都電荒川線・東京さくらトラムで活躍していた花電車・花100形。
7500形の最後の活躍の場でもありましたが、惜しくも廃車となってしまいました。
花100形の登場経緯と活躍を振り返ります。
東京都交通局100周年記念で登場
東京都交通局100周年記念事業の一環で、都電荒川線に花電車が復活となり大きな話題となりました。
最近では広島電鉄の花電車が有名でしたが、都電でも以前には6000形改造の乙6000形がありましたが、引退して久しくなっていました。
そこで、置き換えが進んでいた7500形を改造することで花電車として生まれ変わりました。
都電としてはなんと33年ぶりの花電車は、当初は2011年(平成23年)の路面電車の日にあわせて6月に運行開始予定であったものの、同年発生した東日本大震災の影響を受けて2011年(平成23年)10月1日に延期されました。
そして、夕方にはライトアップもしながら計5日間運行され、沿線には鉄道ファンだけでなく多くの見物人が押し寄せました。
改造ベースは7500形
改造ベースは7500形・7510号車で、各種鉄道車両の改造実績がある京王重機整備が改造を担当しました。
7500形の側面を大胆に切り抜いた格好で、『荷台』部分には100歳の誕生日、ということでケーキをモチーフにしたデザインで、歴代車両が「トッピング」として飾られました。
運転台周りなどの意匠はそのままなのがファンに人気のポイントだったほか、方向幕にはがんばろう日本!と100周年記念の2種類が使用されました。
足回りに関してもそのまま活用されています。
惜しくも引退・廃車解体へ
もともと廃車予定だった車両の改造で生まれたものの、ベースは既に全廃された7500形です。
100周年の花電車としての運行以降は、荒川電車営業所の公開イベントで展示される程度の存在でした。
活躍の場がほとんどないうえに、同形式の他の車両がなくなったことも災いしたのでしょう。
2011年(平成23年)を除くと5回目となる、2018年(平成30年)10月に最後の展示を行ったのち、12月に廃車となりました。
そして通常の都電の廃車陸送と同様、足回りを外されてトレーラーに搭載され、深夜の路地をゆっくりと走り去っていきました。
あっけない最後ではあるものの、大胆に切り抜かれたボディが花電車としての活躍を最後まで色濃く残しています。
趣味的にはこの大きく開けた側面をうまく活用したビール列車などの旅客運用が想定された車両だったら、明暗もまた違ったのかなあと思うと少々残念ですが、都電貸切での飲食が禁止されてしまった今ではこれも難しいでしょう。
短すぎる活躍でしたが、大きな話題と7500形の雄姿を今まで伝えてくれた花100形。お疲れ様でした。
ほちあまやか様紹介
今回の廃車陸送の画像は、元鉄道アイドル・ほちあまやか様よりご提供いただいています。
現役高校生撮り鉄としてテレビ番組に出演された経歴も持つ彼女。
現在の多芸な趣味活動はブログ・Twitter・Instagramで公開されています。
下記画像リンクよりどうぞ。
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