東武鉄道では100系“スペーシア”・200型「りょうもう」号が就役30周年を迎えるにあたり、相次いでリバイバルカラーを登場させています。
第2弾として発表されていた200型のリバイバル2編成のうち、最初の施工となった205Fが南栗橋工場を出場、試運転を実施しています。
続々登場!東武鉄道のリバイバルカラー
東武鉄道では、1991年に就役した100系“スペーシア”(SPACIA)と、同年に就役した1720系の部品を活用した200型「りょうもう」がともに30周年を迎え、これを記念して既存車両によるリバイバルカラーの運行が相次いで発表されました。
5月12日には第一弾として100系9編成のうち5編成(102F,105F,107F,108F,109F)を対象に、従来の“粋”・“雅”から登場時のカラーリングに戻されることが発表されました(外部PDF)。
こちらは最初の編成となる109Fが6月2日に出場しており(過去記事)、本年度はこのほかJR線直通対応の108Fも実施予定です。
この発表ではあわせて、101Fについては「別のリバイバルカラー塗装」としているほか、200型205F,209Fについても「リバイバルカラー塗装」と含みのある表現で示されており、前者は1720系・後者は1800系を想像するファンが多い状態でした。
その後7月15日には第二弾として、編成と「リバイバルカラー塗装」という断片的な情報が提示されていた200型について、先代の1800系「りょうもう」の鮮やかなローズレッドにホワイトの2本帯のカラーリングとされること、運行開始日が8月7日となることが発表されました(外部PDF)。併せて、同日より記念乗車券も発売されます。
出場した205Fを見る
今回出場した車両は、東武200型205Fの6両です。
出場試運転は通常の200型の定期検査と同じく、南栗橋〜春日部〜加須〜東武動物公園〜南栗橋の経路で実施されました。
第一弾の100系がその車両の登場時を再現したことと異なり、車体形状が大きく異なる先輩車両の塗装再現となった点が特徴的です。200型は前面の傾斜が大きい特急型らしい前面形状ですが、1800系は平面に近い形状で大きく印象が異なります。
前面窓周りは1800系の窓下白色を取り入れつつ、ライト周囲は200型譲りの黒色塗装とされています。
東武鉄道の100系・200型・250型では、入出場列車のみ連結器を出した状態で運行されます。スカート(排障器)は通常運転時に露出する部分のみダークグレーとされており、連結器周囲は赤色が残っています。営業運転開始後は従来同様カバーがされるものと見られ、この姿は出場時のみのものとなりそうです。
側面帯についても、1800系のカラーリングとしつつ、塗り分けは200型・250型の帯太さを踏襲している格好です。特に窓上の帯の太さが大きく異なるため、1800系の塗装をモチーフとしたデザイン・新塗装といった方が受け入れやすそうな印象です。
このほか、座席カラーも1800系の色合いとするとされていますが、200型の座席は新製(一部編成は当初1720系のものを再利用するも、現在は改装済)となっており、こちらもあくまで再現といった格好です。
JR東日本のE653系K70編成の国鉄特急色など、昨今では車体形状が異なる車両にアレンジ加えたリバイバル塗装が鉄道業界全体のトレンドとなっている印象です。東武鉄道ではこれまでも8000系で数多く実績があり、新旧車両の解釈を交えたリバイバルは得意分野と言えそうです。
これまで1800系1819Fが急行列車引退後も残され、団体臨時列車・臨時快速などで使用されていたものの、2018年に引退して現在へ至ります。
ファンからは1800系の改造車両で残存する350型へ同様の装飾を施すことへの期待もありますが、こちらは次回の検査前に500系“リバティ”へ置き換えられる動きも想像でき、動向が注目されます。
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記事内掲載写真は、べみほっぺ様(@shikisaigram)より掲載許諾を頂いています。
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