【元踊り子号牽引】田端運転所のEF65 1104号機が日中の伊東線を走行

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2020年3月にはJR貨物所有機が乗務員訓練で走行した伊東線。

6月9日と15日、今度はJR東日本・田端運転所所属のEF65形が日中の伊東線で乗務員訓練を実施しています。

かつての14系客車による踊り子号を彷彿させる田端機が白昼の伊豆半島を訪れ、ファンを魅了しています。

伊東線とEF65形

伊東線・伊豆急行線では昔から機関車牽引列車が運行されていた歴史を有しています。

国鉄・名門東京機関区時代から客車での団体臨時列車なども運行されてきましたが、最も有名なのは、185系導入・特急踊り子号の運転開始以降も14系一般車やジョイフルトレイン“サロンエクスプレス東京”(後年の“ゆとり”)で運行されていた客車での臨時特急踊り子号でしょうか。

当時の伊豆急行の乗務員さんたちも東京へ出向いて訓練をする力の入れようでしたが、現在はこれらの養成は行なっていないようで、機関車の南限は伊東駅となっている状態です。

現在も時折深夜帯に入線することはあるものの、客車での臨時列車が設定されなくなって久しく、白昼の旅客機の走行は非常に久しぶりの光景です。

また、国鉄分割民営化以降、定期列車がないもののJR貨物が第二種鉄道事業者となっており、JR貨物所有機の入線実績も複数回あります。

最近では、2017年の2100形R-5編成の東急テクノシステム(恩田)出場甲種・2020年のマニ50 2186(ゆうマニ)の甲種輸送が実施された実績があります。

いずれも甲種輸送は深夜帯に運転された一方で、運転前には乗務員訓練として熱海駅〜伊東駅間の乗務員訓練も実施されました。

気になる目的は?

今回の乗務員訓練とみられる試運転は、田端→東高島・東高島〜伊東〜熱海〜伊東〜東高島・東高島→田端と2泊3日で実施されている模様です。

単純に考えれば、JR東日本管内で多数運転されている工事用臨時列車の乗務員養成でしょうか。

伊東線の来宮駅の南側には保線用の基地が設けられており、伊東線では現在も終電後にEF65形+レール輸送用貨車(チキ)の編成が時折運行されています。

この工事用臨時列車は新小岩操車場から武蔵野線・東海道貨物線・高島線などを経由して運行されており、今回の試運転経路とも酷似しています。

ただし、既に2020年度末のレール輸送の気動車化に向けた試運転が始まっており、今更機関車を運転する乗務員さんを養成する必要があるのかは疑問符がつくところです。乗務員さんも全区間2名で、旅客列車で「師匠」が付けている腕章等もつけていません。

このほか、近日行われるであろう“THE ROYAL EXPRESS”の北海道クルーズの甲種輸送(貨物列車としての輸送)に関連した動きも考えられます。

こちらについても、貨物列車である以上はJR貨物の乗務員さんが担当するのが自然で、因果関係は不明です。

伊東駅では2往復目のみホームのある2番線(中線)にも入線しているほか、南伊東駅方の引き上げ線では保線関係の職員さんの姿もあり、久しく使用していないこの線路の錆び取り・信号設備確認などの目的の可能性も考えられます。

ファン心理としては、久しく運転されていない東海道線・伊東線への客車列車入線が見たいところです。

伊東駅はその歴史的経緯から現在も機回しに対応しており、今後電気機関車の縮小が待っていることを考えると、12系や旧型客車が生き残っているうちにその勇姿を拝みたいところです。

2014年にEF65 501号機が24系青森車を白帯で揃えて富士号リバイバルの団体臨時列車を牽引したほか、2016年には新潟地区から“ばんえつ物語”用客車を使用して「伊豆・横浜箱根ものがたり号」が運転されていますが、それ以降は客車列車の運行が途絶えています。

静岡ディスティネーションキャンペーン(DC)のアフターキャンペーンが2020年4月〜6月に予定されていたものの、昨今の社会情勢から大幅な規模縮小となってしまいました。

あまり期待は出来なさそうですが、客車列車1往復が動くだけでファン注目度は抜群。何らかの面白い列車運行があると嬉しいところです。

JR東日本機の伊豆急行甲種は過去にも

伊豆急行関連の甲種輸送にJR東日本田端運転所所属機が充当された実績自体は存在します。

これは、2007年〜2008年に運転された伊豆急8000系の甲種輸送で、スーパーエクスプレスレインボー塗装のEF65 1118号機が複数回登板しています。

しかしながら、この貸し出しはATS(保安装置)改修で機関車が不足気味だったJR貨物に日常的に貸し出されていた際に使用されたものです。

当時の経緯は推測の域を出ませんが、配6794列車など比較的軽量の限定運用で使用されており、走行距離・速度種別などの負担が少ない列車を選んでいた可能性が考えられます。

それまでの伊豆急行向け甲種輸送については一般的なJR貨物・新鶴見機が使用されていたほか、同時期には貨物機で多数実績があった西武鉄道2000系の甲種輸送などにも貸し出された田端機が登板していることから、保安装置などの特殊事情ではなさそうです。

今回の乗務員訓練についてはJR東日本の運転士さん2名体制で実施されています。

2020年春にJR貨物機の乗務員訓練・甲種輸送が実施されているように、今回だけ特別JR東日本がハンドルを握る必要・田端機でないと出来ない制約は思い浮かびません。

どうしても近日実施されるであろうTHE ROYAL EXPRESSの甲種輸送との関連が気になるところですが、今後の動向にも注目したいところです。

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コメント

  1. なないろ より:

    「ゆとり」ではなく「サロンエクスプレス東京」ですよ

    • なないろ様

      閲覧・コメントありがとうございます。
      臨時特急列車として運行されたのは「サロンエクスプレス東京」時代で、「ゆとり」としての運行は団体臨時列車でのリバイバルでしたね……。
      加筆・訂正させて頂きました。

      今後とも当サイトのご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

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