【甲種輸送まで1ヶ月?】東急田園都市線2020系2148Fが総合車両製作所を出場

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東急電鉄では、2020系の増備による田園都市線8500系の代替を続けており、2021年度は9編成の増備が予定されています。

このうち、8月下旬に甲種輸送がされるものとみられる2148Fが既に総合車両製作所を出場し、京急逗子線の神武寺駅付近まで輸送されています。

これまでも前日夜ではない事例は何度かありましたが、1ヶ月近くもの期間が開くことは極めて異例な動きと言えそうです。

8月下旬に輸送されるはずの2148F

東急電鉄では、2017年度より新形式2020系を投入し、田園都市線で残存している8500系の淘汰を進めています。2021年度は新たに9編成の投入が発表されています。

東急2020系は全て総合車両製作所(J-TREC)が受注していますが、編成によって新津事業所で製造した事例・横浜事業所で製造した事例が混在しています。

新津事業所は年間250両程度の生産能力を有するものの、JR東日本の子会社である新津車両製作所時代から一般タイプの車両に特化した車両工場となっています。

同所では同時期に山手線E235系の製造を中心としていましたが、10号車を転用改造する都合などから投入ペースが大きく落とされており、余剰能力を東急電鉄向けの2020系の製造に充てたことが推測できます。2143Fより、横浜事業所で生産する体制となりました。

2021年度は2149Fまでが投入されることとなりますが、このうち2148Fが7月27日未明に横浜事業所から京急逗子線の神武寺駅付近まで輸送されました。

商業誌にて8月下旬(第四週)に2020系の甲種輸送が設定されていることが明らかになっており、1ヶ月弱もの間、甲種輸送を待つ格好となりそうです。

一方で、1ヶ月近くもの間の留置が実施されること自体への疑問も残ります。今回の移動はあくまで一時的な都合で、後日いったん戻される可能性も否定できません。

大量に目撃されている製造中・入場中の車両

今回の動きは、総合車両製作所の何らかの都合で輸送待ちの車両を置いておくことが難しくなったことが想像できます。

これまで輸送作業の都合で数日前倒しで実施された事例もありますが、今回は事情が異なりそうです。

現在目撃されている情報と各事業者の増備計画から、J-TREC横浜の現状を考えます。

都営5500形 5527編成

東京都交通局では、これまで都営浅草線の使用車両について、5300形から新型5500形に置き換える動きが進行しています。

既に7月15日に5526編成が出場しており、残されるのはラストナンバーの5527編成のみです。

都営10-300形 増備車

都営新宿線についても、2021年度に4編成の10-300形増備が発表されています。

これにより、従来の10-300形のうち8両編成のまま運用される10-370〜10-440の8編成(E231系世代の初期車)を新造車両の投入により置き換えることで置き換える動きが進行します。2022年度に10両化を完遂する計画です。

これまでも番台区分がされておらず、10-640編成の続番となる10-650編成と見られる車両が製造されている姿が目撃されています。

京成3100形(3150番台)

京成電鉄では、2019年度より新形式3100形の投入を行なっており、これまで3151編成から3154編成が投入されていました。2021年度には2編成の増備を発表しています。

このうち3156編成とみられる車両がJ-TRECにて目撃されています。

欠番となりますが、残された車両は2019年度・2020年度と同様に日本車輌製造が1編成を受注しているものと推察できます。これまでも奇数が日車・偶数が総車となっていました。

東急電鉄5080系 5181F

東急電鉄では、これまで3000系の相鉄直通改造工事を総合車両製作所と自社の恩田工場併設の東急テクノシステムで同時進行していましたが、これの完了とともに2021年度から5080系に同様の改造を進める動きが始まりました。

東急電鉄 増結用中間車

東急電鉄ではこのほか、相鉄直通に先駆けて目黒線の使用車両を全て8両編成とすることを発表しています。

東急電鉄の入籍日は2022年度となりそうですが、2022年度上半期から増結を順次行うことを考えると、年度内後半となる現時点で一部は着工していることが想像できます。

また、この転用には東急6000系のうち“Q SEAT”連結のために外された元デハ6301,6302が加わることが想像でき、既に搬入済となっています。

京急1000形(1890番台)

目撃情報が少ないものの、京急電鉄では2021年度に新1000形1890番台を4両3編成増備することが発表されています。

過去実績から、総合車両製作所が受注しているものと考えられます。

JR東日本 E7系

JR東日本では、従来の北陸新幹線に加え、上越新幹線で運行されているE4系“Max”やE2系の代替を目的に、2018年度よりE7系の増備を再開しています。当初は2022年度末までのE7系への統一を予定していました。

しかし、2019年夏には長野新幹線車両センターが水没しE7系8編成とJR西日本所有のW7系2編成が使用不能となり、11月に全編成廃車が発表されたほか、その後の車両計画も大きく見直されています。

2021年度には総合車両製作所が約7年ぶりに新幹線製造を行い、最初の落成となったF43編成が7月に陸送・航送(トレーラーと船舶での輸送)されました。

このほかにも1編成の存在が目撃されており、1編成辺りの編成両数・車両の大きさともに大きいE7系が構内に置かれていることで手狭になることが想像できます。

特に搬出が陸送となるため、その吊り上げ・載せ替えスペースを確保する必要も生じます。

8月の甲種輸送日程と隣接または同日・もしくは搬出作業に支障が生じることなど、E7系関連で通常にはない新造車両の早期搬出とされた可能性が高そうです。

また、依然として欠番とされているF28編成であると仮定すると、2020年度の落成予定が何らかの都合で延期された=その時点で2148F甲種輸送の日程が既に決まっていたことが想像できるため、やむなく……といった流れが考えられます。

次のE7系がいつ出場するのかは定かではありませんが、この動向で答え合わせが出来そうです。

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記事内掲載写真は、TransNana様(@6020Butler)より掲載許諾を頂いています。

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