【小山車】房総新型E131系が日光線・東北本線宇都宮以北へ投入か・205系600番台の代替

スポンサーリンク
サムネイルはイメージ画像です

新たなローカル線区の標準車両として開発されたE131系。2021年3月13日の改正より房総エリア(外房線・内房線・鹿島線)にて営業運転を開始することとなっています。

異例とも言える2両4扉の新造形式の今後の展開に注目が集まるなか、3月8日に公開された労働組合資料により、元京葉線“メルヘン顔”を中心とする205系600番台の代替として、E131系の導入計画があることが明らかになっています。

何度も計画変更?205系・211系世代の転用歴

写真:京葉線譲りのメルヘン顔が主力の205系600番台

JR東日本では、国鉄が製造した115系・国鉄型の機器を流用して自社製造された107系の世代交代として、E233系導入で余剰となった205系・211系を地方線区へ転用しています。

当初の計画では、東海道線で活躍していた田町車両センター211系のうち基本編成が中央線6両運用・付属編成が新潟エリア、高崎線・宇都宮線で活躍していた高崎車両センター・房総エリアで少数配置されていた幕張車両センターの211系が高崎エリア・長野〜甲府エリアに配置されることとされていました。

メンテナンス効率向上のためにVVVFインバータ制御化することで“新系列電車”として検査周期を伸ばすこと、日光エリアで6両編成が計画されていたこと、1M1Tの2両化も候補にあったことなど、当時のファンサイトとして大御所だった「国電総研」さん(リンク:昔からのサイトで非保護通信)が記しており、当時のJR東日本の車両の動きを追いかけるファンの方なら何度も目にしたことがあるものでした。

実際に日光線で1Mカットの試運転・東海道線211系付属編成の疎開の動きなどがあり、計画変更が途中で加わったことは間違いない動きとなりました。

最終的には新潟エリアはE129系の集中投入・宇都宮エリアは京葉線の205系に加え埼京線の205系で全て4両・そして全路線ともにVVVF化は実施されていません。

E231系での代替を考慮していたはずだが……

E231系が機器更新時期となり、宇都宮線を中心に幅広く活躍する小山車両センターのE231系近郊タイプ・常磐線快速電車の松戸車両センターE231系通勤タイプについては、中間付随車の機器更新を見送り。近い将来の編成短縮を強く意図した動きとなりました。

当時の組合資料などでもE231系の転用を示す記述が複数あり、最小限の転用工事とされた205系600番台・211系についてはE231系の転用を意図していたうえでの動きだったものと考えられます。

しかしながら、東日本大震災以降の車両開発・投入は鈍化しています。単純に予定外の多額の出費があったことや、当時開発していた山手線のE235系・中央線特急のE353系がともに試験に苦戦しており、車両計画に狂いが生じたことが背景にありそうです。

そして、E231系については中間車についても機器更新を追って施工することとなり、この時点で車両計画は大きく書き換えられたものと推測出来ます。この時点で次の機器更新時期となるE233系の転用が転用対象とされることとなったものと考えられます。

時系列からすれば、E131系の開発はこれに前後して始動したプロジェクトとなります。

この頃からのJR東日本の中期経営計画では、将来の人口減少社会を見据えた「ワンマン化」「ドライバレス」といった省力化が大きなポイントとなります。依然として人件費削減と捉えられる面もありますが、鉄道維持コストを下げることで赤字路線の存続に繋がるのであれば、利用者にとっても悪い話ではないはずです。

鉄道会社として生き残りをかけた“挑戦”が始まるとともに、新技術・標準化・省力化を強力に推し進めるべく開発された、地方鉄道路線の切り札とも言える本気度の高い電車と言えそうです。

E131系の日光線・宇都宮線投入

0番台の写真を基に作成したイメージ画像

今回の新たな情報としては、小山車両センターの205系代替としてE131系が導入される計画であることとなります。文面からすると、2022年からの205系の検査期限に前後する格好で姿を現すこととなりそうです。

以前から東北本線宇都宮〜黒磯間の今後の展開はファンの間でも予想が割れており、宇都宮線付属編成での運用共通化・東北本線E531系での宇都宮〜新白河直通など、どのような動きとなっても不思議ではない路線でした。

E131系の投入計画が明らかになったものの、導入時期や編成構成・運用体系などについては依然として不明なままです。

205系600番台の投入に際し、従来の107系2両編成や高崎からの115系乗り入れなどを整理して、4両編成または2編成併結の8両編成に整理されていました。

これ自体は運用効率が向上している一方で、それまでの日光線では107系6両で運行されていたところが減車となったり、そもそもの配置数に余裕がなく観光列車“いろは”化改造がされて以降は歪な運用体制となるなど、実態に合ったものとは言い切れない状態でした。

