着々と数を増やしているものの、運用機会と編成数の少なさから「会えたらラッキー」な状態が続くE257系5000番台・5500番台。
最近は平日に訓練目的での走行機会が増えており、各地で新しい光景がみられるようになってきました。
意外と乗車は難しい?波動用編成の近況
E257系5000・5500番台は、中央線特急・房総特急から団体臨時列車・繁忙期の増発列車・季節の臨時列車などで使用される「波動用」として活躍していた0番台・500番台に機器更新工事や塗色の変更などを行なって2021年5月に登場した新区分です。
現時点では5000番台=9両編成のOM-91,92編成・5500番台=5両編成のOM-51〜53編成が登場しており、最終的には9両3編成・5両5編成程度の布陣となる見通しです。
改造完了後もしばらくは所属基地である大宮総合車両センター東大宮センターで出番を待つ日々が続いていましたが、8月のお盆期間の内房線特急「さざなみ」「新宿さざなみ」で5000番台が営業運転を行なったのち、10月の快速「武蔵野・青梅奥多摩」「ホリデー快速鎌倉」臨時特急「おうめ」で5500番台も営業運転を開始しています。
このほかにも修学旅行の団体輸送である「集約臨時」での運用も始まっており、少しずつ活躍の機会と場所を増やしています。
これらの波動用編成については、東海道線転用されたグループとは異なり、内装面については改造前のままとされている箇所がほとんどです。特に5000番台では、中央線特急ならではの「武田菱」模様の座席がそのままとなっておりよく目立ちます。
乗車する際には彼らの生い立ちを感じられ、一部の列車にはヘッドマークや側面表示も機器更新に合わせて新規収録されており、両区分ともに乗車・撮影が楽しい車両です。
今後も特急「あたみ」「開運初詣号」「花咲くあたみ満喫号」など、新規設定されている季節の臨時列車を中心に目立つ存在となりそうですが、現時点で発表されている臨時列車は5500番台が中心です。
9両の5000番台については繁忙期の中央・房総特急などの活躍が期待できそうですが、現時点では「成田山初詣青梅」「成田山初詣やまなし」程度で、活躍の場は5500番台と比較すると限定的な印象です。
連日行われる試運転
肝心の波動輸送が社会情勢の影響もあり限定的でしたが、代わりに連日運転されていたのは、新人乗務員養成目的と見られる試運転列車です。
東海道線の乗務員養成は、長らく日中にお仕事がない215系が活用されていたものの、同車の任務もE257系が継承しています。
2021年6月には、朝夕の特急「湘南」の間合い運用として、E257系2000番台9両を使用した根府川駅往復の試運転列車が頻繁に運行されていました。
9月・10月の設定は波動用の5000番台・5500番台が担っており、こちらも東海道貨物線経由で平日を中心に実施されています。
E257系の新天地・伊豆半島にも!
2021年10月29日には、伊東駅で各所合同で実施された訓練のため、緑色となってからは初めての伊東線入線も実現しました。
同駅で実施される機会が多い乗務員訓練では6番線と通称される一番奥の線路に留め置かれることが多いですが、今回は訓練内容からか3番線のお隣の4番線に入線。
伊東線にはこれまで武田菱カラーの0番台・菜の花カラーの500番台・修善寺編成ながら1度だけ訓練で入線実績のある2500番台も入線実績があるため、残されるのは5両編成の5500番台のみとなります。
こちらも最終的に5編成程度が用意されるものと考えられることから、こちらの入線も時間の問題と思われます。今後は青と緑の2色のE257系が伊豆を駆ける姿を見ることができそうです。
残される高崎・上越方面での活躍にも期待
これまで波動用両区分は、東は千葉・北は日光・南は伊東・西は奥多摩と首都圏近郊に満遍なく顔を出しています。
まだ活躍の機会が与えられていない中央線には5000番台の初詣臨が設定されているほか、富士回遊号の臨時便で近い将来見ることが出来そうです。
一方で、現時点で設定が見られないのは、高崎線・上越線方面の臨時列車です。
青色の編成はデビュー前の疎開措置で時折見かけた存在だけに、群馬・新潟方面のファンの方にとっては注目されるところでしょうか。
どのような風景にも馴染む緑色の塗装ですが、上越国境の山間部や緑色の架線柱とも相性が良いことが想像できます。
特に9両編成は中央線で雪景色を走行する姿が見られたので、新潟の雪景色を疾走する姿が見られる日も楽しみにしたいですね。
コメント