
JR東日本では2020年以降、車両新製・転用の計画見直しにより、首都圏各方面で余剰車両が発生している状態が継続していました。
9月24日、中央・総武線各駅停車(中央・総武緩行線)について、2027年春のワンマン化が公表されました。
同日の労働組合資料では対象車両について「E235系0代」という記載があり、以前から労働組合資料で示されていた「E235系配置計画」が山手線E235系の転入であることが明示される内容となっています。
同線を巡っては、2024年11月に2030年までのワンマン化実施予定線区と公表され、E231系の車両改造も開始されたばかりでした。
コロナ禍減便と余剰車両

JR東日本を含む鉄道事業者各社では、2020年のコロナ禍によるリモートワーク推奨等の時勢的背景から、2021〜2022年に相次いで減便・減車を含むダイヤ改正を実施していました。
その後は本数を戻す施策を採った事業者・100%の回復を諦めて今後を見据える事業者に分かれ、後者を選択したなかでも車両采配については会社毎に異なる動きとなり、JR西日本が近畿エリアの減便による余剰車両を京都へ集約し、113系・117系を代替する(過去記事)などの計画変更が見られました。
JR東日本も特急型車両の置き換えについては、既存車両の用途を変更することで高崎線特急用の651系(過去記事)・房総特急用の255系を代替する(過去記事)などのやりくりをしていました。
一方で、JR東日本の通勤・近郊用の車両については各線区ともに予備車増加に留まっており、小山車両センターのE231系が不定期で尾久車両センターへの疎開を繰り返していたほか、山手線用のE235系は一部の編成が試験以外の用途で長らく使用されていないなど持て余し気味の状況が続いていました。
山手線の余剰車転用が確実に

2025年1月にJR東日本輸送サービス労働組合が公開した資料では、「E235系の導入時期を明らかにすること」といった記述があり、中央・総武線各駅停車(中央・総武緩行線)にE235系の投入計画があることが読み取れる内容でした。
この文面からは、中央・総武線各駅停車で使用されているE231系淘汰を目指し新製車を投入するのか、余剰車の活用に留まるのかは断定できる内容ではありませんでした。
特に、2024年11月のワンマン化が公表されたのと前後して、E231系500番台にワンマン化に向けた改造が始まっています。
この時点において、少なくとも公表された2030年時点ではE231系が一定数残存することが想像される状態で、E235系投入については山手線余剰車の転入に留まるという見方が有力な状態でした。
9月24日に別の労働組合が新たに公開した情報では、同線へのE235系配置についてより具体的な内容が示されており、対象車両として「E231系500代・E235系0代」、実施時期として「2027年春」(過去事例から2027年3月改正と推定される)、『「対象となるE235系0代は山手線で現在使用している車両でいいか?」「現在山手線で使用している車両の0代を一部を改造して使用する」』といった記述が見られました。
これにより、以前からファンの間で憶測が飛び交っていた山手線用E235系余剰編成の活用方法については、ファン予想の筆頭かつ先代車両と同様となる中央・総武緩行線へ転用される動きが具現化に向けて計画が進められていることが読み取れます。

対象外のE231系0番台の行方は……?

2024年下半期からの改造では、山手線出身のE235系500番台にワンマン運転対応設備の追加工事が行われています。
今回の話題はある程度予測しやすい動向ではあるものの、同線区で6編成在籍しているE231系0番台がワンマン運転改造対象から外されていることも特筆されます。
労組資料・ワンマン化前倒しの公式発表を総合すると、2026年度内≒2027年3月であろうダイヤ改正までの約1年半以内にE231系0番台が中央・総武線各駅停車の運用を離脱することが極めて濃厚な状況となりました。
中央・総武線各駅停車用のE231系は、山手線用に新製された500番台は転入以前からホームドア連携に対応した設備を有しており、0番台のうち同線に残留する6編成についても編成組み換え・機器更新と同時にホームドア連携に対応するための改造が施されています。
一見するとホームドア連携設備を既に搭載している=他線区でも活用可能な車両と括られそうですが、ホームドア連携の通信方式が異なるために再転用をする場合は別途改造が必要な車両であることが特筆されます。
中央・総武線各駅停車では、山手線用E231系が搭載していたホームドア連携設備を活用しています。
そのため、2025年にワンマン運転開始となった南武線など、現在各路線で並行整備が進められている無線方式のRFIDタグを使用した通信方式ではなく、トランスポンダ設備を搭載(車両の床下と線路上で情報伝送をする方式)となっています。
同様の方式を採用していた山手線・京浜東北線と同時期にホームドア整備が優先的に実施されてきた通り近代的な装備を有していますが、今後の他線区転用においては無用の長物となってしまいます。
武蔵野線転用?

