【山手線】残り2編成!E231系が終夜運転に登板予定……だったが運用変更

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山手線の顔として親しまれていたE231系500番台の置き換えがまもなく完遂します。

最後の年越しとなる2019年〜2020年には、52編成のうち現在も残っている2編成が内回り・外回り各1編成ずつ終夜運転に登板する運用が組まれ、ファンからは期待の声が上がっていました。

実際にはダイヤ乱れで両編成とも入庫していますが、この背景を考察していきます。

粋な運用計画も虚しく運用変更

東京の大動脈と形容される山手線では、長年に渡り大晦日〜元日にかけて終夜運転が実施されています。

2019年〜2020年についても、例年同様に多数の列車が運行され、初詣・初日の出に向けて移動する行楽客の便宜を図っています。

今年も多くの利用者が乗車しており、JR東日本のアプリではラッシュ時間帯のような混雑表示になっています。

主要都市では一般的な終夜運転ですが、普段は見られない列車番号・運転体系ということもあり、ファンの方・特に乗車が好きな「乗り鉄」の皆さんには毎年この終夜運転を楽しみにされている……という方も多いのではないでしょうか。

今年の山手線ですが、52編成中50編成が置き換え済となっていたE231系500番台が山手線での最後の年越しとなっており、山手線を中心に乗車・撮影しようと考えていたファンの方も多かったのではないでしょうか。

各SNSなどで前日に登板が噂されていましたが、この背景は終夜運転の列車にも列車番号が付与されており、JR東日本公式ホームページなどでそれが確認できる状態でした。

山手線の列車番号は4桁のうち上2桁が始発駅(大崎)の発車時間帯(16時台=16**G)、下2桁が運用番号となっているため、列車番号を見ればどの編成が終夜運転に使用されるかが推測できる……というカラクリです。

12月31日に外回りの休日27G運用にトウ505編成・内回りの休日16Gにトウ506編成が充当されており、列車番号・時刻からそのまま終夜運転に使用されることが確実と見られていました。

車両の動きを考えると、2編成しか残っていないE231系が2編成とも終夜臨に登板される計画だったはずです。

しかしながら、ファンの期待も虚しく、線路内人立ち入りの影響で外回り・内回りとも15分〜20分の遅れが発生したことにより、後続の運用に変更される「段落とし」と呼ばれる運用変更が発生

10編成以上が約12分間隔で走行する終夜臨への登板がなくなり、車両基地に収容されることとなりました。

ファンサービスだけじゃない?終夜臨に登板させるメリット

以上のように、本来は終夜臨で最後の年越しを狙っていたことは明らかな動静でした。

車両運用を管轄する東京総合車両センターの担当者もなかなか粋なことを企んだな……と感じる方も多いと思いますが、実は営業上のメリットも存在します。

これは、山手線の世代交代に際して、車の車検と同様に定期検査施工のタイミングで置き換えを進めていたことに関係します。

鉄道車両は、経年と走行距離で定期検査時期が決められています。

JRグループだけでなく、私鉄各社を含め、都心部の鉄道車両の多くは決められた年数より前に走行距離が基準値に達して検査入場時期を迎えることが一般的です。

そのため、既に入場日が決められている車両については基準値いっぱいまで使用することが一般的です。

ファンからは「距離稼ぎ」などと呼ばれるこれらの運用ですが、残される他の編成の検査日を少し引き延ばすことに繋がりますので、営業上のメリットを考えれば妥当な使用方法と言えるでしょう。

山手線E231系の残存編成についても、特に調子が悪い車両でもなく、性能差で運用制限があるわけでもないので、朝から晩まで走り込むという使い方をするのも納得するところですね。

鉄道会社とて営利企業。ただのファンサービスだけではない、ちゃんとした営業上の目的あっての計画だったものと考えられますね。

E231系の淘汰まであと1ヶ月

年越しは残念なまま終わってしまいましたが、2020年1月のうちに全ての山手線が最新型・E235系に統一される計画が駅掲示・車内アナウンスなどでひっそりと告知済で、この計画が変わったわけではありません。

ダイヤ改正とともにラストランを迎える車両が多いなか、山手線では車両製造・転用車両の改造ペースを基準に置き換えが進められてきました。

今や「古い」山手線E231系もわずか2編成となり、乗車・撮影のチャンスはかなり少なくなっています。

JR東日本のアプリでも運用状況が分かりますので、少し待てば出会えるようでしたら、その勇姿を一目見る価値はあると思います。

東京の大動脈・山手線。読者の方には、205系がこの前引退したと思えばもう20年……と感じる方もいらっしゃるかと思います。

この電車のデビューの頃はこんなことしていたな……などと考えながら乗る山手線もなかなか乙なものですね。

JR東日本の新幹線と並ぶ看板路線ですので、世代交代のペースは最も早い路線と言っても差し支えないでしょう。

E235系の今後の活躍に期待するとともに、既に成熟しつつある鉄道技術にどのような変化が生まれるのか、今後も楽しみな路線ですね。

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サムネイル写真;写真ACより

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