【ヒサシ×星釜】EF81 133号機が秋田へ〜人気形態の「北斗星」牽引機

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JR東日本では機関車牽引列車の淘汰の動きが進められており、2022年も数多くの機関車が旅立っています。

2022年3月23日には、田端運転所所属のEF81 133号機が秋田総合車両センターへ配給輸送されています。ナンバープレートが撤去されており、廃車となるものとみられます。

「北斗星」牽引機に抜擢

133号機はJR東日本に継承された78機のEF81形のなかでも数奇で幸運な運命を辿った機関車として知られています。

EF81 133号機は前面運転台部分に“ヒサシ”と通称される氷柱切りが設置されています。これは“上越国境越え”を目的に製造された1979年製造の137号機からラストナンバーの152号機までの仕様ですが、後天的に133〜136号機も追加設置されたものです。

この形態の133号機〜152号機は長岡運転所に集中配置されていましたが、133号機は1994年に田端運転所に転出。田端運転所では北斗星塗装となり、現在まで続く133号機の独自形態になりました。

それ以外の機関車は“ブルートレイン”衰退で徐々に活躍の場を狭めたものの、車齢が比較的若いことから4機がJR貨物に譲渡されたものの2008年までグループ全機が残存していました。

一部に電車牽引用の“双頭連結器”を設置する改造が進められて新たな任務を得た一方で、それ以外の機関車は“ブルートレイン”の廃止が進むとともに数を減らしていきましたが、早々に田端へ転属していた133号機にはしばらく影響がありませんでした。

JR東日本では「北斗星」「カシオペア」と当時委託されていた常磐線貨物列車牽引用としてEF510形500番台を2009年より15機投入し、16機のEF81形を代替しています。

このEF510形の投入で田端運転所で残存できたEF81形は6機のみですが、元“お召”牽引機の81号機・“スーパーエクスプレスレインボー”塗色の95号機などとともに代替対象から外されています。

その後も様々なイベント列車や事業用のレール・バラスト輸送などの牽引で使用されてきました。

JR東日本で進められる機関車淘汰

JR東日本では“ブルートレイン”廃止以降、輸送効率向上のため機関車牽引列車の淘汰を進めています。

長らく試験が続けられていたレール輸送用気動車キヤE195系の量産が進められたほか、バラスト輸送用の電気式気動車GV-E197系・車両牽引用電車E493系が2021年初めに相次いで落成しており、現在は試験が進められています。

寝台特急「北斗星」「カシオペア」引退後は電車牽引用の“双頭連結器”を搭載した機関車が中心に活躍しているものの、これを装備していないEF81形も長岡車両センターに1機・田端運転所に5機が残存し、これまで事業用列車やイベント列車の牽引を行なっていました。

2021年3月のダイヤ改正では事業用列車のうち数も多かったレール輸送がキヤE195系に代替されており、同改正では労組資料にEF81形の一部廃車も明記されていたものの、2021年度末まで生き延びることが出来ました。

2021年度には同じく田端運転所に所属していたEF65 1104号機・1105号機が長野総合車両センターに輸送されたほか、EF64形最後の生き残りである37号機が1052号機とともに秋田総合車両センターへ輸送されるなど、電気機関車の廃車が相次いでいました。

EF81形については2021年度に入ってからはこれまで廃車の動きはありませんでしたが、2021年3月改正以降は133号機に目立つ活躍はなく、田端運転所の撮影会で使用される程度の状態が続いていました。

139号機牽引で秋田へ

2022年3月23日から24日にかけて、田端運転所の139号機の牽引により尾久から秋田へEF81 133号機の配給輸送が運転されています。

ナンバープレートが撤去されているほか、過去に廃車となった機関車と同様に落成以来の総走行距離とみられる数字が回送票に記載されていることから、今回の配給輸送を以て除籍されるものとみられます。

今回輸送されたEF81 133号機が除籍された場合、ヒサシ装備の流れ星塗装が消滅となるほか、ヒサシ装備かつ非双頭連結器も見納めになります。

無骨な前面形状にローズピンク・赤2号・貨物更新色・そして133号機の北斗星塗装と様々な形態が楽しめました“ヒサシ”設置機は、双頭連結器が設置された長岡車両センターの134,140,141号機・田端運転所の139号機・秋田総合車両センター(南秋田センター)の136号機の5機を残すのみとなります。

また、JR東日本が所有するEF81形のうち双頭連結器非設置機も長岡車両センターの97号機・田端運転所の80,81,95,98号機の5機で、総数で10機となりました。

残された“ヒサシ”機は新造や改造のための電車牽引で引き続き活躍を見ることが出来ますが、これもE491系の量産が開始されるまでの僅かな期間となりました。

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