E231系0番台の有効的な転用先として、最も考えやすいのが武蔵野線転用でしょうか。
武蔵野線には43編成のE231系が集中配置されている一方で、209系500番台も11編成配置されています。単純に209系の一部代替を進めることで、車両の近代化を進められます。
現在のJR東日本では、各線区でワンマン運転・ホームドア設置に向けた準備が進められています。
各線区ともE231系世代以降でこれらの対応が進められており、システム面が異なる209系500番台の混在は解消できるに越したことはない印象を受けます。
このほか、武蔵野線は年々混雑が深刻になっており、新生活の4月にはいわゆる「積み残し」が生じるなど、朝夕ラッシュ対応のために車両配置数増加があっても不思議ではない線区です。
環境上は極めて合理的な印象を受ける一方で、11編成在籍する武蔵野線用209系を完全代替するには至らない編成数である点が気がかりです。
209系500番台を「むさしの号」「しもうさ号」といったホームドア連携非対応・ツーマン列車用と割り切って残存させる体系などのトリッキーな対応をしない限りは全数淘汰は不可能です。
また、先述の通りホームドア連携については別途整備が必要であることも気になります。
ホームドア設置・ワンマン運転などの近代化が後回しになっている京葉線・武蔵野線においては喫緊の障壁とはならないものの、将来的な車両采配での1つのトリガーになりそうです。
川越・八高線転用?

209系500番台・E231系0番台の転用では、電動車数の都合で武蔵野線と川越・八高線双方に両形式が共存する構成となっていました。
八高南線・川越線で使用されている同区分は209系3500番台が5編成・E231系3000番台が6編成といった布陣です。
首都圏各線区でE231系世代の継続使用前提で進んでいる現状では、システム的にも上位互換・取り扱いも簡略化であるE231系に統一するメリットは一定数考えられます。
一方で、209系世代の中でも比較的経年・改造から年数の浅い209系3500番台について、閑散線区向けかつワンマン化改造施工済みの車両を優先的に置き換える必要性はそこまで感じられません。
川越・八高線用の3500番台を巻き込む動きとなる場合、更なる玉突き転用による車種・車両経年・人的コスト削減といった何らかのスケールメリットを享受できる狙いがある動きとなりそうです。
新たな線区へ?

211系を延命してまでE131系・E235系の新製数を抑制している現状では、かつての房総用211系のような場凌ぎ的な車両転用が生じても不思議ではありません。
その他の動きとしては、E233系の転用とE131系増備により置き換えが進められることが労組資料で示された、房総エリアの209系2000・2100番台の置き換えに加勢する動きも考えられます。
特に、先述の武蔵野線・八高線の動きを交えた場合、E131系新製配置までの繋ぎとして209系3500番台を使用することで、ワンマン化や車両代替をある程度進めることが可能です。
捻出した武蔵野線用の209系を幕張車両センターに配置し、千葉近郊の8両運用を代替……などであれば、209系・E231系ともに大きな改造なく運用出来そうです。
トイレが無くなるデメリットこそあれど、トイレや中間運転台がなくなり、拡幅車体で混雑緩和となれば朝夕の千葉近郊で役立ちそうです。
過去にはE231系で中間付随車の機器更新を見送っていた事例がある(ただし大勢が後年に機器更新)ように、他線区の輸送体系刷新を含む複雑な動きになることも想像されます。
他線区を巻き込むパターンで想像しやすい動きとしては、松戸車両センター所属の常磐線快速用のE231系と組み換えを実施することで、武蔵野線209系500番台全数淘汰の動きでしょうか。
こちらも以前よりはやや余裕のある車両配置数ですが、もし転出後に足りない場合は成田線の持ち替えや朝夕にE231系近郊タイプやE531系の間合い運用を設ける、余剰となっているE233系2000番台の活用など、さまざまな調整があり得る環境です。
E235系の転用自体はファン予想でも多く聞かれた声ですが、代替されるE231系の今後についてはなかなか予想が難しく、続報・実車の動きを待ちたいところです。







コメント
松戸のE231付属編成と組み替える場合、サハ車が不足してしまいそうなのが心配ではありますが
松戸車両セを巻き込むなら組み換え+羽田空港アクセス線用増備をセットでやると思いますけどね
編成を減らすという流れはあり得ないかと