3月11日にC53編成の廃車回送が実施されましたが、本日12日には残されたC54編成の廃車回送が実施されました。
これにより、JR東海が所有する700系が本線上から姿を消すほか、13日にはJR西日本所有車両についても定期運用終了となり、節目を迎えます。
所属基地には帰らず廃車回送
JR東海では中間の浜松に定期検査などを行う工場がありますが、車両基地は東京・大阪の両端となっています。
日々行き交う東海道新幹線のJR東海所有車両にもこのどちらかに所属が分けられているものの、一般利用者の目に留まる表記がないためあまり知られていません。
正式な所属・呼称は、大井車両基地ベースの車両は「東京交番検査車両所」・鳥飼車両基地ベースの車両は「大阪交番検査車両所」となります。
それぞれ“幹トウ”・“幹オサ”と記されますが、在来線電車のような目立つ表記はありません。
幸運にも最後まで残存し、ラッピングが施されたC53,C54編成。
かつては大阪ベースの同僚であったほか、晩年は仲良く臨時列車に登板した彼らについても、C53編成は“幹トウ”・C54編成は“幹オサ”の別所属の新幹線でした。
8日のラストラン=のぞみ315号が運休決定となってからは、1日に団体臨時列車・予備編成として大井車両基地に入線したままの状態とでした。
そして、11日のC53編成と同様に、12日にはC54編成が浜松工場へ回送されました。
C53編成は所属基地から旅立った一方で、C54編成は1日の団体臨時列車予備編成として出庫・本運転の後追い回送をしたままの“片道切符の旅”となってしまいました。
とはいえ、こういった運用設定自体は初めてではなく、700系だけでも東京所属車両が新大阪から廃車回送・大阪所属車両が東京から廃車回送された事例が存在します。
所属は分けているけれど柔軟に運用……という会社・事例はあまり多くありませんが、最近だと北陸新幹線・上越新幹線のE7系が比較的似た運転体系でしょうか。
また、廃車回送が2日連続で実施されるのも珍しく、同様にラストラン・2編成が続いて廃車回送となった300系J編成についても、1日空けて回送されました。
JR西日本でも13日に定期運用撤退
盛大にプロモーションをしたJR東海の700系とは対照的に、静かな幕引きとなるJR西日本所属の700系。
N700系以降とは異なり、ロゴマークや内装デザイン、行先表示器などの独自色が強かった“B編成”についても定期運用から引退します。
最後まで残されていた定期運用はひかり441号・ひかり444号の新大阪〜博多間1往復でしたが、このうちひかり444号は12日・13日はN700系使用とされています。
そのため、13日朝のひかり441号がB編成の最終定期運用となります。
“波動用”700系B編成の今後は?
JR西日本管内では、3月14日以降については喫煙車の消臭対応などを施し、16両編成の喫煙車・喫煙ルームなし編成として波動輸送で使用するとしています。
早速春の臨時列車で使用……という期待もありましたが、車両自体は残存が発表されているものの、一般利用者が使える機会は既に発表されている期間にはありません。
4月以降の春の臨時列車として、さくらスジを活用した16両編成ひかり号が下り片道で設定されているものの、現状はN700系による運転予定となっています。
消臭対応を済ませ次第こういった運用に充てるかと思われていましたが、少し意外な動きですね。
これらの設定を踏まえると、最近はB4〜B6の3編成体制が組まれていましたが、ダイヤ改正後の維持数は1〜2編成の維持でしょうか。
一般利用者目線ではコンセントなし・喫煙ルームなしと明らかに見劣りする状態になっています。
今後も設定を避ける傾向は続きそうで、なかなか乗車チャンスには恵まれなさそうです。
夏の臨時列車発表・ツアー発売などに期待するしかありませんね。
このほか、一般利用が出来る可能性として考えられるのは、東海道新幹線内ダイヤ乱れ時の“特発”のぞみ号でしょうか。
過去には700系8両E編成を使用した、ファンからの愛称“のぞみレールスター”が大幅なダイヤ乱れ時に運行されており、予備車ポジションで急遽登板・乗車の機会はあるかもしれません。
16両編成の東海道新幹線乗り入れ非対応車の活躍できる事例を探す方が難しく、ファンの素人考えでも使い勝手が悪いことは容易に想像ができますね。
修学旅行臨などが一番最適な用途かと思いますが、車両性能の違いから山陽新幹線内完結という制約は残ります。
ファン心理としては臨時運用でもう一度乗車したい……と言いたいところですが、乗車機会を探すのは非常に難しそうです。
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