【相鉄】増発?予備車?JR直通対応12000系に増備車12106F登場の理由

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2019年11月30日の相鉄・JRの直通運転開始から2ヶ月半が経過し、少しずつ利用者にも親しまれつつあります。

依然としてカメラを構える一般利用者も見かける12000系ですが、ダイヤ改正で出揃っていた5編成に加え、増備車となる12106編成が登場して注目を集めています。

直通運用は4運用のみだが……

相鉄とJRの直通運転では、JR東日本からは埼京線用のE233系7000番台が共通運用で使用される一方で、相鉄側は直通運転開始に伴って開発・製造された12000系が専用形式として運用されています。

この12000系ですが、平日・休日共に4運用が設定されており、直通運転で使用される本数が多いラッシュ時間帯以外は相鉄線内を走る運用が所定で組み込まれています(71〜74運行)。

ダイヤ乱れ時にはJR車両の運用を代走した経験こそあるものの、運用変更・車両交換を繰り返す形で対処することで、新宿以北・川越車両センターなどの外泊を避けています。

ダイヤ改正の時点で5編成が出揃っており、現在までのところ、特別の車両不足に陥ることはありませんでした

5編成で十分にも感じますが、最終増備車となる12106編成(正式表記=12106×10)が本日、総合車両製作所を出場して注目を集めています。

20000系増備開始を前に増車

相鉄では今後、相鉄・東急新横浜線を経由して東急目黒線・東横線、そして東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線、都営三田線といった大規模な相互直通運転が計画されています。

既に20101編成が製造・営業運転に充当されていますが、今後はこちらの製造にシフトする予定です。

12000系は総合車両製作所のsustinaブランドですが、20000系は日立製作所のA-trainブランドとなります。

今回の12106編成の製造を最後に、今後は日立製作所にて20000系の量産が始まる予定です。

20000系ではなく12000系を製造した背景は?

以上のように、相鉄で今後必要となるのは東急線方面への直通運転に使用する20000系です。

それにもかかわらず、必要数が賄われている感じも否めない12000系を投入することに違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。

具体的な理由は明らかにされていないものの、ダイヤ乱れ対策・予備車確保・長期運用離脱対策などの様々な観点が考えられます

今後、東急直通が開始すると、現在以上にダイヤ乱れの影響を受ける可能性があります。

日中・夜間の時間帯はJR東日本のE233系が多数留置される運用体系となっていますので、代走車両を出すことは難しくありません。

しかしながら、朝の時間帯には全て出払う運用となっているため、早朝に輸送障害等が発生した場合、突発的に車両を捻出することは難しい状態です。

また、現在1形式1編成の20000系がそうであるように、踏切事故などで長期運用離脱が発生すると、12000系の予備車はゼロとなります。

また、数年後には既存の5編成が定期検査時期を迎えますので、この時期も予備車が確保できません。

これらのことを踏まえると、今すぐに必要な車両投資ではないものの、今後を考えると線内運用車両を1編成置き換えて12000系としておくという体制は適切と言えるでしょう。

事実、直通開始前の計画の時点で12000系の製造数は6編成とされていました(その前の当初計画では11000系の直通対応改造車を共用する計画)。

このため、あくまで12000系に不足が生じたわけではなく、計画通りの6編成目が登場した……という格好です。

在来車は線内運用でしか活用できない一方、12000系はJR直通・線内運用双方で使用できる上位互換です。

今後は20000系の製造も予定されていますが、この20000系についても同様に線内運用の一部持ち替えを想定しているものと考えられます。

機器更新時期の8000系を早期置き換えすることで対応する格好と思われますので、現在置き換えが進められている新7000系に続き、今後は8000系初期車・9000系9701編成の動向に注目が集まりそうです。

直通運転開始以降、ダイヤ乱れの影響を受けることも多い相模鉄道。

増備車の登場で、より安定した輸送体系となることを願いたいところですね。

増発・品川方面への運行にも期待

利用者からは、品川方面への運行に期待する声も少なくありません。

そもそも相鉄側としては、東急線直通が始まれば、渋谷・新宿・池袋方面へのアクセスは東急線経由の方が安くて便利な系統となります。

一方のJR東日本としては、武蔵小杉駅を中心に混雑する湘南新宿ラインの混雑緩和が一番の目的ですので、品川方面への運行の旨味はあまりありません。

相鉄側としては前向きに検討したいようですが、JR東日本側に何らかのメリットが生まれない限りは実現は難しそうです。

また、30分に1本という本数自体の増発にも期待したいところで、車両運用自体は線内運用を持ち替えれば日中も20分間隔での運行も実現できそうです。

あとは今後の利用者数変化次第といったところでしょうか。

JR線方面への直通プロジェクトについては、この12106編成の登場を以てひと段落と言えそうですが、今後も相鉄では東急線方面への直通運行、線内用の10000系・11000系のカラー変更など、大きな動きが続きそうです。

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コメント

  1. 371系あさぎり より:

    相鉄からの電車が品川に直通できるようにするには以下の3つの施策をクリアする必要があると思います。

    ①横須賀線が10+5両の運転に出来ない要因を解消する(田浦駅はじめ逗子~久里浜間の15両化)。
    ②羽沢横浜国大~武蔵小杉間で相鉄からの10両に前5両を連結する場所を作る(つまり新川崎に旅客ホームを新設する)。
    ③相鉄線の列車に2階立てグリーン車を2両連結させる。

    個人的には、JR東日本にも相鉄列車を品川方面に直通するメリットがあると思いますが、やはり田浦の15両化工事が最大の障害なのだろうと思います。