今回のE131系導入によって、房総エリアのように需要に基づいた柔軟な編成構成とされることに期待したいところです。

一方で、房総エリア同様に基本的には減車傾向となりそうな点は気がかりです。

特に東北本線については、E531系3000番台や既存の上野口直通なども効率よく活用した運転体系に期待したいところですね。

なお、東北本線の運用が代替されると、JR東日本管内から205系の“原形顔”が、日光線を含めて両路線とも代替されると“メルヘン顔”が姿を消し、残されるのは山手線撤退・転用で誕生した“先頭化改造車”のみとなります。

写真:黒磯駅構内の交直セクション移設で誕生したE531系3000番台の東北本線運用

E131系の投入が考えられる他路線の今後

今回は日光線・東北本線宇都宮〜黒磯間の205系600番台の今後が言及されていますが、この他にも各地で動きが発生しそうです。

既に過去の組合資料ではE233系の転用候補として高崎エリア(211系)・甲府松本エリア(211系)・千葉近郊エリア(209系)・仙石線(205系)が挙げられており、いずれも車両経年から置き換え時期が近そうな車両です。

209系以降の新系列電車世代では、編成短縮を実施する際に中間車の解体とされており、先頭車化改造は実施されていません。これについては衝撃吸収構造とされていることが背景と言われており、改造自体は本線走行をしない209系訓練機械(車籍がない訓練車)の例があります。

E233系の転用が示唆されていない205系が運用されている路線は、鶴見線(3両)・南武支線(2両)・相模線(4両)が挙げられます。

鶴見線はその路線の歴史から3両編成以下での運用という制約があることから、E233系ではなくE131系の投入が自然な路線です(検測車で4両編成の走行実績はあり)。

南武支線も同様に、2両編成での投入という条件からE131系が最適と言えるでしょう。

両路線では架線レスを目的としたFV-E991系試験車の運行計画もありますが、駅掲示ポスターにて205系が間もなく代替されることが記述され、すぐに剥がされた……といった過去があります。

鶴見線の朝晩の混雑を考えると2両化は考えにくく、単純に同数程度のE131系の投入がありそうです。トイレなし・オールロングシートと0番台とは異なる仕様が考えられます。

205系の転用では、鶴見線・南武支線の予備車共通化を目的としてクハ+クモハ+クモハという共通予備編成が計画されていた歴史があります。今回こそ2両+増結車1両という編成が登場しても不思議ではありません。

一方の相模線は4両編成で、一見するとE233系の転用の方が自然な路線です。

ただし、相模線の205系は電化をした際に4両編成に統一された経緯があります。純粋にE131系4両固定編成が初登場となる可能性もある一方、輸送能力の最適化という観点で考えれば、E131系で2+2両編成を用意して時間帯ごとに柔軟な運用をする歴史の“逆戻り”も十分にあり得そうです。

単純な同数代替で考えれば、大規模な改造が発生するうえに飛び地で扱いにくい仙石線にE129系またはE131系・改造メニューがかなり少なく済む相模線にE233系とした方が自然です。E131系の相模線投入が実施された場合は、何らかの輸送体系の変化の狙いがありそうです。

このほか、組合資料ではE233系の投入とされている“甲府・松本地区”以外の211系についても、必要があればE131系の投入があっても不思議ではありません。あえて長野地区と記載していない点が気になりますし、E127系の代替を考えれば一部の211系運用もE131系の導入が最適解にも思えます。

また、E131系の営業エリア外での試運転は中央本線で2日間実施されており、ダイヤも試運転では珍しい各駅停車で設定されており、単純な勾配試験だけとは思えない動きです。

写真:高尾〜小淵沢間で2日間実施された試運転

E131系の投入は数年で一気に進む?

JR東日本の傘下には総合車両製作所があり、横浜の東急車輛製造合併以前から新津事業所(当時の新津車両製作所)では工場稼働日に1日1両=年間250両ペースでの製造能力を有しています。

現在公式発表・報道がされているのは2023年度末までに横須賀線・総武線快速電車向けのE235系1000番台の11両51編成・4両46編成=745両ですが、横浜で製造されるグリーン車102両を除くと643両です。京浜東北線・横浜線向けのE235系は公式発表ではないものの、2024年度以降の投入と報道されています。

2020年度製造分はF-08編成・J-08編成までの120両となっており、残り625両のうち86両がグリーン車ですので、新津では向こう3年で539両が製造されることとなっています。

これは年間180両ペースで、その他の製造車両は東急電鉄の2020系や目黒線増結車の一部が割り振られることとなりそうですが、それを差し引いても年間数十両程度の増備は可能となりそうです。

E131系投入が考えられる路線は配置数が少ない路線ですので、JR東日本が“本気”を出せば先述の両数程度のE131系投入は一気に行われても不思議ではありません

ワンマン化・ドライバレス化など、人口減少時代を見据えて抜本的な輸送の省力化を進めてきたJR東日本。地方路線の新しい切り札として開発されたE131系が首都圏各地で見られる日を楽しみにしつつ、終わりが見えてきた205系・211系世代の乗車・撮影などの記録もしっかり行っておきたいですね。

関連記事

E131系投入と房総方面の世代交代

E235系投入とE233系の地方転用

コメント