【113系,117系置換か】223系2500番台が京都へ転属〜宮原車も疎開の動き

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JR西日本では2022年3月12日にダイヤ改正を実施しており、各地で減便による車両余剰が発生しています。

減便幅が大きく各地で車両運用減少となっていますが、13日には阪和線・関空快速などで使用されている日根野支所の223系2500番台2編成が京都支所へ回送されているなど、従来の221系転用・201系廃車とは無関係の動きも始まりました。

京都エリアの113系・117系の近況

吹田総合車両所京都支所には、221系の4両編成が22本と223系の4両編成が2本配置されて共通運用されており、嵯峨野線を中心に運用されています。このほか113系の4両編成が12本・117系の6両編成が6本配置されており、湖西線・草津線を中心に運用されています。

京阪神エリアでは以前から国鉄時代製造の老朽車淘汰が進められていますが、この京都支所の113系・117系は数を減らしつつも残存しています。

かつての公表資料では「113系、117系 約170両を新製車両に置換計画あり」との記述がありましたが、同世代車両は岡山や下関などにも数多く残存しており、115系を含むと450両程度存在します(参考:JR西日本 保有車両一覧 PDF)。

2021年11月28日には既存の227系をベースとした新造車101両を岡山エリアへ投入することを発表(外部PDF)、2022年2月16日には特急「やくも」381系の後継車273系が4両編成11本投入されることが公表されました。

岡山向けの新造車が若干の計画遅れが出ながらも発表される一方で、依然として京都向けの代替車の動きが見られず、去就が注目されていました。

2022年3月のダイヤ改正では、湖西線の近江舞子〜近江今津間・草津線の草津〜貴生川間・嵯峨野線の亀岡〜園部間の日中時間帯の列車が毎時2本から毎時1本に削減されるなどの動きがありましたが、朝夕の運転本数が概ね維持されるため、車両運用数は維持または微減に留まりそうな状態です。

2022年3月改正を前にして、3月2日にはS3編成が吹田総合車両所本所へ回送されており、廃車とみられる状態です。

223系日根野車の動き

2022年3月のダイヤ改正では、朝ラッシュ時間帯に快速系の列車が4本減少しており、4両編成換算で最大8本程度の削減が見込まれる内容となっていました。

2022年3月13日午前には、223系のうちHE419編成とHE420編成の2本が日根野支所から京都支所へ回送されています。この時点では疎開または転属が考えられますが、両編成の特徴を踏まえると転属となることが予想されます。

223系日根野車は関西空港開業当初に6両編成+2両編成構成で投入されたほか、5年後の紀州路快速運転開始にあわせて5両編成+3両編成に、2008年のダイヤ改正で4両編成に統一されています。

関空開業当初に投入された車両は前面形状や窓配置などに特徴がある0番台とされた一方で、それ以降の組み換えで不足する車両・編成単位で増やされた車両はJR京都線・JR神戸線向けに新造されていた2000番台をベースとした2500番台とされました。

この複雑な組み換え経緯から、2008年の組み換え以降は0番台のみ・2500番台のみ・0番台3両と2500番台中間電動車の混成・2500番台3両と0番台の中間付随車の混成の4種類の編成構成に大別できます。

両端の先頭車の番号順に編成番号が振られていますが、中間車の番号は組み換え過程に倣ったため明確な法則性はありません。これに加え、主制御装置のメーカー違い・製造メーカーの違いなどの形態差も多く、面白い布陣となっています。

その後の製造は225系に移行され、103系や205系の淘汰のため5000番台・5100番台が投入されており、両形式の4両編成は共通運用されています。

編成構成編成番号総数
0番台4両HE401-HE4099
2500番台4両HE419-HE421
HE424,HE425
HE433-HE435
8
0番台3両
+2500番台1両
HE410-HE4167
2500番台3両
+0番台1両
HE417,HE418
HE422,HE423
HE426-HE432
11

今回京都支所に回送されたのは、このうち2500番台のみで構成された2編成です。8/35と比較的少ない形態の車両が編成番号も連続となるよう回送されており、通常の検査周期調整の休車措置とは考えにくい動向でした。

そして、14日午前中には早くもHE420編成が編成番号を「R52」と改められたことが確認され、これは前年に転入した6000番台2編成がR01,R02編成となっており、この続きの付番です。これにより、京都支所への転属が確実なものとなりました。

後述の通り宮原支所でも車両余剰が発生しており、各所からの寄せ集めとなる場合はなるべく仕様が近い編成を集めることが想像されます。

今回回送されたHE419,HE420編成はいずれも車体構造が異なる0番台が連結されていない編成となっており、編成番号もHE419→R51・HE420→R52とされていることからも、今後も転出させる場合は2500番台中心の編成が選定されるものと考えられます。

京都支所へやってきた2編成と、代替が予想される117系,113系

223系/225系宮原車の動き

宮原支所の223系・225系は、主にJR宝塚線(福知山線)で使用される編成が配置されており、223系が4両編成22本・225系が4両編成3本と6両編成5本在籍して優等列車を中心に使用されています。

