ちました。景色もすばらしく、食堂車の旅を堪能したひと時でした。

ロシアの食堂車で印象的だったのが、シベリア鉄道でした。シベリア鉄道は極東の街、ウラジオストクと首都モスクワを結ぶ世界最長の路線。全線を乗り通すには最低でも1週間はかかります。さぞかし食堂車は大混雑・・・と思いきや、ガラガラです。実は食堂車の値段は高く、多くの乗客はスーパーの買い出しや車内販売で食料を確保します。私は15時頃に訪れたので、紅茶とブリヌイと呼ばれるロシア版クレープを注文しました。寝台で横になることも飽きたので、のんびりと車窓を楽しみながら、ロシア風のおやつを楽しみました。このように書くと、食堂車はいらないのでは・・・と思うかもしれません。実はロシアに限らず、食堂車は車内販売の中継基地としての役割も果たします。数日間にわたって走るシベリア鉄道にとって、車内販売が占めるウエイトはとても高いです。したがって、たとえお客さんがいなくても、食堂車はなくてはならない存在です。

ヨーロッパ・ロシアの食堂車を利用する際の注意点

基本的には日本のレストランと同じ流れですが、いくつか注意点があります。まず、食堂車を利用する時間帯です。12時台は大混雑するので、できれば11時30分や13時30分からの利用をおすすめします。一方、夕食時間帯は人によって利用する時間帯がバラバラなので、それほど気にすることはありません。

2つ目は支払方法です。ヨーロッパでは食堂車でもクレジットカードが使えるため、なるべくカード決済にすることをおすすめします。現金であれば、乗車した列車が走る国の通貨には対応しています。ユーロは列車によって対応が異なるのでご注意ください。一方、ロシアの食堂車は基本的にクレジットカードには対応していません。また、国際列車であっても、ロシアの通貨であるロシア・ルーブルしか受け付けない場合も。ユーロで支払うとお釣りはロシア・ルーブルで返されました。

3つ目は調理に要する時間です。一般的なレストランと比べると、食堂車は調理に要する時間が長いです。ロシアでは1時間ほど待たされました(事前にウエイターから1時間ほどかかるという説明を受けていたので問題はありませんでしたが)。食堂車を利用する場合は時間に余裕を持たせることをおすすめします。

車内販売も充実しているロシア・ヨーロッパ

日本では車内販売も消えつつありますが、ロシア・ヨーロッパでは反対に進化しています。たとえば、モスクワとロシアの第二都市であるサンクトペテルブルクを結ぶ特急「サプサン号」ではインターネットを使った車内販売サービスが行われています。車内の無料WiFiサービスを利用し、ロシア国鉄のホームページにアクセスします。すると、メニュー表が表示され、そのまま注文すればウエイターが届けてくれるという仕組みです。このサービスはロシア国鉄でもごく一部の列車にしか導入されていないと思います。それでも、車内販売に関してはロシアのほうが日本よりも進んでいます。

ヨーロッパ全体を見渡すと、食堂車は減少傾向にあります。しかし、日本とは異なりヨーロッパでは長時間にわたる国際列車が存在するので、食堂車が絶滅することはないでしょう。一方、ロシアでは私の知る限り、食堂車が大幅に削減されるという話は聞いていません。ロシアは広大な国ですから、食堂車は永遠に生き続けることでしょう。

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