【減便】高崎,宇都宮,東海道線の通勤快速・日中の快速アクティー運行終了へ

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2021年3月13日のダイヤ改正で東海道線特急踊り子号の185系引退・湘南ライナーなどの運行終了が注目されていますが、東海道線・高崎線・宇都宮線の“上野東京ライン”では、それ以外の優等列車も運行体制が一新されます。

愛称がついている東海道線“快速アクティー”の日中運行や、宇都宮線と高崎線で運行されてきた通勤快速が運行を終了します。

白紙改正される上野東京ライン

2015年3月に上野東京ラインが開業してから6年が経過し、都心部の人の流れも大きく変化してきました。並行する山手線・京浜東北線のユーザーが推移して混雑緩和に貢献しています。

JR東日本の近郊路線の東海道線と宇都宮線・高崎線・常磐線を1つの線路で結ぶという運転体系の変化に加え、旧来の田町車両センターの留置車両が直通によって削減・効率化されたことで、品川駅周辺の再開発も着々と進行しています。

この2015年3月のダイヤ改正では異常時の折り返しや車両運用などに様々な工夫が実施されていましたが、今回はそれ以来の運行パターンを大きく変えるダイヤ改正となります。

従来の高崎線・宇都宮線では、新宿方面(湘南新宿ライン)が2・東京方面(上野東京ライン)が3・上野止まりが1となっていた日中パターンダイヤについて、上野止まりが削減されて毎時5本を基本としたパターンに変更されます。

これにより、上野駅地平ホーム発着の普通列車が朝夕時間帯のみとなり、かつて優等列車の始発駅として賑わった13番線〜17番線の発着列車は更に減少することとなります。

東海道線では、平塚駅以西の運行本数が削減されるとともに、通過駅救済のため日中時間帯の快速アクティーが運行終了となります。

3路線で一気に廃止となる“通勤快速”

ラッシュ時間帯では、東海道線・宇都宮線・高崎線のそれぞれ夕方下りに運行されていた“通勤快速”がそれぞれ快速“アクティー”・“ラビット”・“アーバン”に格下げとなります。

これらの通勤快速は上野東京ライン開業後も東京駅・上野駅始発で運行されており、着席通勤をする遠距離利用者の利便性を確保していました。宇都宮線・高崎線では快速と停車駅を変えることで需要を分ける千鳥停車の側面もありました。

今回これらの列車は全て快速となり、運転本数の割りに種別数が多い状態が改善することとなります。

減便をするために優等列車を削って減便の影響を小さくするという手法は、昨年の埼京線武蔵浦和〜大宮駅間でも実施された手法で、これ自体はJR東日本以外でも減便をする際に一般的な変更です。

また、遠距離通勤の着席確保の趣旨はこれらの快速列車が引き継いでおり、今回のダイヤ改正では代替となる快速“アクティー”・“ラビット”・“アーバン”は通勤快速を継承して東京駅・上野駅始発の運行となります。

設定経緯を考えれば自然なものですが、上野東京ライン開業以来見られていた“東海道線内アクティー”といった直通列車ならではの行先表示を見る機会が失われることとなります。

全体を通して、列車の削減・運行区間縮小傾向と言わざるをえません。この路線系統では減便の他にも減車という選択肢もありますが、今回は日中の運行本数減少で余裕が生じたのか、朝夕ラッシュ前後の15両編成での運行が微増しています。

情勢を考えると仕方ない面もありますが、東海道線では東京→大船間で全駅停車のアクティーが大船で普通列車を追い抜く……などといった不可思議なダイヤになっている箇所もあり、次回以降のダイヤ改正で更なる整理がされるかもしれません。

上野駅13番線ホーム発の列車も……

このほか、日中時間帯に少数運行されていた13番線始発列車も定期普通列車では設定がなくなります

かつて寝台特急が発着するホームとなっており、現在もホーム高さが客車用の低いものとなっていました。“東北の玄関口”の名に相応しい構造で思い入れのある方も多いかと思います。

上野東京ライン開業後は16番線・17番線の特急ホームの改札口が廃止されたことで、16番線発の普通列車・快速列車の発着制約がなくなりました。

このホームはまだ常磐線特急のホームという印象がありますが、かつて651系が出入りしていたスワローあかぎ号のほか、普通列車・快速列車が16番線発着となっており、これにより13番線の使用頻度が年々減少してきたものと考えられます。

かつてのJR東日本では、上野駅13番線や品川駅臨時ホームを活用した車両展示イベントなどを多く実施していました。地方線区などの新しい観光列車はデビュー前にこれらの駅で展示イベントをしてPRをする事例が多かった印象です。

都心部では珍しくなった用途がない上野駅13番線。現在は両国駅3番線で時折実施されているようなイベントの実施など、効果的な活用に期待したいですね。

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コメント

  1. ロッキー より:

    自社の新幹線が並行して走る大阪~姫路間でも新快速を運行しているJR西日本との方針の違いを強く感じます。
    JR東日本の営業基本方針は「在来線利用者の自社新幹線への誘導=増収」であり並行して走る高崎線や宇都宮線の快速電車は本数を少なめに且つ停車駅を多めにして利便性を低くすることで新幹線との差別化を明確にして増収の最大化を図ろうとする意図が見え見えですね。