2022年3月のダイヤ改正では、JR京都線・神戸線など全体的に運用が減少したため、JR宝塚線では普通列車を中心に運用されていた207系と321系が快速列車運用に進出してます。

これにより朝ラッシュ時間帯の4両編成2本併結の快速列車・日中時間帯の4両編成で運転される快速列車に使用されていた分の223系が捻出されており、3月12日から13日にかけてMA01編成からMA05編成の4両編成5本が宮原支所の客車留置に使用されていた非電化線路に移動しています。このほか、225系6両編成にも運用離脱の可能性があります。

宮原支所の非電化線は客車が多数留置されていた頃の設備がそのままとなっており、寝台急行「銀河」や「トワイライトエクスプレス」が運転を終了して以降は14系「サロンカーなにわ」と少数の12系客車などに限られ、本来の用途は失われつつあります。

この余裕を活用して、近年では長期運用離脱車両の疎開で使用される機会があり、最近では奈良エリアへの転用待ちの221系がしばらく留め置かれていました。

所属基地内の移動ではあるものの、自走での入れ換えが出来ないことから通常時は発生しない動きです。編成番号の端から順に選定されていることからも、単なる検査周期調整のための疎開ではなく、転属等を見越した動きと考えられます。

車両の仕様差は改造する?

京阪神エリアの余剰車が京都支所に転用・113系と117系を置き換える動きが現実のものになりつつありますが、生まれも育ちも異なる両所の車両を京都で使用するには障壁がいくつか挙げられます。

日根野支所の223系2500番台は2000番台をベースに製造されているものの、新造時から座席配置が1列/2列の転換クロスシートとなっており、各2列構造の2000番台や221系などとは座席配列が異なる車両です。

また、帯色が223系0番台から使用されている青と白のグラデーション・窓周りも茶色ではなくライトグレーとされているなど、外観も大きく異なります。

今回の回送では吹田の本所を経由しておらず、日根野時代の外観そのままで京都支所へ回送されており、現時点で外観に目立つ変化はありません。

今後の動向は定かではありませんが、入場して改造を受けてから運用を開始する・京都支所で改造を実施する・編成番号表記変更と221系性能固定化(※)など最小限の修正のみで営業運転を開始するなどが想像されます。

(3/15 加筆) ※ 2500番台は運用線区の仕様から最高時速120km/h設定とされている一方で、加速・減速性能については223系2000番台に準拠したものとされています。明確な文献がないため断定は出来ませんが、2000番台をベースに製造された設計思想から、プログラム変更等で対応可能な範疇と推定されます。

最近でも奈良支所に転用された205系は阪和線カラーのスカイブルー帯のままとされていたり、遥か遠くの大糸線に転用されたキハ120形が岡山支社カラーが維持されていたりと、そのままのカラーリングで運用されても不思議ではありません。

かつての京都周辺の103系や113系,115系などでは、他路線の塗色のまま運用・混結されている光景が日常的に見られましたが、223系でも同様の光景が見られるのか否かが気になるところです。

デビュー後は221系との共通運用が可能となりますが、もし2500番台特有の座席配置を活かして6500番台などと在来編成と別区分にされた場合、従来から混雑しやすい嵯峨野線に優先的に充てられるかもしれません。この場合は個性的な形態で人気の5500番台と併結する光景も見られそうです。

一方の宮原車は、編成番号や所属表記などの書き換えだけで使用することが可能な構成です。

京都支所に昨年転入した元 網干所のR01編成・R02編成は221系同様の120km/h制限とされており、6000番台に改番されていました。

宮原支所の223系も新造から現在まで6000番台とされており、転用がされても特段の変更は不要です。また、JR東西線の剛体架線用に設置され、現在も霜取り用として使用されているパンタグラフ2基設置構成は京都支所の221系・113系・117系でも一部編成で冬季の霜取り運用で活用されており、後継車両としても最適です。

これまで実施されていた221系転用・201系置き換えの動きでは、2021年3月改正で捻出された221系はしばらく疎開の上で2022年3月改正で本格的に投入されました。

京都エリアについても113系・117系と223系は混用が出来ず、113系については増解結列車も多く設定されているため、ある程度まとまった段階で運用入りとされる展開も想像されます。2022年3月改正の103系のように、ひっそりと置き換えが進められる動向となるかもしれませんので、京都の113系・117系も今のうちに満喫しておきたい車両です。

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記事内掲載写真は、フォロワーのじゃがりこ様(@nishi_227)より掲載許諾をいただいています。

コメント

  1. NNNS より:

    JR東西線の所、「構体」ではなく「剛体」かと(剛体架線)

    • 鉄道ファンの待合室 より:

      NNNSさま

      閲覧・コメントありがとうございます。
      ご指摘の通り誤変換でしたので、訂正させていただきました。
      今後とも当サイトのご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

      鉄道ファンの待合室